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なつめ、つぼつぼ。

「お茶を気軽に楽しみたい」という仲間でお稽古をし、
お茶会を開いています。いつでも遊びに来てください。

妙なお茶室その2(解答編)

2016年03月01日 | お茶会したり、旅行に行ったり。

先日の「奈良町にぎわいの家」のお茶室の話の続きです。

下手な手書きですが、お茶室の間取りです。

 

(すみません、真ん中の半畳に入っている縦のラインは無視してください)

 

炉の位置からして、亭主がお点前をする「点前畳」は赤で囲ったところです。

躙り口(にじりぐち)から席入りされたお客様は、

その点前畳を踏み込んで客畳に向かうことになります。

席入りが終わってお客が着座されてからお点前が始まるにしても、

変ですよね。これが妙な点一つ目です。

 

2つ目は、点前畳が2枚の畳にわたっていること。

つまり亭主が座る畳と道具を置く畳が、縁(へり)で分かれています。

これは「腹切り畳」と言われて、忌み嫌われることです。

 

お客から見て、床の間が下座にあるのは、

「下座床(げざどこ・しもざどこ)と呼ばれて、

他にも例のあることですので問題ありません。

 

ここまでは、お茶を学んでいる人には簡単だったかも。

 

あと、私が知らなかったこととしては、

この四畳半の畳の敷き方自体が、タブーだということ。

畳を「卍(まんじ)」に敷くのは、

「切腹の間」として避けられるべきそうなんです。

 この点でも、このお茶室は妙ですよね。

 

 

講師の増田明彦先生は、

卍に敷かれていることは半畳ずつずらして

上の右図のように敷き直せばいいことだけれど、

点前畳と躙り口の位置関係については

なぜ、そうしたのか理由がわからないということでした。

ただ、玄関から入って二つ目の座敷にも炉が切ってありましたので

通常のお茶会はこちらを使っていたのではないかということでした。

お茶室の(待合に面した)右の壁に

躙り口を作れば、妙なことにはならなかったでしょうに、

なぜ、こういう造りにされたのか。

 実際にお茶室で庭を拝見しながらに

待合から蹲(つくばい)、そして躙り口(にじりぐち)という

流れで歩いてもらうことでお庭を楽しんでもらいたかった?

とも考えてみましたが、実際のところは謎のままです。

 

 

ところで、卍の敷き方の話の中で余談として教えていただいたのは、

「床差し(とこざし)」という言葉でした。

 

床の間の前の畳は、通常「貴人畳」といって、

床の間と畳の縁(へり)が並行になるように敷かれます。

(こんな感じですね)

 

「床差し」とは、床に縁(へり)が差すように敷かれることだそうです。

この敷き方も基本的には避けられるそうです。

床差しになっている敷き方の例はこちら。

 ↓

 

しかし、増田先生によれば、「床差し」と「卍」、

どちらがより避けなければならないことかといえば「卍」だそうで、

そのために床差しになるのはやむを得ないことだし、

最近では気にされることが少なくなってきたというお話でした。


 

さてさて、「奈良町にぎわいの家」の別の座敷の床の間。

お気づきでしょうか。

床柱が、二月堂のお水取りで使われたと思われる

だったん松明竹です。

そして、東大寺開山堂の椿「糊こぼし」。

 

奈良では、今日から修二会が始まりました。

いよいよ、春ですね。

 

(S・K)


 

 

 

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妙なお茶室(町家見学で)。

2016年02月27日 | お茶会したり、旅行に行ったり。

先日、「奈良町にぎわいの家」を訪ねてきました。

もとは美術商だったという町家を改装し、

昨年の春オープンした見学施設です。

「奈良町にぎわいの家」公式サイト

 

そこで行われた町家講座「茶室と町家の楽しみ方」を受講してきました。

講師は、建築家の増田明彦先生で、

こうした古い建築の改修復元の監修にも多く携わられている方です。

 

「奈良町にぎわいの家」は当家の住まいとしても使われていましたが、

1階の3つの座敷は襖をはずせば、続きの長細い広間になるようで、

おそらく、ここに美術品を並べて商売をされていたのでは、

ということでした。

 

で、お話の中で、この「奈良町にぎわいの家」にあるお茶室が

変なんだということでした。

間取り図をホームページからお借りしてきました。

 玄関から入って、右上に四畳半のお茶室があります。

左下が茶道口です。そこから撮影した写真です。

 貴人口の外、右にちらっと見えているのは待合いです。

このまま右に移動して、

床の間の前から撮影したのがこちらの画像です。

にじり口が見えます。

貴人口の外に見えるのは、蹲(つくばい)です。

炉の位置もわかっていただけたと思うのですが、

変なところが2箇所。

成穂会社中のみなさんには、

すぐにわかる話だと思いますが、

ひとまず、クイズとして答えは次回にご紹介します。

 

茶道口の脇はちょっとモダンなデザインでした。

障子を開けた状態。

閉めると、

 

こんな覗き窓のようなものがあれば、

お茶会のときに便利かな?と思いましたが、

いやいや覗いている姿がシルエットで映るのでした(笑)。

 

(S・K)

 

 

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お猿さんがいっぱい。

2016年01月29日 | お茶会したり、旅行に行ったり。

初釜では、干支ものをよく使いますが、

今年はとりわけ、

年女のY先生が私物を多く持ち出してくださり、

お猿さんたちで賑わいました。

まず、玄関でお客さまをお迎え。

お花は、フラワーアレンジメントの先生でもあるOさんが仕上げてくれました。

お茶室の床の間のお香合は「見ざる、聞かざる、言わざる」。

敷かれている古帛紗もお猿さん柄です。

そういえば、お濃茶の席の出し袱紗もお猿さんでしたが、

ごめんなさい、撮影し忘れてました。

 

今年の人気者は、このお茶碗でしたね。

 

もう一つ。お猿さんの三番叟です。

 

そして、おそらく、お客様のどなたの目にも

ふれることがなかったのは、蓋置。

 

申年には、厄や病が去るといういわれもあります。

今年一年もつつがなく過ごせますように。

 

次回は、インドサリーの生地で仕立てられたお着物を紹介します。

びっくりぽんですよ。

 

(S・K)

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2016年初釜。

2016年01月27日 | お茶会したり、旅行に行ったり。

この日曜日、1月24日に無事に初釜を終えることができました。

お越しいただいたお客様には、本当にありがとうございました。

 

「好日」

いやいや、この冬一番の寒波を迎え、

荷物を運んでくれるKさんの車の、雪の心配をしたりと

気持ちも気温もヒヤヒヤの一日でしたが、

何とか天候に恵まれ、雪は大丈夫でした。

 

今年の初釜は、昨年から利用し始めた布施のお茶室でしたが、

いつものお稽古は夜なので、

点前畳の前から自然光が入ることに気づいたのはMさん。

故N先生のご自宅での初釜でも、

点てたお茶に自然のやさしい光が映りこんでいましたよね。

 

ところで今回、Y先生に珍しいものをご用意いただきました。

京都の安井金比羅宮から授かってくださった「稲宝来」です。

「新しい年の豊かな実りと無病息災、

 招福吉兆を祈る新春にふさわしい縁起物」だそうです。

皆さんのこの一年のご多幸とご健康を祈願して、

待合の床に飾らせていただきました。

 

待合のお花は、水仙と椿。

新春の香りを添えました。

 

ちなみにお茶室の床は、紅白の椿です。

 

お菓子はもう「偉大なるマンネリ」の

「福寿草」(鶴屋八幡御製)。

 

お干菓子は、今回は3種盛り(刺身じゃないって)。

一番奥は、「松風」です。

今回は珍しく、京都のではなく

熊本県菊池市の正観寺丸宝(しょうかんじまるほ)御製のもの。

“日本一薄い和菓子”をうたっているらしく、

本当に繊細な薄さで、程よい甘みがお茶席にもぴったりのお菓子でした。

菊盆にも映えます。

 

食事は、今年3回目の「さえき」さんで。

 

毎年来てくださっていた姉弟子のY先生が、

昨年10月に亡くなり寂しさがあった一方で、

今年は、若い3人の新しいお客様をお迎えしました。

お濃茶も初めてだったそうですが、楽しんでいただけたでしょうか。

これからも一年に一度、

新年の清々しい空気をお茶席で楽しんでいただけたら嬉しいです。

 

さて、今回、Y先生が年女ということで、

たくさんのお猿さんに出会えました。

その話題は次回に。

 

そして、今は東京住まいのKさんへ。

あのインドサリーがお着物になりましたよ。

それもまた、このブログで紹介します。

乞うご期待!

 

(S・K)

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Mさんの還暦お祝いの会

2015年11月03日 | お茶会したり、旅行に行ったり。

こんなに堂々と“還暦”と題して

Mさんに叱られるかもしれませんが、

おめでたいことなのです。

 

というのでY先生以下、社中でお祝いに

Mさん宅へ押しかけることになりました。

 

まず、食事はがんこの「三田の里」へ。

お店からはこんなお祝いもいただきました。

めで鯛!

前菜に始まり、

(お献立のリストが添えられてたらよかったのにな。

 三つ葉のお浸しや湯葉などでした)

天ぷらや、

湯葉しゃぶしゃぶや、

松茸の釜飯と土瓶蒸しなど、

松茸尽くしの御膳をいただきました。

 

このときお話ししていた、

友人のおばあちゃん宅が「がんこ」になるかも、

と言ってたのは、すでに開店していました。

がんこ「池田石橋苑」

 

さて、Mさん宅に場を移し、お祝いのお茶会です。

Mさん宅でのお茶会は、

窯開きのお茶会以来、15年ぶりです。

ご用意いただいた床の間は

 

お棚は二重棚。

 

一席目はMさんご夫婦をお正客に濃茶と続きお薄で。

主菓子は「綾錦」(鶴屋吉信御製)です。

 

お干菓子は「コハク栗」と「片栗イチョウ」でした。

(ともに鶴屋吉信御製)

 

二席目は、Mさんに久しぶりにお点前していただきました。

 

楽しい1日を過ごさせていただきました。

 

Mさんから内祝としていただいた「丹波栗の栗納豆」は、

さっそくおいしくいただきました。

 

(S・K)

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