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宇宙の歩き方

The Astrogators' Guide to the Charted Space.

ダイベイ宙域1119 ライブラリ・データ

2021-04-27 | MegaTraveller

(※ここで使用した私家版UWPデータ(0101-1640)(1701-3240)は、HIWG版ダイベイ宙域(1120年設定)を基盤とし、現行のT5SSの1105年設定から星系名・規模・大気・水界・TL・スペクトル型を移植して整合性を取ったものです。このため、貿易分類は正しくない場合があり、知的種族の人口比率はT5SSの元データを参照する必要があります。宙域図内の点線は、寸断されたXボート網の合理的と思われる再編計画線です)


ダイベイ宙域 Daibei Sector
 大裂溝(Great Rift)に隣接するダイベイ宙域は、いくつかの古い文化や知的種族が点在する発展途上の地域です。ここはまずジル・シルカ(第一帝国)が「ランキシダム州(Lankhisidam)」として植民地化しましたが、領土として正式編入したのはトレイリング側の星々のみで、首都ヴランドから遠い上に主要交易路から外れたため開発も特になされず、後進地域のままでした。また、領外の星々の多くが流刑地や反体制派(キマシャルグル)の逃亡先として点々と入植されていったこともあり、未だに反ヴィラニの気風が残っている星もあります。
 その後、銀河に進出した地球人はダイベイの併合を後回しにして直進し、恒星間戦争が終結した頃になってようやく本格的な入植と開発を開始しました。このため現在のダイベイ宙域にはヴィラニの血が濃く残る市民が多く居住しています。
 暗黒時代の間、ダイベイは他と同じように交易の喪失と技術後退に苦しみ、そして略奪者(Reaver)の侵入に遭い、その後は入植を開始してきたアスランとの軋轢から戦争となりました。侵入と交戦と報復の繰り返しとなった国境戦争は主にこの宙域のスピンワード側で行われ、それは380年に和約が成立するまで続きました。アスランとの間には(隣のリーヴァーズ・ディープ宙域に)30パーセクの緩衝地帯が設けられ、帝国政府は宙域の安全を保証するために軍を派遣しました。
 704年に女帝マーガレット1世がソロマニ自治区を制定した際に、ダイベイのリムワード側の大部分はソロマニ圏に属することになりました。871年に自治区が「ソロマニ連合」に改組されたことで緊張が高まり、帝国の分遣艦隊とソロマニの「私掠船」との小競り合いが頻発しました。
 990年にソロマニ・リム戦争が勃発すると、ソロマニ軍の攻勢は帝国軍に大打撃を与えましたが、最終的には帝国軍の反攻で1002年の休戦時にはわずかな星系のみがソロマニ領として残されました。連合は今も旧ソロマニ圏内の「帝国占領地」の領有主張を取り下げてはいませんが、これらの世界のほとんどは(純血ではないという意味での)非ソロマニ人が多数派であるため、本音としてはわざわざ取り込まなくてもと考えているようです。


【反乱の推移】
 ストレフォン皇帝殺害さる、との一報が(情報封鎖を越えて)届くなり、ソロマニ軍は帝国に対して全面攻勢に出ました。混乱した帝国海軍は増援が届くまで遅滞戦術を採るしかありませんでした。
 ソロマニ軍は当初ダイベイ宙域のリムワード側半分まで進出しましたが、帝国軍の組織的抵抗や奇襲に遭って、再編して戦線の穴を塞ぐために一時後退しました。この時点でディアスポラ艦隊から派遣された3個艦隊は、ダイベイ艦隊の指揮下に入っています。
 ソロマニ連合による攻撃は、帝国への愛国心とともにルカン「新皇帝」への忠誠心も掻き立てました。皇帝暗殺を実行したイレリシュ大公デュリナーは、同じイレリシュ領域に属するダイベイへの宣伝工作を行ってはいましたが、デュリナーこそ現在の危機の元凶だという見方を覆すまでには至りませんでした。
 それから両陣営は消耗戦に入り、互いの艦隊に攻撃を加えながら自国領への深い侵入を防ぎ続けました。ソロマニ軍はテラ方面の戦線に力を入れたため、1117年の間はダイベイ戦線は停滞しました。
 その頃、ザルシャガル宙域でのデュリナーへの「復讐艦隊」の大攻勢が不発に終わったことに業を煮やしたルカンは、ダイベイから12個艦隊を合流させるよう命令を出しました。宙域首都ワリニア(0507 A889978-F)にその命令が届いた時、クレイグ公は皇帝に裏切られたと感じました。それだけの艦隊を供出すれば、当然ダイベイはソロマニに対して無防備になってしまいますし、加えてそれは、帝国が軍を派遣してダイベイの安全を保証したかつての「和約」にも背く態度なのです。
 公爵は宙域の上級貴族を集めて会議を開き、供出削減の嘆願が認められなければ拒否するという意見をまとめました。そして万一に備えて「独立後」を睨んだ宙域政府組織の改革を急ぎながらも、帝国中央に対してはあからさまな態度を取らずに時間稼ぎに徹しました。その間、1118年223日にソロマニ戦線に向かう帝国第239艦隊が、オルヴォン(2935 C5659D9-8)にてダイベイ艦隊所属の艦艇に発砲する事件が発生しました。
 1118年289日、クレイグ公は嘆願の却下を受けて「ダイベイ連邦(Federation of Daibei)」の設立を宣言し、各勢力に対しては中立であることを通達しました。しかし宙域内にはルカン支持派も根強く、ダイベイ艦隊からも2個艦隊が離反して(ルカンの)帝国軍に帰順しています。また、元々ルカン支持派の多かったリインガー星域やオルヴォン星域など「ルカン帝国」に接するトレイリング側の星々も独立には同調しませんでした。

 ダイベイ連邦は、旧来の帝国の官僚機構をそのまま取り込むことができました。統治はクレイグ公爵を筆頭とする上級貴族らによる統治評議会が行っており、この体制への移行は独立後1年とかからずに終了しました。しかし、寸断された上に非効率となったXボート網の再編は急務となっています。
 ダイベイ防衛軍(DGF)は司令本部をアキュロン(1820 A645367-D)に置き、トーレヨン(0326 A9B956A-F)の兵站基地(Depot)と連動して目の前のソロマニ軍と背後から迫るルカン軍の二正面作戦を耐え抜くべく全力を尽くし、同時に反攻作戦を練っています。
 そして現在、イレリシュとダイベイとの間には何らかの条約(相互防衛ないしは不可侵)を締結するための、積極的な外交交渉が行われています。


【反乱による影響】
 T5SSの1105年設定と比較してUWPが大きく変化した星系を以下に挙げます。

イイネン Iinen 3010 A593989-E 工業・高技・高人 R 813 Fd 星域首都
 星域首都で高人口な工業星系で、ルカンとの国境沿いかつ「反乱後にレッドゾーン化」というだけでもう色々考えられます。ちなみに現行の「公式」では、リベール(ディアスポラ宙域 1109)のリベール人が人口の7割を占めるという何かの間違いとしか思えない設定があるので削除しました(現時点でリベール人の設定は作られてませんし…)。

ザンシー Xanthe 0527 B984711-B 農業 422 Na 星域首都
テーバイ Thebes 1114 A675898-C A 高技 A 914 Na 星域首都
 これらは星域首都でありながらダイベイの独立にすぐに呼応しなかった星系です。テーバイはXボートが通っていた上に海軍基地もある重要拠点なので、海軍も「中立化(実質ルカン支持?)」に加担しているかどうかで深刻度が変わってきます。連邦政府としても何が何でも押さえたい星でしょう。一方、ザンシーは反乱後に政治5(技官政)が1(企業統治)に変わったという謎があります。このタイミングで企業が政権を握るって、何か深い理由でもあるんでしょうか?(※おそらく人口7が政治1になるはずがないので、T5SSでは5に変えられたのが真相でしょう) また、反乱前にザンシーが統治していたハデス(0628 B100569-E)はダイベイに合流したので、統治元がジェミ(0627 C89AA8C-E)に移っています(※T5SSはよくわからない理由で統治元を変えているので、その影響です)。

ギイナカ Giinaca 2404 C581579-9 非工 A 303 Na
 両勢力の狭間で政治6が7になった上にアンバーゾーン化ということで、ルカン派とダイベイ派による分裂抗争が見えてきます。

ペリシャン Perishan 0407 A300200-E 高技・真空・低人 R 323 Fd
 元々帝国領外だったのがダイベイ領に組み込まれています。首都ワリニアのすぐ隣ということもあってか、何かしらの工作が行われたのかもしれません。そしてその余波でレッドゾーンに…?(所詮人口2なので別の理由も考えられます)

タウンエンド Townend 0131 C410452-B 非工 A 413 Na
サイノワ Cynowa 0133 C310564-B 非工 A 413 So セチ4(0333)が統治
オータム Autumn 1304 B795734-C 高技・農業 201 Fd
 反乱の影響で政権が崩壊したり移行したりしたと思われる星々です。特にサイノワは政治4(間接民主政)だったのがソロマニによる間接占領統治になったので、抵抗戦ものにはぴったりでしょう。

スパルタ Sparta 1113 C987568-9 農業・非工 302 Fd 軍政
リング Ring 2031 B437267-D N 高技・低人 A 904 Fd 軍政
アドゥウリクガア Aduulikgaa 3208 B310466-D N 高技・非工 614 Li 軍政
ビクトリノックス Victorignox 3210 C985566-9 農業・非工 205 Li 軍政
 政治6のままながら、統治元が別勢力になってしまったため便宜上軍政扱いとした星です。


【ダイベイ宙域の知的種族】
・人類(ソロマニ人・ヴィラニ人・その混血)
 居住星系:宙域ほぼ全域

・アスラン
 居住星系:クリイガ(0429)、ダイオニー(0824)、ルシイル(0932)、パラソル(1104)、ホーマー(1107)、モルドール(1108)、トヴィラ(1126)、イッリクリイ(1204)、カーグウラム(1206)、アイテハテォ(1216)、オイヒューエラー(1637)、ムラゾー(2231)

・ドロイン
 居住星系:ピアソン(1536)、ゼノーン(2323)

・エヴァンサ
 居住星系:アシュースト・ウッド(2322)、ゼノーン(2323)、トゥケラ(2423)、アダナック(2524)、ダハーマ(2621)、カーニヴォラ(2622)、レギイマア(2623)、サン・セバスティアン(2624)、インサヴィサィ(2722)、デーラン(2723)、ウリエ(2822)、ダイム(2922)、テメレール(3020)、ニュー・メルボルン(3021)、ボボノン(3121)

・ブルーレ
 居住星系:コーヴ(1729)

・ドルフィン
 居住星系:ジェミ(0627)

(※この他に、デュールムーゼ(0922)、ダマー(0937)、カルキ(2137)、ウースナム(2337)に未設定の知的種族が存在することになっています)

エヴァンサ Evantha
母星:テメレール(ダイベイ宙域 3020)
 帝国人には「ヴァンシアン」とも呼ばれるエヴァンサは非人類の群小種族で、山岳の空で群れを作っていた肉食鳥類から進化しました。低重力を好み、翼を持つ狩人である彼らは、何千年もの間独自の文化を守ってきました。最近ではカリスマ的独裁者の下で帝国との緊密的な統合を目指していますが、全てのエヴァンサが指導者の描いた道に従うことを望んでいるわけではありません。
 成体のエヴァンサは身長1.5メートル、体重30kg~35kgで、男性の方がやや体格が大きいです。直立二足歩行ですが首は長く、翼と扇型の尾を持ちます。この尾は飛行時には舵となり、直立時には体を支えます。人類の脚に当たる部分が腕となり、手には鋭い爪を持つ3本の指とその反対側に2本の「親指」があります。エヴァンサの知覚は、密度の高い大気中では聴覚が優れ、遠距離視力も高いです(大気密度が低ければその逆です)。
 エヴァンサは暖かい環境では基本全裸で過ごし、羽毛を整えたり着色したり、宝石で飾ったりします。彼らは閉所恐怖症ですが、飛行機と宇宙船は例外です――空を飛ぶことは何よりも重要だからです。そしてエヴァンサは「同性の友情」を軽蔑すらしています。交際対象でもない相手と協力はできても、親密な関係にはなろうとしないのです。一方で他種族であっても異性には非常に友好的です。
 彼らは権力には従いますが、本質的に自由を愛し、あれこれ指図されることを好みません。上司は部下に何をすべきかは言っても、どうすべきかは言わないのです。
 -4238年にエヴァンサは宇宙飛行に成功しましたが、それとほぼ同時期に拡張主義派(キマシャルグル)のヴィラニ人が彼らの電波を検知して初接触しました。その後はまず第一帝国の属領として組み込まれ、-3341年には正式に併合されていました。そしてエヴァンサはヴィラニ人の下で周辺17星系に植民するほどに拡大し、第二帝国時代は軍政の下で限定的な自治権を獲得しました。それは暗黒時代に「エヴァンサ保護領(Evantha Protectorate)」という形で生き長らえ、そのまま第三帝国に平和的に吸収されて今に至ります。
 高い技術力を得たエヴァンサは、機械の方が得意な単純仕事から解放されました。このことから彼らは科学技術の進歩を良いことと考え、科学者や機械技師は名誉な職となりました。エヴァンサの製品はどれも美しくて個性的ですが、人類のものより5割増で高額であり、個性を重視するあまり規格の互換性というものもありません。
(※現在、UWP上でエヴァンサが居住しているのは15星系で、総人口は約70億に達します。母星テメレールのあるトゥケラ星団(Tukera Cluster)にはその15星系しかないため、ジャンプ-2を要する星団外の入植地は滅んでしまったか人口比率が少なすぎるのかもしれませんし、17星系という設定自体が単純に誤りなのかもしれません)

ブルーレ Bruhre
母星:コーヴ(ダイベイ宙域 1729)
 非人類知的種族であるブルーレは、がっしりとした六本足生物で、硫黄分を多く含む大気を苦にしません。そんな環境で育った人類には有毒な動植物も、彼らには美味となります。
 ブルーレの生活に深く結びついた儀式や作法は、複雑で不可解に見えます。彼らは生涯のあらゆる面において、一つ一つの発言や行動にすら厳しい戒律と仕来りの下で生きています。
 彼らはとても偏狭な種族でもあり、部外者にも自分たちを同じやり方を求めます。よって、ブルーレは一般的に他の主流帝国文化からは外れた存在です。ある意味でブルーレは、法律や習慣で定められていないことは何一つすることも考えることもできないと言えます。
(※ブルーレはローレン(リーヴァーズ・ディープ宙域 2311)に移住していますが、理由は不明です)


【ライブラリ・データ】
(※以下の情報は帝国暦1108年当時のものです。反乱後は状況が全く変わっている可能性は十分にあります)

805-111 805-111 3225 D736988-7 高人 R
 805-111の住民は、あらゆる物事を解決する手段は暴力だと考えています。この星は名目上は統一されていますが、徒党・犯罪組織・私兵集団・独裁権力らが目まぐるしく統治者を変えています。まるでクーデターが日常かのように。
 地元の人々は警告の有無に関わらず、いつでも誰とでも戦います。外世界の人々は殺害を含めて犯罪行為を避けられる可能性がほぼないため、トラベラー協会はこの星に進入禁止(レッドゾーン)指定を行い、帝国海軍がそれを執行しています。

アリアン・リシアーニ Arian Lisiani
 リシアーニ艦長は帝国で知らぬ者は居ない英雄で、その栄誉を称えて後世に「リシアーニ」と名付けられた軍艦がいくつも存在します。最新のものは、1037年にモーラ(スピンワード・マーチ宙域 3124)で建造された5000トンのP・F・スローン級護衛艦(P.F.Sloan class Fleet Escort)です。
 アリアン・リシアーニは220年に帝国海軍に入隊し、名門のシレア士官学校を卒業後に飛行科に配属されました。彼女の海軍生活は波乱万丈で、イレリシュ宙域にていくつかの小国家との接触や併合で功績を挙げたかと思えば、アスランとの交戦で非服従の態度を取ったために謹慎処分を受けるなどしました(その際は士官学校の同級生であるヴォセエフスキー提督の力添えで復職しました)。
 その後の彼女はアスラン国境戦争で艦長として追撃隊を率い、アスラン遠征軍に占領されたワリニアの解放戦で実力を発揮しました。救援活動は成功し、アスランは星系から追い出されました。リシアーニ艦長はアスラン主力艦隊をワリニアから遠ざけるべく巡洋艦を自ら指揮し、船体に深刻な損傷を受けつつもアスランの旗艦に突撃して相討ちに持ち込み、壮絶な戦死を遂げました。この功績で彼女には名誉ある「星芒大英雄勲章(Starburst for Extreme Heroism)」が授与されました。
(※SEH勲章は最高位かつ特殊なもので、「圧倒的不利な戦況で命を顧みず戦った至極の英雄的行為」に対して贈られるため、だいたい死後に叙勲されます)

ヴァアル Vaal 0624 D597779-6 農業 G
 ここは農業星系に分類されていますが、実際には星域内で最も豊富なランサナム鉱脈があります。この小さな惑星には重金属が豊富に含まれていて、火山からは頻繁に酸化鉛が排出されて高密度の大気を汚染しています。植物はこの汚染を取り除き、代謝に利用できるように適応していますが、もちろんこの植物は人類には食べられません。
 ランサナムが埋蔵されていることから、この星系はソロマニの進出目標と見られています。ソット(0424 B432856-D)の海軍基地はこの星系と近隣を警戒しています。

ウーメラ湾 Woomera Gulf
 ムラアー、アウトバック、ウーメラ、ジェミの4星域に広がる星系密度の低い地域を指す言葉です。歴史的にこの地域は、エッジ星域などコアワード方面の星系への入植と開発の障害となってきました。

ガーシュナス Gershunas 0728 C552675-8 非工・貧困 A G
 ガーシュナスの多くの国では、思想や文化の違いを越えて「時間は重要ではない」という姿勢は一致しています。予定はよく変わり、仕事を慌てることはなく、「締め切り」という概念はどこの国でも理解されません。
 この小さな惑星はほぼ潮汐固定状態にあり、大きくて暗い恒星の近くを非常にゆっくりと公転しています。昼と夜は生体周期とは無関係に来るので、無視されています。地元の人々にとっては、自分がしたい時にしたいことだけが行われるのです。そのため多くの宇宙船の船長は、ガーシュナスで貨物を積み込む際に何度も遅延を経験していますし、外世界からの訪問者は立てた計画が乱れることを覚悟して来なければなりません。
 一方で、中には望んでガーシュナスを訪れる人もいます。地元の人々ののんびりとした空気感が、ストレスによる病気の治療の役に立つからです。ジェミ星域でよく聞かれる言葉がそれを表しています。「お堅い経営者にとってガーシュナスでの長期休暇は、心が安らぐか、気が狂いそうになるかのどちらかだ」。

カルロ・アモレッティ Carlo Amoretti
 「人類の支配(第二帝国)」初期の探検家です。テラのイタリア地方の血筋であり歴史に興味があったことにから、彼は探査を行ったソット(0424)から順にそれにちなんだ星系名を付けていきました。それらは今では「アモレッティ群星(Amoretti Group)」と呼ばれています。
 群星の最後に訪れた星には、既にキマシャルグル派ヴィラニ人の小さな集落がありました。彼らはジャンプ船を入手できず亜光速船で新天地を目指したものの、不本意にも船の故障でその星に漂着した人々でした。アモレッティは彼らの苦難に敬意を表し、これまでの決まりから外れたヴィラニ語のカドゥッグル(リーヴァーズ・ディープ宙域 3223)と星図に記しました。

ギルデン Gilden 2415 A431400-F 高技・非工・貧困 G
 ギルデンの住民は17の一門に分かれており、それぞれが入植初期に合意された領地に住んでいます。これにより、各一門は特定の資源や産業、そして砂漠に近い世界で可能な農業を管理することができています。子供たちは3歳から一門でまとめて育てられ、一門の専門分野のどれかで働けるように訓練されます。一門間での結婚は可能ですが、一般的ではありません。その場合は女性が夫の一門に移り、新たな仕事のために再訓練されます。
 ギルデンはワグニルド(2214 C435687-A)の遺伝子操作実験の際の避難民によって入植されました。ワグニルドの実験は結果的に多くの悪影響があることが判明し、地元民の言う「人造人(artificials)」への対応や受け入れの難しさから、多くの「自然人(naturals)」がギルデンに移り住んできました(※参照⇒ワグニルド)。
 遺伝子工学はワグニルドでは既に禁止され、ギルデンでも禁忌とされています。しかしギルデンの住民はその高度な技術を持ってしても、近親交配の危険性をほとんど無視してきました。ここ数十年で先天性異常の割合が増加しており、労働人口が大幅に減少しています。
 少数の一門が行っている一門間結婚を奨励する試みは多くの一門の抵抗を受けています。ある保守的な一門は新生児の多くが死亡し、わずか200人にまで減少してしまいました。

近代派再調整教会 Modern Church of Readjustment
 ナルヤ星域で広く信仰されている宗教団体です。
(※HIWG版ダイベイ宙域図のみで星域規模国家として存在しますが、そもそも詳細は不明です。今回の私家版宙域図では『反乱軍ソースブック』等の記述に合わせてソロマニ連合に吸収した上で、このような形で設定構築を委ねることにしました)

クリム Krimm
 ヘルメス星域にある美しくも過酷な世界、ブレウィン(1635 A784200-E)に生息する生物です。ここには名だたる猛獣がいくつもいるため、狩猟者や探検家にとって危険な星となっていますが、多くの人がこのクリムを最も凶暴なものと考えています。
 クリムは肉食獣であり、ヴィラニ人の言うアシュルガルシュ(Ashurgarsh)やテラ原産のクマに似ていますが、一般的にそれらよりは小さくて素早いです。しかしその爪と牙は自分より遥かに大きな動物を引き倒すことができ、空腹でなくても己の脅威でなくても襲いかかることが知られています。クリムの毛皮は星域内で珍重されていますが、当然ながら希少性も高いです。

コロガリグモ Tumblespider
 コロガリグモはアマルシ(2121 E994733-6)に生息する、成体だと体長約50cm・体重0.1kgの生き物です。比較的乾燥したこの世界の平原に自生する、小さな灌木の小枝に良く似ています。コロガリグモは芳しい匂いを発して昆虫を引き寄せ、棒のような枝で空中から掴み取ります。
 アマルシの赤道直下特有の暴風雨でコロガリグモは激しく飛ばされますが、その際に卵を落としていきます。そして降る雪が卵を覆い、春に孵化するまで断熱をしてくれます。一方コロガリグモの成体の死骸は冬の風景の中に散らばり、時には数メートルにもなるぐらいに寄せ集まります。
 コロガリグモは天然の防虫役として他世界にも輸入されており、毒もないためペットとしても需要があります。アマルシの人々はコロガリグモを「善霊(good spirit)」と見なしており、地元の言葉には「コロガリグモより役立つ」という比喩表現があります。

作曲家達の列星 Composers Row
 ドゥディン星域にある星団のことで、構成する7星のうち6星の名が古のテラの作曲家に由来することからそう名付けられました。例外のウウカミヌク(1724 DA8A746-8)は、恒星間戦争初期にヴィラニ人によって入植された星です。

ダイベイ・リムワード回廊 Daibei Rimward Corridor
 6星域(デュディン、ガアローン、ヘルメス、ムラアー、ナルヤ、ジェミ)・60星系に及ぶ星々の繋がり(メイン)で、ダイベイ宙域のリムワード方面の重要な貿易路です。
 「人類の支配」期に本格的に探査が開始されたこの回廊は、歴史的にリムワードとスピンワードを結んで交易と植民地化のための主要交通路として機能しました。

タテゴトソウ(竪琴草) Harp plant
 医薬品企業として有名なインデック社(Indec Corporation)が所有するチェミ(2530 C888413-9)に生息する草花のことです。香りや色ではなく、音で受粉昆虫を誘き寄せる特徴があります。直立した茎の間に張られた細い糸が風で振動し、その音色で在来種の昆虫が集まります。そして虫たちは花粉を食べたり、撒き散らしたりするのです。
 なおタテゴトソウの汁は、インデック社の多くの抗ウイルス剤や抗真菌薬の素材として用いられています。

テメレール Temeraire 3020 B585779-A N 農業・富裕 G エヴァンサ母星6割
 知的種族エヴァンサの母星であり、K0型主系列星の第2惑星であるテメレールは、地殻の密度は低いながらも厚い大気を持ち、地軸が傾いていないので四季が存在します。テメレールは巨大な山脈、広大な砂漠や草原、点在する小さな海、そして多くの火山によって作られた島々が存在する風光明媚な世界です。そして2つの小さな衛星(カビサとサスロス)と、もう一つの衛星だった明るい環が取り巻いています。自転周期は約20時間で、密度の高い大気が熱を保持するので夜も暖かいです。
 テメレールには数多くの住民がいますが、大草原には家畜が放牧され、小さな街が多く見られます。それは、いまだに大量の食用動物を飼う必要があるからです。重い荷物は水路や空路で運ばれ、古い町は運河で結ばれています。
 エヴァンサは皆、航空機を愛しており(「キサリは我らに翼を与えたり!」)、反重力機器であるスピーダーやエアラフトが空を賑わせています。鉄道などは珍しく、エヴァンサは閉所恐怖症のため地下交通は存在しません。
 若者が空で騒いでいても、エヴァンサの街は一般的な大都市より静かです。うるさい地上車はなく、混雑した通りもありません。エヴァンサの街は細い摩天楼や高層建築物の集合体であり、工業地帯や空港・宇宙港や狩猟公園などに囲まれています。それぞれの建物はバルコニーや天窓を備えており、広い空にすぐ出られるようになっています。
 エヴァンサは屋内にいることを好まないので、商店や市場は露天式で、商売や政治の会議は飛びながらか狩りの最中に行われます。
(※原文ではテメレールのエヴァンサ人口は「10億以上」とされていますが、どうやら設定が起こされた際にUWPの人口7を9と誤認してしまったと思われます)

ヘイデン Haden 0830 X66A630-4 海洋・低技・非工 R G
 ヘイデンの島々に住む300万人の住民を統治しているのは、海を渡る船の数百名の船長たちです。彼らはこの星の主要な燃料である貴重な油を得るために、土着の海洋生物であるガトゥフ(gatuf)を狩っています。また、深海生物のタルモ(tarmo)を撃退できるのも船長たちだけです。タルモは海岸近くに潜み、海岸を歩く人や海水浴客やボートを襲うことがあるのです。
 この世界がレッドゾーン指定される前は、無知な外世界人がヘイデンを訪れては島の海岸から姿を消していました。海岸に残されたタルモの痕跡と、衣服や所持品の欠片だけが彼らの運命を物語っています。船長たちはこれ以上の上陸を禁止するために簡素な宇宙港を閉鎖し、トラベラー協会に進入禁止指定を要請しました。
 船長たちが不在の間は島に指導者がいません。この環境の脅威に対抗するためには秩序ある行動が必要であり、船長が海に出ていても問題ないように社会は組織化され、構造化されています。
(※HIWG版設定ではこの星はTL6でしたので、船長のみがTL6の船や武器を扱えるとしましょうか。また、T5SSによる1105年設定ではレッドゾーンではないため、1105~1107年の間に指定されたと解釈可能です)

ペロポネソス橋梁 Peloponnesian Bridge
 アウトバック星域のこの星団は、ウーメラ湾を横断する重要なジャンプ-2航路上にあります。テラのペロポネソス半島にあった古代都市国家にちなんだ3星系(アテナイ(0913 A86A344-F)、スパルタ(1113 C987568-9)、テーバイ(1114 A675898-C))の存在と、今日のその役割からこのように名付けられました。

ヘルメス星域 Hermes subsector
 ダイベイ宙域にあるヘルメス星域は、第二帝国の時代に広範囲に渡って入植されました。その後、アスラン国境戦争の時代に侵入したアスランがそのまま帝国市民として定着した星系の1つが、現在の星域首都オイヒューエラー(1637 B310AD9-E)です。
 数百年前、そのオイヒューエラーの地殻奥深くに広大なランサナム鉱脈が発見されました。今ではオイヒューエラーは重工業化されており、採掘が絶え間なく続けられています。近隣のゼノン(1537 AAD5357-F)、ブレウィン(1635 A784200-E)はいずれも宇宙船製造業が盛んで、造船所では建造の大部分を高TLのロボットが担っています。
 また、この星域はソロマニ・リム戦争の際に激戦地となったことから、オイヒューエラーには戦没者を慰霊するための「英雄の尖塔」が1015年に、当時のイレリシュ大公によって建てられました。
 ちなみにカファル(1539 E548351-8)は、アスラン国境戦争を終結させるために行われた「決闘戦争」の、アスラン側の攻略目標として設定されたことで有名です。この決闘は、先にガヴザ(リーヴァーズ・ディープ宙域 1117)を陥落させたことで帝国の勝利となりました。

フラーム Flamme 2729 E546451-8 非工 G
 この星の文化は強烈な労働至上主義です。子供の頃から住民は「有益な活動」にのみ時間を費やすように育てられるため、この世界には娯楽産業はほとんどありません。何らかの理由で働くことのできない者は自分が穀潰しであると考え、自殺したり、恥から逃れるためにこの星を去ったりします。

星無き海 L Astéria Thálassa
 ガアローン星域とヘルメス星域に広がる小規模裂溝(Minor Rift)のことです。歴史的にこの空間は、マジャール宙域からダイベイ宙域への物流と開発の流れを妨げてきました。
 この存在がジャンプ-2以下の宇宙船に大きな迂回を強いるため、ヘルメス(1431 D100ABA-D)とシリスキア(0634 C100895-B)間にはジャンプ-2宇宙船向けのブリッジが用意されています。
(※通常「ブリッジ」とは低ジャンプ船向けに深宇宙に置かれた燃料補給施設のことを指しますが、座標1232にそれがあるのか、それとも大型のジャンプ渡船(テンダー)が行き来しているのかはっきりしません)

マター Mater 1819 E766300-8 低人・緑地 G
 この星は、科学技術が故郷の星を破壊したと考えた環境保護志向の集団によって入植されました。彼らは「人間本来の姿」、つまり科学技術を用いない狩猟採集社会に戻るために自然豊かな惑星を求めました。この回帰は、理想的な人口密度や人口計画を含めて慎重に企図されたものでした。現在の最も高度な産物は地元で産出された金属で作られたTL8の道具ですが、「環境を汚染せずに環境を保護する」物だけが製造を許可されます(恒星光発電装置など)。
 宇宙船がマターに着陸できるのは、乗組員が滞在中に生態系に害を与えない場合のみに限られます。星外との交流はほとんどなく、住民は半遊牧的な生活をしているので宇宙港の近くにいるかはわかりません。
 マターで生活したことのある外世界人は、地元の人々は豊かに暮らしており、毎日最小限の努力で自給自足ができていると口々に証言します。この星では植物や動物が豊富で、狩りには困りません。他所の人は地元民の「欠乏」ぶりに衝撃を受けるかもしれませんが、マターの人々は自分たちが選んだ環境にとても満足しているようです。
(※元設定ではコーヴ(1729)から来たことになっていましたが、知的種族ブルーレの設定と衝突するためぼかしました)

痩せ地の劣星 Hard Scrabble Row
 「劣星(The Row)」とは、カカン(リーヴァーズ・ディープ宙域 3220)とウォシ(0720 A685556-E)の住民や媒体によって作られた、主に鉱業を営むイリャナ(0120 B100413-E)、シナー(0220 B100403-F)、ヴォニド(0320 E300454-A)、ジャッジメント(0420 B000135-E)の4星系を指す蔑称です。この言葉はカカンとウォシでは広く使われている一方で、そう名付けられた星々では侮辱表現であることに注意すべきです。誤って口にすれば、殴られて歯を折られても文句は言えません。
(※Hard Scrabbleには「懸命に働いても収入の少ない」という意味もあります)

ワグニルド Wagnild 2214 C435687-A 非工 G
 暗黒時代の末期、ワグニルドの遺伝子学者たちは能力を過信し、人間を対象とした大規模な遺伝子操作を試みました。精子や卵子の細胞をいじることで、感覚が鋭かったり、免疫力が高かったり、知能が高かったり、新陳代謝が活発だったり、骨が丈夫だったりする新生児が誕生したのです。この「超人的な」子供たちのほとんどは、慎重に選ばれた遺伝子提供者の両親から生まれ、残念なことに、これらの子供たちの多くは自らの能力の高さを自覚しながら育てられました。
 多くの「人造」の子供たちが大人になる頃には、「自然」な人々の妬みや警戒心が高まっていました。そして「人造人」たちが若くして高官となったことは、最大の侮辱に映りました。「自然人」の多くは、新天地を求めて宇宙船に乗り込みました(※参照⇒ギルデン)。
 皮肉なことに、現在ではその改良点を見ることはほとんどできません。遺伝子操作の中には学者が予想しなかった副作用があったのです。超感覚を持って生まれた人の多くは大人になってから精神失調を起こし、高い知能は何世代か後には正常分布に戻り、女性は8割方流産してしまい、新しい形質の多くは全く受け継がれなかったのです。
 分離主義の愚かさを反省した「人造人」は普通の社会に戻ろうとしたので、今では多くのワグニルドの「自然人」の中にも改良遺伝子の痕跡があります。最も一般的なものは代謝効率で、ワグニルドの住民は一般的な人類よりも平均約25%も少ない食料で生活しているそうです。


【付録】
豆知識1:ドゥルガアルルキム(2720 B957979-C)のヒューゴ・スー=マンケ男爵(Baron Hugo Soo-Mancke of Durgaarurkim)は、イオランス皇后の御学友。
(※男爵は星系の統治者ではないと思います。UWP上でもここは伯爵領扱いです)

豆知識2:アムダニ(2014 A865AEA-F)の軌道宇宙港の名称は「マラウィ(Malawi Highport)」。

豆知識3:ガアローン星域の由来は、アストン(0140 A0005AC-E)のかつての星系名から。
(※確かにHIWG版設定ではGaalornでした。ソロマニ自治区時代にヴィラニ風の名前を嫌って改称された…という解釈が自然でしょう。ここに限らず、HIWG版とT5SS版では星系名はかなり異なりますが、星域名は踏襲されています)

豆知識4:クレイグ公の末娘の名前はジュディス(Lady Judith Lannes Horvath)。

豆知識5:リジャイナ公ノリスの母方にあたるイーラ家(Aella Family)の紋章は「青地に白いイルカ」だが、これは始祖の地であるパーシファルの夜空に輝く星座を表している。
(※「パーシファル」と名の付く星系は既知宇宙で3つありますが、青地が表しているであろう海に一番縁がありそうなのがダイベイ宙域のパーシファル(1039 A66A696-E)です)


【参考文献】
・Challenge #25 (Game Designers' Workshop)
・Travellers' Digest #15 (Digest Group Publications)
・Solomani & Aslan (Digest Group Publications)
・GURPS Traveller: Alien Races 4 (Steve Jackson Games)
・GURPS Traveller: Nobles (Steve Jackson Games)
・Traveller Wiki

私家版ダイベイ宙域(1119年001日時点) UWPデータ(0101-1640)

2021-04-27 | MegaTraveller
Korik                0112 B200456-E  N Ni Va                   303 Fd M0 V           
Woomera              0114 A5839CC-E    Hi Cp Pr Pz             600 Fd K3 V           
Illyana              0120 B100413-E    Ni Va                   303 Fd M2 V           
Zypher               0122 C78A646-A    Ni Ri Wa                202 Fd K3 V           
Luna                 0123 B100455-F  S Ni Va                   604 Fd M2 V           
Ostia                0124 B888110-B    Lo                      614 Fd K6 V           
Ashima               0126 C749984-B    Hi In                A  601 Fd M1 V M7 V      
Sineli               0127 A526476-E    Ni                   A  203 Fd K0 V           
Townend              0131 C410452-B    Ni                   A  413 Na K2 V M3 V      
Cynowa               0133 C310564-B    Ni O:0333            A  413 So M2 V M3 V      
Elk                  0138 C100422-C    Ni Va                   314 So M0 V M0 V      
Uston                0139 A100A98-E    Hi In Na Va             902 So F4 V           
Aston                0140 A0005AC-E  F As Ni Va Cp Da          605 So M0 V           
Grumith              0210 D8D5341-8    Lo Da                   523 Fd M2 V           
Shinnar              0220 B100403-F    Ni Va                   604 Fd K5 IV M3 V     
Locri                0223 E98A521-9    Ni Wa Pr             A  924 Na M1 V M1 V      
Iulii                0228 C855300-A    Lo Ga                   710 Fd M0 V M1 V      
Diana's World        0236 B566576-B    Ag Ni Pr                603 So K0 V           
Odin                 0237 A310558-E    Ni                      534 So G0 V M1 V      
Magyar               0240 C424732-A    Pi                      203 So M0 V           
Nyola                0316 C76626A-9    Lo Ga O:0114            624 Fd F4 V M7 V      
L'kus                0317 C967557-A    Ag Ni Pr             A  702 Na M0 V M6 V      
Vonid                0320 E300454-A    Ni Va                   102 Fd M1 V           
Persistance          0323 E432331-9    Lo Po                A  704 Fd G7 V           
Troy                 0324 B774414-B    Ni Pa                A  320 Fd K0 V M1 V      
Depot                0326 A9B956A-F  D Fl Ni Da Mr          R  704 Fd M1 V M9 V      
Delphi               0327 A94A100-F    Lo Wa                A  705 Fd K2 V           
Haajar               0328 D997663-6    Ag Ni O:0527            114 Na M3 V M4 V      
Riedigar             0330 E200233-9    Lo Va                A  604 Fd M1 V           
Selket               0332 B684300-C    Lo                   A  604 Na M1 V           
Seti IV              0333 A566521-D    Ag Ni Pr             R  802 So K0 V M1 V      
Handel               0334 C998348-9    Lo                   A  403 So M0 V M4 V      
Tolkien              0335 A878411-D    Ni Pa                   705 So G2 V           
Deir el-Medina       0339 B525647-B    Ni                      204 So M3 V M6 V      
Perishan             0407 A300200-E    Lo Va                R  323 Fd M0 V M6 V      
Eola                 0409 D76A147-8  S Lo Wa Da             A  402 Fd M1 V M2 V      
Jurin                0410 A85A166-F    Lo Wa O:0507 RsA        903 Fd M2 V           
Skyia                0411 E562410-7    Ni                      303 Fd M0 V M2 V M0 V 
Judgement            0420 B000135-E    As Lo Va                810 Fd M1 V           
Sotto                0424 B432856-D  N Na Po Ph             A  904 Fd K5 V           
Kuliiga              0429 B666698-A    Ag Ni Ga Ri Asla0    A  603 Fd G7 V           
Tremor               0432 B310543-D    Ni                   A  720 So K8 V M2 V      
Whiteside            0435 C100359-D    Lo Va Da                305 So G5 V           
Sosa                 0436 E571564-7    He Ni Da O:0536         502 So M0 V           
Wrigley              0437 B310655-D    Na Ni                   814 So M1 V M2 V      
Pastel               0440 B575210-B  F Lo                      301 So M3 V           
Warinir              0507 A889978-F    Hi Cs Pr                600 Fd M3 V           
Nyanar               0510 B567466-B  N Ni Pa O:0507            423 Fd M1 V M8 V      
Tyers                0516 C300554-C    Ni Va                   323 Fd M2 V           
Amazonia             0526 B594775-A    Ag Pi                   513 Na M2 V           
Xanthe               0527 B984711-B    Ag Ri Cp                422 Na K9 V           
Byers World          0530 A10069A-F  N Na Ni Va             A  110 Fd M2 V           
Larissa              0531 B436457-E    Ni                   A  600 Fd K4 V M5 V      
Cameron              0536 A835855-E    Ph                      300 So M3 V           
Imili                0608 A3107BG-E    Na Pi Pz                623 Fd G3 V           
Nirel                0611 C300543-B    Ni Va                   704 Fd G2 V           
Macey                0613 B31058C-D    Ni Da                   102 Fd M1 V M9 V      
Faie                 0615 B200412-D  N Ni Va                   813 Fd M1 V           
Caspar               0622 D75A310-9    Lo Wa                   404 Na M0 V           
Vaal                 0624 D597779-6    Ag Pi                   912 Fd M1 V           
Zhemi                0627 C89AA8C-E    Hi In Wa Pz Dolp2       901 Fd G4 V M1 V M1 V 
Hades                0628 B100569-E    Ni Va O:0627            102 Fd M1 V           
Sirocco              0630 C76A413-B    Ni Wa                   613 Na M1 V           
Syliskia             0634 C100895-B    Na Va Ph Pi          A  404 So K1 V M5 V      
Gulurkhi             0636 C0009A7-D    As Hi In Na Va          703 So G3 V M0 V      
Harp                 0639 A000520-E    As Ni Va                714 So M2 V           
Bharna               0705 C66957C-A    Ni Pr                A  104 Na K3 V           
Skara                0707 C200746-A    Na Va Pi                513 Fd M2 V           
Pillars              0709 C433501-C    Ni Po                A  804 Fd K4 V           
Azer                 0710 A9D8650-E    Ni                      515 Fd M3 V           
Bandy                0714 C100586-C    Ni Va                   501 Fd K9 V           
Chyerra              0718 C547100-A    Lo                      613 Na K2 V M0 V      
Wosi                 0720 A685556-E    Ag Ni Ga Pr             503 Fd G3 V           
Tobasco              0722 C692422-9    He Ni                   504 Na M2 V M4 V      
Chapman              0727 B310566-D    Ni O:0627            A  104 Fd G6 III         
Gershunas            0728 C552675-8    Ni Po                A  702 Fd M2 V           
Antioch              0731 C689203-B    Lo                   A  120 Na M2 V           
Cauldren             0736 C100204-D    Lo Va                   600 So M1 V M2 V      
Sundown              0805 D884622-6    Ag Ni Ri                812 Na G2 V           
Eketa                0807 X74A634-5    Ni Wa Fo                133 Na M2 V           
Twillight            0808 B657436-B    Ni Ga Pa                613 Fd K0 V           
Glimis               0810 B100441-E    Ni Va                   813 Fd M2 V           
Iniya                0817 B665866-A    Ga Ri Pa Ph O:0916   A  503 Fd M1 V M2 V      
Shiuan               0820 E655567-7    Ag Ni Ga O:0922      A  803 Fd M1 V           
Olympus              0823 E310200-A    Lo                      102 Na K2 V           
Daionie              0824 B56165A-B    Ni Ri Asla0             304 Fd G4 V           
Vargenheim           0825 E100148-A    Lo Va Da                314 Fd M3 V           
Glacier              0826 A899656-E    Ni                      124 Fd G0 V M1 V      
Sarina               0828 C310446-B    Ni                      223 Fd G0 V M2 V      
Haden                0830 X66A630-4    Ni Ri Wa Fo          R  304 Na G0 V M4 V      
Muffin               0831 C6389A9-B    Hi                   R  700 Na K0 V M3 V      
Memnon               0832 A655300-E    Lo Ga                   912 Na K4 V M0 V      
Sheikh Taya          0833 C66A453-C    Ni Wa                A  704 So G3 V M3 V      
el-Qurn              0838 E898599-7    Ag Ni                   300 So M2 V M3 V      
Luxor                0839 C655775-8    Ag Ga Pz                313 So K3 V           
Guurilii             0904 C426542-B  S Ni                      700 Fd M2 V M2 V      
Caeseria             0909 C31058B-B    Ni                      224 Fd K2 V           
Hatshepsut II        0912 C798156-A    Lo                      802 Fd K6 V           
Athenae              0913 A86A344-F    Lo Wa                   914 Fd M2 V           
Nazgul               0916 B30089D-C    Na Va Ph Pi Pz          613 Fd M0 V           
Duurmurze            0922 B574A9A-E    Hi In (minor)           304 Fd G5 V           
Wheeler              0924 D654114-7    Lo                      104 Fd K5 V           
Repin                0929 E63177A-7    Na Po                   113 Fd G7 V           
White Mountain       0930 C31087C-A    Na Ph Pi                700 Na M0 V M2 V      
Lushiir              0932 B5916A7-A    He Ni Asla0          A  103 Na M0 V           
Damar                0937 E9969A9-8    Hi In (minor)           404 So M3 V           
Parade               0940 A5458AA-C    Pa Ph Pi Pz             413 So M2 V           
Sethnakhte           1003 B553346-B    Lo Po                   802 Fd K6 V M2 V      
Capua                1004 B000249-E  N As Lo Va                722 Fd K8 V M6 V M7 V 
Karnak               1006 C693422-9    Ni                      222 Fd G4 V           
Aswan                1008 B000412-E  N As Ni Va                425 Fd K4 V           
Vanya                1012 B796200-C    Lo                      901 Fd K9 V M9 V      
Zwingle              1024 D792410-7    He Ni                   513 Na K2 V           
Kuguuri              1026 B310867-C    Na Ph Pi O:0826         304 Fd M2 V M9 V      
Thutmosis III        1028 B410541-D    Ni                      630 Fd M1 III D       
Kiiri                1031 A669300-F    Lo                      504 Fd M1 V M6 V      
Asim                 1032 C100311-C    Lo Va                   801 Na G3 V           
Voluun               1033 B879831-B    Ph Pi                   412 Na K6 V M7 V      
Parsifal             1039 A66A696-E    Ni Ri Wa Da             400 So K8 V M4 V      
Shaid Mamke          1101 D00097C-B  S As Hi In Na Va          505 Fd M6 III M2 V    
Parasol              1104 C548632-8    Ag Ni Asla7             802 Na M0 V M2 V      
Homer                1107 C000452-D    As Ni Va Asla4          504 Fd K3 V M5 V      
Mordor               1108 B434253-E  N Lo Asla3                500 Fd M2 V           
Sparta               1113 C987568-9    Ag Ni Pr Mr             302 Fd K6 V M9 V      
Thebes               1114 A675898-C  A Pa Ph Cp Pi          A  914 Na K1 V           
Suza                 1118 E57679C-6    Ag Pi Pz                125 Na K1 V           
Kin's Tower          1119 D541544-7    He Ni Po                912 Fd M0 V           
T'vira               1126 B542555-C  W He Ni Po Asla0          803 Fd M0 V M0 V      
Tirigiilii           1127 D543455-8    Ni Po                   310 Fd G2 V           
Osita                1128 B200533-D    Ni Va                   703 Fd M1 V M2 V      
Pilos                1130 BA77433-B    Ni Pa                A  220 Fd M1 V           
Maakan               1131 C57288D-8    He Ph Pi Pz             100 Fd M3 V           
Lancelot             1137 A435336-E    Lo                      613 So M3 V M8 V      
Bedivere             1138 B556445-B    Ni Pa                   100 So M3 V           
Gawain               1140 A979201-E    Lo                      505 So M0 V M6 V      
Attica               1202 B200515-D    Ni Va Da                714 Fd K3 V           
Illikurii            1204 C100434-C    Ni Va Asla0             105 Fd M2 V M7 V      
Carguulam            1206 D58658B-7    Ag Ni Pr Asla0          703 Na K0 V M3 V      
Kulinaar             1214 E100541-A    Ni Va                   302 Na K9 II M6 V M5 V
Aihtekhtea           1216 C555550-A    Ag Ni Asla8             900 Na K7 V           
Ithilnaur            1219 C200577-B    Ni Va                   914 Na M2 V           
Silence              1221 B733389-C    Lo Po                   202 Fd K3 V M1 V      
Polarity             1223 C96A545-B    Ni Wa Pr                403 Fd K4 V M8 V      
Lynx                 1229 C585204-A    Lo                   A  703 Fd G9 V M7 V      
Harmony              1230 A675334-D  N Lo                      503 Fd M1 V           
Nu Polis             1236 D624979-9  S Hi In                   204 So M1 V           
Skatter              1238 B000669-D    As Na Ni Va O:1637      313 So A5 V           
Simplicity           1301 B100676-D    Na Ni Va                310 Na M3 V           
Splendor             1303 C9D4878-9    Ph                      303 Na G2 V M7 V      
Autumn               1304 B795734-A    Ag Pi                   201 Fd M0 V M1 V      
Siikanaa             1308 C627248-A    Lo                      713 Fd M2 V           
Suguura              1317 B574466-B  N Ni Pa Mr                625 Fd M1 V           
Moore's World        1320 D300666-8    Na Ni Va O:0922      A  701 Fd K0 V           
Amun                 1322 B100435-E    Ni Va                A  513 Na M2 V M2 V      
Hestia               1324 C435575-B  S Ni                   A  303 Fd M1 V M3 V      
Drako                1326 C538474-A    Ni                   A  720 Fd M0 V M3 V      
McGwire              1329 A310105-F    Lo                   A  704 Na M1 V M4 V      
Acropolis            1336 B88856A-B    Ag Ni Pr O:1637      R  500 So K0 V           
Chrono               1339 E543563-7    Ni Po O:1637         A  525 So G4 V           
Hodgins              1405 X542662-5    He Ni Po Fo Mr          313 Na M0 V           
Red Sands            1406 C555896-8    Pa Ph                A  424 Na F4 V K1 V M3 V 
Scepter              1408 B4336A9-C    Na Ni Po             A  402 Na M2 V M2 V      
Ulikaari             1411 C100330-C  W Lo Va                   202 Fd M1 V M2 V      
Burnaby              1413 D772524-7    He Ni                   613 Na K3 V           
Atun                 1415 E566315-7    Lo                      103 Na M0 V           
Kimchi               1421 B100443-E    Ni Va                   223 Fd G4 V           
Juniper              1425 B100532-E    Ni Va                   714 Fd M3 V           
Coquitlam            1427 E100866-9    Na Va Ph Pi O:1729      304 Fd M1 V           
Port Kells           1428 E100574-A    Ni Va                   212 Na M2 V M9 V      
Hermes               1431 D100ABA-D  S Hi In Na Va Pz       R  432 Fd G6 II M6 V     
Firine               1438 C692121-9    He Lo Da                204 So G4 V M3 V      
Kirsch               1439 B573320-B    Lo                      403 So K7 V           
Phars                1440 BA69644-B    Ni Ri                   732 So K3 V M5 V      
L'Engle              1502 C67A430-B  S Ni Wa                   223 Fd K4 V M8 V      
Lisle                1505 B88A336-D  N Lo Wa                A  800 Fd M1 V M2 V      
Purgatory            1506 D635369-7    Lo Da Px             A  604 Na M0 V           
Wedge                1508 A300863-E    Na Va Ph Pi O:1608      404 Fd M2 V M9 V      
Vaarini              1509 C556772-8    Ag                      604 Na K6 V M6 V      
Reyivik              1510 B778687-A    Ag Ni                   104 Fd K0 V           
Tarma                1511 C100665-B    Na Ni Va Da O:1510      101 Fd M0 V M2 V      
Marathon             1512 EA5A89B-8    Oc Ph Pz             A  802 Na M2 V M9 V      
Eketta               1513 A571352-E    He Lo                   214 Fd K0 V M2 V      
Kitspiox             1520 C552331-9    Lo Po                   424 Na M2 V           
Mendelson            1525 D568338-7    Lo                      914 Na M2 V           
Dawn                 1526 C566543-9    Ag Ni Pr                403 Fd K0 V M2 V      
Juuri Banii          1529 A565546-D    Ag Ni Cp Pr             811 Fd M2 V           
Aspare               1533 C100214-C    Lo Va                   303 Fd K6 V M8 V      
Accent               1534 C541523-9    He Ni Po                401 Fd K3 V           
Pierson              1536 C565879-8  S Ri Pa Ph Droy8       R  601 Na G3 V           
Xenon                1537 AAD5357-F    Lo                   A  604 So M0 V           
Kafal                1539 E548351-8    Lo                      802 So K7 V           
Diamond Head         1608 A675837-C    Pa Ph Cp Pi             323 Fd M3 V           
Parnassis            1612 C000220-C    As Lo Va                104 Fd K8 IV          
Sissel               1614 C774300-A    Lo                      714 Fd K1 V M0 V      
Tyrrhenum            1615 D97A668-8    Ni Wa O:1616         A  202 Fd M2 V           
Tremor               1616 C699622-9    Ni                      503 Fd K2 V           
Constantine          1617 E544733-6    Ag Pi                   133 Fd K1 V M2 V      
Vendel's Star        1618 B626346-C    Lo                      303 Fd G6 V           
Handel               1626 B544433-B    Ni Pa                   314 Fd K3 V           
Mozart               1627 E400441-9    Ni Va Da                103 Fd G6 III D       
Schubert             1629 C433611-A    Na Ni Po                203 Na M0 V           
Hadria               1630 CA8A344-B    Lo Oc                   223 Na M0 V           
Litten               1632 C547320-9    Lo                      200 Na F7 V           
Brewin               1635 A784200-E    Lo                   R  814 So M1 V           
Oifuerr              1637 B310AD9-E    Hi In Na Cp Pz Asla8 R  603 So M4 V           
Axis                 1639 D434212-9    Lo                      322 So M2 V           

私家版ダイベイ宙域(1119年001日時点) UWPデータ(1701-3240)

2021-04-27 | MegaTraveller
Ossifur              1701 C8D3641-9    Ni                   A  704 Na M0 V           
Enigma               1705 D400111-9    Lo Va                   104 Fd M2 V           
Tarens               1708 A400679-E    Na Ni Va                502 Fd M2 V M2 V      
Kikish               1711 D000246-A    As Lo Va                210 Fd K1 V M2 V      
Kiinia               1712 EAD9642-8    Ni                      313 Na M1 V M8 V M7 V 
Iisar                1716 E85959E-8    Ni Da                A  605 Na M2 V           
Ur                   1721 B425415-D    Ni                      220 Fd M3 V M5 V      
Uukaminukhu          1724 DA8A746-8    Oc Ri Pz                915 Fd G5 V M2 V      
Beethoven            1725 C55A476-B    Ni Wa                   615 Na M2 V M8 V      
Corve                1729 B572ABA-B    He Hi In Pz (Bruhre) A  604 Fd K1 V M2 V      
Tyres                1730 A653200-E    Lo Po                   815 Fd M0 V M1 V      
Phillips World       1731 B94A643-C    Ni Wa                   704 Fd M0 V           
Victoria             1734 D100799-9  S Na Va Pi                604 So K4 V M7 V      
Stasin               1736 E000220-A    As Lo Va                202 Na M2 V M8 V      
Charon               1737 C4347A9-A                            702 Na K2 V           
Coast                1739 D668769-6    Ag Ri O:1637         A  824 So K0 V           
Naagishda            1802 E200656-9    Na Ni Va                315 Fd K8 V M3 V      
Shigakham            1810 A100300-F    Lo Va                   404 Fd M2 V           
Tower                1811 C769776-9    Ri                      933 Na M1 V           
Enlu                 1812 D544514-7    Ag Ni                   903 Fd G9 V M1 V      
Duugi                1818 C100400-D    Ni Va                   800 Fd K2 V           
Mater                1819 E766300-8    Lo Ga Da                124 Na M0 V           
Aquilon              1820 A645367-D  N Lo Mr                   205 Fd M1 V           
Sardinia             1821 E1007BB-9    Na Va Pi Pz             613 Na M1 V           
Bould                1824 C100200-D    Lo Va                A  702 Fd K6 V M0 V      
Wishart              1825 E310201-A    Lo                      123 Na M1 V M9 V      
Leesing              1827 E775452-8    Ni Pa                A  102 Na G1 V           
Panorama Ridge       1829 D200584-9    Ni Va                   723 Na M3 V M7 V      
Saint Dalmatia       1831 B424756-D    Pi                   A  201 Na M3 V           
Serindipity          1832 X75A431-5    Ni Wa Fo                504 Na M1 V M5 V      
Ash                  1838 C96A334-B    Lo Wa                   123 So G2 V           
Erin's Star          1901 C694524-9  S Ag Ni                   714 Fd M1 V           
Ikkusham             1902 B100447-E  N Ni Va                A  802 Fd K3 V M6 V      
Specter              1903 B100200-F    Lo Va                   100 Fd M2 V           
Daisy                1904 C3008A8-A    Na Va Ph Pi          A  113 Na M2 V           
Salona               1907 E737610-7    Ni                      523 Na G2 V M2 V      
Tranquility          1909 D310155-A    Lo                   A  904 Na G8 V           
Kagusamar            1911 C200234-B    Lo Va                   824 Fd K3 V           
Girgaleka            1916 A427689-E    Ni Da                   725 Fd M2 V           
Udo                  1922 A9896BB-D    Ni Ri Cp Da             912 Fd M2 V M7 V      
Prince               1925 D564255-8    Lo                      101 Na K3 V           
Khatmandu            1929 E588334-7    Lo                      403 Na M1 V           
Mott                 1930 C551114-9    Lo Po                A  904 Na F9 V M8 V      
Pearl                1933 C500596-A    Ni Va                A  320 So K3 V           
Narya                1934 C877ADD-A  S Hi In Pz             A  312 So K6 V           
Huntress             1935 A200589-F  W Ni Va                A  302 So K3 V M8 V      
Dionitia             1936 D893465-7    Ni Da O:1934         R  613 So M3 V M9 V      
Nanaimo              1938 C100354-D    Lo Va                   524 So M1 V           
Stewart              1939 E310246-9    Lo                      713 So K7 IV          
Zazish               2001 A63A68B-F  A Ni Wa Cp                401 Fd G0 V           
Zagiku               2004 B424532-D    Ni                      515 Fd K4 V           
Maduun               2005 B538332-C    Lo                   A  904 Fd K7 V           
Corvus               2007 A544435-D    Ni Pa                   803 Fd M2 V M3 V      
Epkiip               2009 B894553-C    Ag Ni                A  712 Fd G0 V           
Horsefly             2010 E84A445-9    Ni Wa Da             A  213 Na K2 V           
Unkashe              2011 D549AAE-B  S Hi In Pz             A  424 Fd M0 V           
Kukisakuga           2013 B9D447A-C  N Ni                   A  725 Fd K8 V M8 V      
Amdani               2014 A865AEA-F    Hi Ga Cp Pz          A  904 Fd M3 V           
Agukikhiga           2015 C879311-A    Lo                   A  513 Fd M3 V           
Raven's Wood         2020 B565301-C    Lo                      923 Fd K0 V           
Escher               2021 C978730-8    Ag Pi                   323 Fd K3 V M7 V      
Fender               2023 A100865-F    Na Va Ph Pi O:1922      703 Fd K1 V M6 V      
Baarn                2025 C0007A6-B    As Na Va Pi             210 Na M2 V M2 V      
Dudin                2028 D745A67-A    Hi In Pz Mr          R  702 Fd M1 V           
Ring                 2031 B437267-D  N Lo Mr                A  904 Fd G0 V M4 V      
Brennan              2033 B572634-A    He Ni                A  420 Na M1 V           
Ladanyi              2039 C43445A-C    Ni                      823 So K6 V           
Ciaran               2040 B797754-B    Ag Pi                   504 So K7 V M7 V      
Delany               2102 E78A452-A    Ni Wa                   411 Na M2 V           
Cobald               2107 C645102-A    Lo                      110 Na K7 V M2 V      
Botirill             2108 C637146-A    Lo                      925 Na M1 V M3 V      
Shurugashad          2109 C000305-D    As Lo Va Da             804 Na G9 V           
Vettesse             2111 D3108CB-8    Na Ph Pi Pz          A  401 Na M2 V M3 V      
Ahmun                2113 C10078C-B    Na Va Pi Pz          A  112 Fd K3 V M5 V      
Lappin               2116 CAF5765-9    O:2014                  513 Fd M1 V M7 V      
Macella              2119 A53657B-E  N Ni                   A  423 Fd K3 V M5 V      
Amarsi               2121 E994733-6    Ag Pi                   913 Na M0 V M7 V      
Ditcham              2122 D786131-7  S Lo Ga                   504 Fd M1 V           
Ahwai                2124 E591574-7    He Ni                   804 Na M0 V M3 V      
Lorimer              2126 B987483-B    Ni Pa                   802 Fd M1 V M8 V      
Phong                2129 C564645-8    Ag Ni Ri             A  510 Fd M1 V           
Mackswith            2131 C100369-C    Lo Va O:1934            912 Fd M0 V M6 V      
Eurtrik              2136 B572466-B    He Ni O:2137            303 So M0 V           
Karukhi              2137 C567AED-C    Hi Pz (minor)           702 So M0 V           
Memmmulid            2202 D998333-7  S Lo                      504 Fd K8 V           
Vargus               2203 D84A430-9  S Ni Wa                   802 Fd M2 V M3 V      
Chilton              2212 C541766-8    He Po Pi O:2113         314 Fd K2 V           
Wagnild              2214 C435687-A    Ni                      603 Fd M0 V M2 V M7 V 
Uvatha               2217 D595422-7    Ni Pa Da                100 Na G3 V           
Lok                  2224 B879485-C    Ni                   A  600 Fd M2 V           
Ren                  2228 C887212-9    Lo Ga                   705 Fd M3 V           
Murazor              2231 B558334-B    Lo Asla4                102 Na M0 V M3 V      
Akorahil             2232 E425587-9    Ni                      313 Na K0 V M6 V      
Guiv                 2234 D310566-9    Ni O:1934            A  204 So M3 V           
Hela                 2235 C8878A8-8    Ga Ri Pa Ph          A  305 So M0 V           
Kimel                2239 A555AEH-F    Hi Cp Pz                804 So M2 V           
Seddon               2301 A96A762-E    Ri Wa O:Zaru-2340       605 Fd G2 V           
Dibnah               2303 C794776-8  S Ag Pi                   302 Fd M0 V M6 V      
Comox                2306 C769444-A    Ni Da                   112 Fd G1 V M4 V      
Broguun              2310 B100446-E    Ni Va                   103 Fd F1 V M0 V      
Llwyellen            2311 C66788C-8    Ga Ri Pa Ph Pz          804 Na M1 V M2 V      
Bagherzadeh          2316 D100238-A    Lo Va                   600 Fd K0 V           
Laudumash            2319 D310A99-C    Hi In Na             A  822 Na A1 V           
Chapel Mews          2320 B6487A9-A  N Ag Pi                   513 Fd M3 V           
Ashurst Wood         2322 C64A101-C    Lo Wa Da                324 Na K4 V M0 V      
Zenone               2323 C5667AC-8    Ag Ri Pz Droy6          904 Fd M1 V           
Woosnam              2337 B544113-B  N Lo (minor)              504 So G6 V           
Link                 2340 B692773-A    He Pi                   604 So G3 V           
Queens               2401 D100779-9    Na Va Pi                713 Na K3 V           
Giinaca              2404 C581579-9    Ni Pr                A  303 Na K4 V M1 V      
Zehpyr               2405 B432457-E    Ni Po                   705 Fd M1 V           
Ravkovic             2406 B100120-E  N Lo Va                   700 Fd K7 V           
Zelda                2408 A000663-F    As Na Ni Va O:2708      800 Fd F2 V M7 V      
Lesiuii              2409 D562435-7    Ni                      311 Na K2 V           
Maiiu                2410 C100767-B    Na Va Pi Pz O:2708      410 Fd M7 III M5 V    
Leroux               2411 D426588-9    Ni                      700 Na M2 V           
Fyvie                2413 C553463-9    Ni Po O:2014            600 Fd F4 V G9 V      
Gilden               2415 A431400-F    Ni Po                   902 Fd K1 V M0 V      
Miller's Glen        2419 C785451-A  S Ni Ga Pa                402 Fd M1 V           
Tukera               2423 E693AA8-A    Hi In                   700 Na M2 V           
Xiang                2426 X581114-3    Lo Fo                   500 Na G7 V M5 V      
Girillovitch         2428 D543755-7    Po Pi                   814 Na M0 V M9 V      
Rennox               2429 A200113-F    Lo Va                   812 Na M1 V           
Battista             2431 C310438-B    Ni                      912 Na G1 V           
Corinth              2432 C576685-8    Ag Ni                A  203 Li M1 V           
Fister               2435 X432787-6    Na Po Fo             R  900 Li K0 V           
Alikaanii            2501 C5327AD-9    Na Po Pz             A  500 Li M0 V           
Pharnaaka            2504 E54557A-7    Ag Ni                A  314 Li M2 V M6 V      
Moyenne              2509 E766344-7    Lo Ga                   400 Na M1 V M9 V      
Adanac               2524 CA6A454-C    Ni Oc                   810 Fd M2 V           
Anchor               2528 B525873-B    Ph Pi                   710 Fd M2 V           
Chemi                2530 C888413-9    Ni Pa                   504 Na G2 V           
Renaissance          2533 B798266-B  N Lo O:2535            A  214 Li G7 V M3 V      
Mgg                  2535 A551998-E  A Hi Po Cp             A  604 Li M1 V           
Caverna              2536 BA7A554-E  N Ni Oc                A  705 Li M3 V           
Karma                2537 A988369-D    Lo O:2535            A  402 Li M1 V           
Raamiigi             2538 C438525-B    Ni                   A  405 Li M1 V           
Vengilis             2540 E553300-8    Lo Po                R  800 So G0 V           
Felicity             2603 C788100-A    Lo                      223 Li G5 V           
Regnander            2606 C541216-9    He Lo Po                803 Na M0 V           
Vaneenoo             2610 B300555-E    Ni Va                   103 Fd M2 V           
Locu                 2611 D535446-8    Ni                      501 Na G0 V           
Dharma               2621 C555599-9    Ag Ni                   220 Fd G2 V           
Carnivora            2622 C694664-8    Ag Ni O:2720            623 Fd K4 V M1 V      
Regiimaa             2623 C435388-B    Lo                      303 Fd M2 V           
St. Sebastien        2624 D200310-9    Lo Va                   303 Fd M7 III         
Paris                2626 A100248-F    Lo Va Da                922 Fd M2 V           
Helena               2627 A96A776-E    Ri Wa Cp                700 Fd M0 V           
Caapestrii           2635 A2008DC-C    Na Va Ph Pi Pz          300 Li M3 V           
Vespers              2638 D31069B-8    Na Ni Da                101 Li M0 V M1 V      
Horizon              2640 C553100-A    Lo Po                R  801 So K9 V           
Straylight           2702 C553449-9    Ni Po                   305 Na M2 V           
Caarimii             2705 D3007CC-8    Na Va Pi Pz             503 Li M1 V           
Karguulam            2706 AA97664-C    Ag Ni O:2708            914 Fd K0 V           
Vanders              2708 A636638-D    Ni                      900 Fd M1 V           
Mossbar              2712 C569359-B    Lo                      500 Fd M1 V           
Yarfeg               2713 C200223-B    Lo Va                   301 Fd A7 V M1 V M6 V 
Rendroch             2714 B638400-D    Ni Da                   203 Fd M3 V M5 V      
Salla                2716 D310557-A    Ni                      104 Fd K0 V           
Conda                2718 A5969CD-E    Hi In Cp Pz             911 Fd M0 V M4 V      
Durgaarurkim         2720 B957979-C  N Hi                      614 Fd K2 V M0 V      
Inthavixay           2722 D553316-7    Lo Po                   414 Na K9 V           
Daelan               2723 C310100-C  S Lo                      803 Fd M1 V M3 V      
Flamme               2729 E546451-8    Ni Pa                   203 Na M1 V           
Dunklheim            2730 C400212-B    Lo Va                   413 Na M0 V M0 V      
Illyricum            2731 C766201-A    Lo Ga                A  904 Na M3 V           
Port Hardy           2732 C310269-B    Lo O:2932               703 Na K1 V           
Knossos              2737 A724473-E  N Ni                      810 Li G3 V M6 V      
Joi                  2803 C9858A9-8    Ri Pa Ph                214 Li K6 V           
Inferum Mare         2806 B86A327-D    Lo Wa                   223 Li K9 V M7 V      
Bander               2815 E897524-7    Ag Ni                   322 Fd K1 V           
Dunker               2818 C10056A-C    Ni Va O:2718            213 Fd K4 V           
Ulie                 2822 D76A520-9    Ni Wa Pr                113 Na M0 V           
Saturna              2828 B529302-E    Lo                      914 Li M1 V M3 V      
Thetis               2829 D200231-9    Lo Va                   501 Li M6 III         
Galliano             2830 C98989B-9    Ri Ph Pz                403 Na K4 V M9 V M4 V 
Purgatory            2832 C300766-A  S Na Va Pi O:2932         314 Li K2 V M4 V      
Clusium              2833 B63A588-E    Ni Wa                   702 Li M1 V           
Bemolango            2837 B6847A7-A    Ag Ri                   604 Li M3 V M6 V      
Funhalouro           2838 C310368-B    Lo O:2837               802 Li M2 V           
Manyana              2901 E89A365-9    Lo Wa O:Zaru-3040       302 Li M1 V M7 V      
Portal               2902 B525634-B    Ni                      300 Li M1 V           
Kelpie               2904 B678500-C    Ag Ni                   702 Li M2 V           
Loiaccono            2908 D552441-7    Ni Po                   102 Li K4 V M3 V      
Ithapanya            2909 E310314-9    Lo                      713 Li M1 V M7 V      
Luan                 2912 B100566-E    Ni Va O:2913            124 Fd M0 V           
Hograine             2913 A542878-C    He Po Ph Pi             924 Fd M2 V           
Oravais              2915 C546888-8    Pa Ph Pi                600 Fd G1 V           
Paltea               2918 C754430-9    Ni Pa                   703 Na K1 V           
Dime                 2922 B65557A-B    Ag Ni Ga                530 Fd M1 V           
Cruxway              2926 C89A963-C    Hi In Wa O:3224      R  504 Li K8 V           
Nirvana              2928 C5638A9-8    Ri Ph                   810 Li M0 V           
Tartarus             2929 E422852-9    He Na Po Ph Pi          301 Li M0 V           
Perth                2930 A300301-F    Lo Va                   224 Li M1 V M2 V      
Antsalova            2931 A9D5321-E    Lo                      512 Li M0 V M5 V      
Mapai                2932 B310876-C    Na Ph Pi                703 Li K1 III         
Orvon                2935 C5659D9-8    Hi Pr Pz                313 Li K5 V M8 V      
Fraserburg           2936 B976775-A    Ag Pi                   404 Li K4 V           
Black Tusk           2937 C876351-A    Lo                      103 Li M3 V           
Corcyra              2938 B425200-E    Lo                      203 Li K0 V           
Whistler             2939 B555767-A    Ag O:2837               802 Li K2 V M3 V      
Viguilli             3001 A869650-E    Ni Ri                   724 Li M2 V           
Ruins                3003 C100226-C    Lo Va                   305 Li M1 V M2 V      
Spirit               3006 B566243-B    Lo                      813 Li M0 V           
Iinen                3010 A593989-E    Hi In Cp             R  813 Fd M1 V           
Hotagen              3012 E423594-9    Ni Po Da                320 Fd M1 V M3 V      
E'lam                3013 B9D47A8-B                            300 Fd G4 V M3 V      
Darvell              3016 C773787-8    Pi                      115 Fd K6 V           
Temeraire            3020 B585779-A  N Ag Ri (Evantha)6        204 Fd M1 V M4 V      
New Melbourne        3021 E557312-7    Lo                      914 Na M3 V           
Gcoverega            3024 D300463-9    Ni Va O:3224            522 Li M2 V           
Port Royal           3031 C574765-8    Ag Pi O:3132            504 Li M0 V           
Sutherlund           3033 C3107A9-A    Na Pi                   704 Li M2 V           
Haradapan            3035 C868141-9    Lo                      800 Li K5 V M4 V      
St. Lucia            3037 C95A769-A    Wa O:2936               525 Li M0 V M2 V M9 V 
Whyte                3039 D100687-9    Na Ni Va                325 Li M0 V M1 V      
Zuuragaath           3108 C200476-B    Ni Va                   702 Li K1 V           
Pengith              3115 C200313-B    Lo Va                A  633 Li K3 V           
Kivalo               3116 C544635-8    Ag Ni                   812 Li M2 V           
Bobonong             3121 A591759-D    He Pi                   904 Fd M1 V           
Chartrand            3127 B665323-B    Lo Ga                   204 Li K3 V M2 V      
Karukuwisa           3128 B100366-E    Lo Va O:3226            300 Li F2 IV          
Dawson               3129 D200956-B    Hi In Na Va             204 Li M1 V M4 V      
Maroelaboom          3130 B100535-E  S Ni Va                   522 Li M2 V           
White Horse          3132 A55788A-C    Pa Ph                   924 Li G3 V           
Swaziland            3133 X8D58AA-3    Ph Fo                R  404 Li M2 V M6 V      
Asahikawa            3137 E100203-B    Lo Va                   303 Li K7 V           
Chiba                3138 B668247-B    Lo                      202 Li G2 V M9 V      
Emarnshahr           3140 B424500-E    Ni                      815 Li G4 V           
Helaguuran           3201 B00058B-E  N As Ni Va                314 Li G5 II D        
Ziggurat             3203 C996633-8    Ag Ni                A  113 Li M2 V           
Blackcombe           3204 A43288A-E    Na Po Ph                621 Li K2 V           
Shards               3206 B782545-B  S Ni Pr                   404 Li M0 V           
Aduulikgaa           3208 B310466-D  N Ni Mr                   614 Li K2 V           
Victorignox          3210 C985566-9    Ag Ni Pr Mr             205 Li G0 V           
Thorfell             3211 E100847-9    Na Va Ph Pi             501 Li G2 V M0 V      
Skebo                3218 E793543-7    Ni                      704 Li K5 V M3 V      
Amoah                3224 B978757-B    Ag Pi Pz                903 Li K6 V M3 V      
805-111              3225 D736988-7    Hi Fo                R  300 Li M2 V           
Rahim                3226 A00077B-F    As Na Va Pi             704 Li M2 V           
Yerxa                3228 D300555-A    Ni Va Da                714 Li K4 V M7 V      
Ilin                 3229 E310997-A    Hi In Na                123 Li G3 III D       
Whisper              3230 C656324-9    Lo Ga                   404 Li K3 V           
Ayaz                 3234 D657215-7    Lo Ga                   523 Li M1 V           
Grunwald             3235 C668873-8    Ri Pa Ph                200 Li M2 V           
Ulianov              3237 E644240-7    Lo                      224 Li G0 V M5 V      
Tura                 3239 C310954-D    Hi In Na                204 Li A4 II M6 V     

メガトラベラー日本語版発売30周年記念企画:知っておくべき新・3大「反乱期の注目の舞台」

2021-04-16 | MegaTraveller
―帝国が再統合されるのはいつになるでしょうか?
「決してないですね。改革された帝国を見ることはもはやなく、各勢力の間に和平や統一はありえません。光を見るためには、さらに闇に入っていかなければならないのです」
歴史学者イリレク・クリガアン教授
1124年、TNS記者の質問に答えて

 『メガトラベラー(MegaTraveller)』。メガと冠するに相応しいこれまでの集大成とも言えるルール量に、帝国暦1116年に始まる「反乱期(Rebellion)」という新たな舞台設定を持ち合わせ、翻訳作業の遅れによる発売延期が繰り返されたものの、その期待は非常に高かったと記憶しています。
 しかし、日本語版が発売された1990年代はロールプレイングゲーム業界が世界的に徐々に斜陽に向かっていた時代であり、SF-RPGの代名詞ともいえる『トラベラー』にとってもそれは例外ではありませんでした。結果的に和訳された資料本は『反乱軍ソースブック(Rebellion Sourcebook)』『ナイトフォール(Knightfall)』『ハードタイムズ(Hard Times)』の3冊のみ。また、雑誌『RPGマガジン』でのサポートも十分とは言えず、特に『Referee's Companion』が訳出されなかったのは資料面でも非常に痛かったです(企画はあったようですが『ナイトフォール』が優先されたので…どうしてよりによってこっちを…)。

 その後、『Traveller: The New Era』の登場によって〈第三帝国〉どころか人類の星間文明が滅亡したり、その反発から『GURPS Traveller』では「反乱が起きなかった時間軸」が提唱されたり、現状最新となるMongoose Publishing版トラベラーでは古き良き「黄金時代(帝国暦1105年)」に設定が固定されるなど、反乱期は忘れ去られてしまったかのようです。
 個人的意見になりますが、それも無理ないかなと思います。一番致命的だったのは「反乱の諸侯に魅力がなかった」ことにつきます。目的のためなら手段を選ばず「悪の帝国」を築いたルカンはレフリー的には美味しいのですが、その対抗軸が「理想のためなら手段を選ばない」デュリナー、「有能で穏健そうだが庶民感覚がない」マーガレット、「帝国を出たり入ったり出たりして最後まで何がしたかったかわからない」ブルズク、「華々しく復帰したもののその後が続かなかった」ストレフォン、やむを得ず独立したその他の諸侯と、『三国志演義』と違ってそこまで魅力的に見えない君主が覇を競い合っても盛り上がらないんですよね。地下組織「ヴァリアンの兄弟」に至っては全く活用されませんでしたし。

 しかし、「帝国のどこに行っても第五次辺境戦争時以上の戦乱期シナリオが組める」というのは他の設定にはない独自の魅力でもありますし、一時はその「エキサイティングさ」に胸躍らせた過去もあります。「お偉方はどいつもこいつも大して変わらねえよ」と庶民根性丸出しで旅をするのも『トラベラー』らしいと言えばらしいですしね(笑)。もはや現在進行系で反乱の推移を体験することはできませんが、30年経った今だからこそ反乱期を俯瞰して再評価することもできるのではないでしょうか。
 ということで、今回は反乱期ならではのシナリオを組みやすそうな3つの宙域を紹介し、ネタになりそうな補足を加えていこうかと思います。


1.スピンワード・マーチ宙域
「帝国の真髄はその建国時の理想にある。何が起ころうと、どんなに大きく変わろうと、人々の理想が帝国を支えているのだ」
デネブ大公ノリス・イーラ・アレドン
マーク・シグリイ氏との対談記事より


(※今回はHIWG版のUWPデータに誤植訂正等を施した上で使用しているため、現行のT5SS版設定との整合性は取っていません)

 「結局ここかい!」と言われそうですが、やはり「全ての旅人たちの故郷」スピンワード・マーチ宙域はどんな時代でも捨てがたい魅力があります。資料は豊富ですし、ほどほどに環境が変化するため、馴染みの舞台で一味変わったシナリオを展開できるという利点があります。
 上の1120年当時の宙域図を見てわかる通り、アラミス星域のタワーズ星団やリムワード方面が外敵に侵食されています。この時代の仮想敵はヴァルグルやアスランに絞られ、一方で旧敵のゾダーンやソード・ワールズ方面の国境はかつてないほどに安定しています。
 となると、この時代らしいシナリオといえばヴァルグルかアスラン絡みにするのが無難でしょう。逆に、わざわざこの時代設定で従来型のシナリオをやる理由もないのですが、やるとすれば安全なモーラ・ルーニオン・ランス・ライラナー星域に絞られますね。キャンペーンをこういった「対岸の火事」気分でいられる星から始めて、徐々に戦乱に巻き込む、もしくはミスジャンプでいきなり巻き込むという手も考えられます。
 ちなみに興味深い設定として、比較的安全なデネブ領域ですら景気は1119年中頃から後退局面に入っていたようです。国境を破られたことで実質的なアンバーゾーン星系が増加し、星間物流が停滞したことで徐々に不景気になっていったそうで(そしておそらく国境が安定する1122~25年頃までは続く)。そういう雰囲気の描写をすることで、より「らしく」できるかもしれません。

【反乱期の主な出来事】
1116年340日 リジャイナ公ノリスがストレフォン皇帝からデネブ大公に任命された、と公表。
1117年067日 リジャイナ(1910)において皇帝暗殺(1116年132日)が正式に発表される。
1117年225日 コリドー宙域がヴァルグルに制圧されたと知らされる。
1117年271日 デネブ領域の海軍が第三種警戒態勢に入る。
1119年012日 ストローデン(2327)にてノリス大公とラハト・アオラハトによる首脳会談が予定されるも、事前に行われたトラナシアフ提督との非公式会談で何かあったらしく急遽打ち切られる(※提督は対アスラン戦線の指揮を執っているので、アスラン側としては因縁の相手でもある)。
(※この頃からデネブ領内へのアスラン船団の侵入が急拡大した模様)
1119年117日 ドッズ(2739)に駐留するアスラン巡洋艦を人類の抵抗者が撃沈した、という情報がトリン(3235)に伝えられる。
1119年143日 ロビン(2637)をアスランが襲撃。
1119年153日 アキ(2035)での人類の蜂起が5日間でアスランに鎮圧される。
1119年163日 国境のゾダーン巡視艇が近頃減少していることが報じられる。
1120年206日 デネブ政府、警備隊(Patrol)を設立。国境警備が主任務だが、報酬に土地を提供するなどしてアスランの離反を誘う策でもあった(そのため、警備隊の別名としてアスラン語で「郷の守護者」と付けられている)。
1120年252日 領域首都がモーラ(3124)に定まる。
1120年314日 翌年020日から3週間に渡って行われるゾダーンとの外交協議のため、領域政府の外交団がアーデンに到着。主な議題は第268区の併合問題と思われる(※DGP版設定でのみ、実際にエリサベス(1532)・フォリン(1533)・タルチェク(1631)・ミラグロ(1632)などが併合されている)。
1120年343日 ヘクソス(2828)で何者かによって「アスランには効かない」化学兵器が使用される。
1121年019日 ヘクソスの最後の住民が死亡(※防疫のために惑星ごと隔離されたと思われる)。トラベラー協会は同星系をレッドゾーンに指定。
1121年121日 2年程前から闘病中だったモーラ公デルフィーヌ、死去(享年142)。後継者は姪孫のエレーヌ伯。
1121年354日 ノニム(0321)が住民投票でダリアン連合に再加盟するも、ソードワールズは不快感を表明。
1122年032日 ダイナム(1811)で政情不安が続く。1106年に統治企業を労働者が追い出したものの鉱石生産量は革命以前には戻らず、辺境戦争後の反動不況も相まって治安が悪化していた(※旧統治企業の手先が反政府暴動を起こしているという噂あり)。領域政府は海兵隊の強襲巡洋艦を「この件とは関係なく」派遣した模様。
1122年119日 知的種族テントラッシの放浪艦隊がラウェー(0139)に約20年ぶりに寄港し、地元住民に歓迎される。
1122年120日 ノリス大公、グリッスン(2036)にてアスラン氏族長との「移民問題」についての会談に臨む。
1122年122日 ノーシー(0724)にて不審な行動を取っていたティソーン(0922)船籍の貨物船にダリアン海軍が発砲した事件をめぐり、ダリアン政府はソードワールズ政府に抗議。
1122年131日 デュアル(2728)の研究基地アルファから姿を消したSuSAG社のナノ生物学者が、数週間が経過しても未だに発見されず。当局は同業他社からの「強引な引き抜き」の可能性を念頭に捜索を継続中。
▲1123年101日 ノリス大公、テロ組織アイン・ギヴァーの指導者に会談を呼びかけ。
▲1123年116日 リジャイナにて爆弾テロ事件発生。アイン・ギヴァーが犯行声明を出すも、内容と状況に一部食い違いが。
▲1123年136日 ゾダーン外交筋から大公暗殺計画が通報される。
1123年301日 ノリス大公、モーラからリジャイナに帰星。名目は里帰り休暇だが、アイン・ギヴァー対応の公務を精力的にこなす。
1123年303日 ゾダーン政府がアイン・ギヴァーとの関係を絶っていたことを駐リジャイナ大使が会見で明かす。
1123年329日 トリンの海軍基地に係留されていたライトニング級予備巡洋艦アライバル・ヴェンジェンスが姿を消す。
1124年154日 ライラナー大学で、アイン・ギヴァー支持の学生約150名がデモ行進。愛国派学生との衝突こそ起きなかったが、銃器の不法所持などで逮捕された7名に退学処分が検討される。
1126年324日 巡洋艦アライバル・ヴェンジェンスがトリンに「帰還」。
1127年110日 ノリス大公、演説でデネブ領域の事実上の独立を宣言。
1128年280日 アライバル・ヴェンジェンスの退役式典がモーラで行われ、この場で同艦の3年間に及んだ旧帝国一周航海の目的と成果が明かされた。また、帝国日輪旗に代わって「日輪内一角獣旗」が初めて掲揚された。

(▲印:ニュースサービスの誤送信により、正しい日付は不明)

 で、被占領地域の推移なのですが、まず対ヴァルグル戦線(コアワード側国境)から。
 トラベラー・ニュースサービス(TNS)から得られる情報から推測すると、この方面でヴァルグルの侵入が始まったのはおそらく1117年末。その後1119年末までにリジャイナ星域の一部とアラミス星域のタワーズ星団が陥落して…はなさそうです。というのも、TNSでそういった報道が全くなく、『反乱軍ソースブック』などでもこの星団で「艦隊戦が行われた」記述すら見当たらないのです。
 つまり宙域図にある「ヴァルグルの略奪者たち(Vargr Raiders)」は、コリドー宙域のように星系の支配権を手に入れたのではなく、単に混乱の隙を突いて頻繁に略奪に来るだけで、その最大範囲が宙域図に記載されたのではないかと考えられます。
 となると、国境線の変動ではなく「大手を振ってヴァルグル海賊が略奪に来る治安の悪化」として情勢を捉えるべきでしょう。この混乱は1122年には沈静化したかに見えますが、1123年の図のみで安全地域が国境から数パーセク縮小しているので、1122年中は国境沿い全体でヴァルグルの大規模な攻勢が行われたことが伺えます。
 そして1125年以降なのですが、『ハードタイムズ』と『Survival Margin』で記述が若干異なっています。前者ではタワーズ星団を除いて国境まで安全地域が回復したのに対して、後者ではジュエル星域・リジャイナ星域の一部が「帝国外」に着色されており、一方でアラミス星域の安全地域は前者より拡大しています。この変更は意図的とは思われますが、とはいえヴァルグルがジュエル星域に侵攻しようとするとゾダーン領を踏み越えないとならないため(ヴァルグル海賊船は基本的にジャンプ-2です)、ゾダーンの支援が受けられないであろう反乱期では現実味がありません(不可能ではないですが…)。リジャイナ星域経由だと今度は距離の壁が立ちはだかります。もちろん、第五次辺境戦争に参戦したようなジャンプ-3軍艦を擁したのであれば話は別ですし、それはそれで話が大きくなります。やり方次第では「未来」を知っているプレイヤーを驚かせられるかもしれません。

 一方、リムワード側の対アスラン戦線ですが、当初は「平和的な」移民だったものがやがて双方の感情に火がついてこじれ、1117年中には移民艦隊と帝国海軍の衝突がグリッスン星域でも始まり(※流石にそれは早すぎるのか、現在では「1117年中にアスランが帝国領内に進出したのは(※おそらくトビア星域の)3星系」とされています)、1120年までにグリッスン星域が大きく侵食されるのは宙域図にある通りですが、『ハードタイムズ』によればその後時間をかけてじわじわと(周辺地域扱いとはいえ)デネブの勢力圏が回復していきます。
 1125年以降の情勢はやはり『ハードタイムズ』と『Survival Margin』で微妙に齟齬があり、前者ではグリッスン星域の「一部が」荒野地域になっている反面、後者では星域の「大半が」荒野になっています。辺境および荒野地域は勢力圏外との解釈ですから、デネブはグリッスン星域の一部ないし大半を失い、激戦区域ゆえにUWPにも大きな変更があった…と思われるのですが、実は『Regency Sourcebook』に掲載された1202年設定を見る限りではそんな感じでもないのです。確かに70年以上の時間経過はありますが、テクノロジーレベルは1117年と比べて1~3向上し、人口に至っては1程度、つまりたった80年で10倍になっている星が多いのです。加えて、『ハードタイムズ』のUWP変更ルールで一旦人口減少が起きていたのであれば、数十年で百倍千倍規模の人口爆発が起きたことになります。確かにアスランを含めて移民を奨励したり、混乱が去ってベビーブームでも起きたり、元々の人口規模が3とか4であれば2ぐらい増やすのは難しくはないとはいえ、そもそも激戦と呼べるほどの戦いすら起きてないのでは?という気すらしてしまいます。
 ただ、ヴァルグル戦線と違って「艦隊戦があった」「アスランによる占領があった」どころか、「戦闘の結果、アスランとデネブの間に無人の荒野が生まれた」とまで明記されている以上、直接爆撃や凄惨な地上戦や補給途絶による戦禍はあったと考えるしかありません。焦土作戦すらあったかもしれないのです。
 しかしそうだとしても、どちらがやったかは不明確ですし、帝国軍は当然やらなさそうとして、「豊かな土地」を求めて進出してきたアスランもその土地を荒廃させるような戦い方をするかどうかかなり疑問ですが…ただしアスランは「交戦規定違反」と見なした敵には無慈悲に徹底報復を行うので、それがあったのかもしれません(実際、とある「蛮族」の星に彼らは核爆撃を行っています)。

 そしてアスランに関するもう一つの疑問点が、『反乱軍ソースブック』などに書かれている「ラハト・アオラハト(原文ママ)」の記述です。なぜなら、ラハト・アオラハトは「艦隊の分配係(Fleet Dispatcher)」が成り上がったとありますが、そもそもそれは女性の役職であり、アスランの社会構造というか本能的に女性が男性氏族長(アオラハト)の上に立つことはありえないのです。第一、土地の価値を査定して公平に分けるなんて複雑な仕事、アスランの男性にできるわけないじゃないですか(笑)。
 おそらくは設定が曖昧な時期に作られ、後の設定整備で矛盾となってしまったのでしょう…が、何と2021年1月にマングース社から発売された資料集『Glorious Empire』で、明らかに男性として「後のラハト・アオラハト」が登場してしまったことで事態はややこしいことになっています。この資料では、出自不明の「後のラハト・アオラハト」は弱小氏族に取り込まれ、身分が低い上に氏族間の利害関係がないことから「分配係」に任命されたとあります。確かに身分の低いアスラン男性が「女々しい」仕事を行うことは公式で示唆されているので、ありえなくはない程度に整合性は取られています。また、彼の下には有能な女性士官が就いている記述もあるため、職務遂行能力にも問題はないと思われます。

 とはいえ色々設定を読む限りでは、GDW(やHIWG)の方でもこの「野心家ラハト・アオラハト」を持て余してしまっていたようです。上記の通り、1119年の首脳会談決裂以降は表舞台に全く出て来ず(1122年のグリッスン会談にも関与していません)、結局その後どうなったのかはあやふやにされてしまいました。資料を探しても「彼」が何をどうしたのかは全然出てきません。
 また「ラハト・アオラハト」の権力者像も曖昧で、『反乱軍ソースブック』でアオラハトたちを従えているような描写がなされたかと思えば、一方で対アスラン作戦の指揮を執るトラナシアフ提督は「支配力は限定的」と見ていたりと、ばらつきがあります。『Glorious Empire』でも自らが救世主たらんとする願望があることは書かれていますが、「未来に」どう行動したかまでは当然ですが書かれていません。
 そのため、あまり「ラハト・アオラハト」に拘らずに「個々の移民船団が次々と押し寄せてしまう」ぐらいに単純化してしまうのも一つの手だと思います。一市民の立場ではどちらでも変わりませんし。しかし戦うにしても交渉するにしても、相手がまとまってない方がかえって厄介なのも真理ですが。

 アスランとは積極的に戦ったとしても、それでも彼らは話せば分かる相手でもあります。土地を提供して懐柔を試みる策は有効であり、実際、1202年の宇宙ではいくつかの星系がアスラン世界になっています。元の住民とうまくやれるかが課題ですが、それでもこれまで未活用だった土地に彼らが入植や投資をすることによって、何か新しいものが生み出されるかもしれませんし、プレイヤーがそれを手助けすることもできるでしょう。
 それとは逆に、アスラン到来下の星系での日々の暮らしと軋轢を描写する手もあります。人類の抵抗組織に手を貸すも良し、暴発を抑えて融和を進めるも良し、そんな人類同士の意見や利害の対立をテーマにするも良しです。同時に、アスランを全て敵と捉えるべきではありません。こんな時代でも良き帝国市民であろうとするアスランも当然いますし、平和的に移住がしたいだけの船団もあるでしょうし、これまで帝国との交易で利益を得ていた氏族はどうにかして仲介に動くでしょう。このように、善悪二元論では片付けられない「大人の」シナリオをやってこそトラベラーではないでしょうか。

 ここまでは動乱の時代にふさわしい舞台を紹介してきましたが、一方で平和になってしまった所もあります。ソードワールズが分裂して帝国の傀儡国「ボーダー・ワールズ」が誕生したことで、従来気軽に入れる雰囲気になかった星々に向かえるようになったのはこの時代の一つの利点です(シナリオ『ミスリルでの使命』も黄金時代には動機を作るのに無理がありました)。GURPS版『Sword Worlds』など詳細な資料も豊富にあり、一風変わった文化や占領地・属国ゆえの複雑な事情をテーマにしたシナリオは作りやすそうです。特に、占領地でありながら軍事力が最前線に振り向けられている状況というのは、何やら不穏な香りが漂ってきますね。弱体化したとはいえ、ソードワールズが裏で何もしてこないとは思えませんし。
 同様に、反乱後は融和外交に転じたゾダーンも1105年の時よりは入国しやすいことが想定されます。単純に新たな販路を拓きに行くのもいいですが、スピンワード・マーチ宙域のゾダーン領の多くは元々帝国領でしたから、かつての入植者の子孫の依頼で何かを回収しに行ったり、墓参の同行をしたりする展開など色々考えられますね。
 先の辺境戦争後に勃興した「アーデン連邦」に関しては、諜報戦の舞台に最適…とは公式に書かれているのですが、相手として相応しいゾダーンが諜報戦に乗ってくる理由が乏しくなってしまったので、この時代ではなく1105年の開戦直前のきな臭い時期の方がいいと私は思います。しかし、帝国企業からヴァルグル海賊まであらゆる勢力と物品が流入する中立港であり、抑圧的な社会構造というのは色々と陰謀の種が転がっていそうです。サイバーパンク風の「汚れ仕事」の起点には、時代に関係なく一番向いていそうです。

 スピンワード・マーチはもう飽きたよ、と言われそうですが、こうして時代と視点を変えてみるとまだまだやれそうに思えてきませんか?


2.ダイベイ宙域
「私が生涯をかけて仕えてきたこの帝国は、人類史上最高の業績だ。そしてそれは市民こそが全てであること以外の何物でもない。市民の命が帝国を築いているというのに、その市民を見捨てる命令に道理はあるのか? そんな帝国ならくそくらえだ」
ワリニア公爵クレイグ・アントン・ホルバス
1118年、艦隊供出命令の拒否を決めて

 ここはソロマニ連合との激戦区であり、新皇帝ルカンの命令を拒んでやむを得ず独立した宙域です。基本的に資料は過去も現在も『Travellers' Digest』誌の第15号のみであり、シナリオだけでなく星系設定すら全て作れる熟練レフリー向けの宙域です。
 しかし、状況を考えると非常に「おいしい」宙域であるのも事実です。まず「君主がまとも」であること(笑)、仮想敵がソロマニ連合とルカン帝国という「悪役」であること、そしてその悪役への抵抗戦を強いられているということでヒロイックな舞台設定が似合うのです。
 さらに、仮想敵が同じ人類であることから敵味方の識別が難しく、諜報戦や破壊工作はより厄介となります。いつどこに、ソルセックやルカン派の工作員が侵入しているのか…?

 ということで、HIWGの資料の中からダイベイ宙域のUWPを探し出し、それを現行のT5SSのUWPと合成して均し、ほぼ独自資料となってしまいますが独立直後の1119年001日想定の宙域図を作ってみました!


 ……いやいやいや、なにこのリアス式国境線! ワリニア公、全然掌握できてないじゃん!
 そうなんです、HIWG版設定のダイベイ宙域はそこかしこが中立化してしまっていたのです(現行のT5SS版だと隣のディアスポラ宙域まで領土あるのに…)。しかしある意味でこれは納得です。急な独立宣言から1年も経っておらず、D・Eクラス宇宙港の田舎星は忠誠確認を後回しにしているでしょうし、いくつかの有力星系ではルカン派と支持が分かれ(もしくは政権掌握され)て中立化するのは十分考えられます。まがりなりにもルカンは「正統な」皇位継承者なのですから、帝国への忠誠心が高い貴族や民衆の中には積極的消極的の両面でルカン支持を表明する人が一定数いるはずなのです。
 敵の敵は味方の理屈で、ルカンがあまり積極的にダイベイを滅ぼしにかかって来ないのが救いではありますが、だからといってソロマニの脅威は弱まりませんし……そうそう、『反乱軍ソースブック』によれば1119年中にはソロマニへの大規模な反攻作戦が実施され(そして正史通りなら成功す)るので、キャンペーンに組み込むにはうってつけでしょう。

 国論(域論?)が統一できたとは言い難い状態ということは、まさに『反乱軍ソースブック』に書かれている様々な状況を盛り込みやすいと言えます。派閥拡大のための多数派工作は日常的に行われているでしょうし、そこでは様々な陰謀が飛び交っているのは間違いありません。1105年設定ではグリーン・トラベルゾーンなのに、1119年設定でアンバーやレッドゾーンになっている星系では実際に動揺や動乱が起きていることが想定されます。
 ところで、スピンワード・マーチ宙域と違ってアスランの侵出にさらされていないのは、クレイグ公が交渉によって「和約違反となる」緩衝地帯への領土拡張を黙認する一方で、アスランを傭兵として活用することで味方につけたからです。リーヴァーズ・ディープ宙域の小国家群には迷惑な話ですが(汗)(もちろんソロマニ連合が現在「不法占拠」している緩衝地帯もこの話に含まれるでしょうけど、中立星系や小国を蹂躙する方が楽ですし…)。

 前述の通り、レフリーが細かい設定を全部起こさなくてはならないのですが、逆に今後公式設定が追加される見込みがほぼ無いため、思う存分「俺宇宙」を構築できる楽しさもあります。下の年表にある通り、ダイベイはしたたかにしぶとく反乱期を生き延びますので、背景設定に派手さと安定性の両方を求める人にお勧めの宙域です。

【反乱期の主な出来事】
1116年265日 ダイベイ宙域の海軍が特別警戒態勢に入る。
1116年309日 皇帝暗殺をダイベイ宙域政府が公式発表。
1117年252日 「ダイベイ艦隊」発足との報道がキャピタルに伝わる。
(※反逆の兆候のようですが、そもそも宙域艦隊制度はストレフォン皇帝時代に復活しているので「ダイベイ艦隊」は既にあるはずなのです。何てことのない話に尾ひれがついてキャピタルに届いたのかもしれません)
1117年341日 ダイベイ海軍が2星系でソロマニ軍と交戦、撃退。
1118年197日 ルカン皇帝からの艦隊供出命令をクレイグ公以下高官が協議。供出削減の嘆願書を提出。
1118年214日 嘆願は特使に握り潰された模様、と報じられる。
1118年217日 交渉決裂。艦隊供出命令は拒否。
1118年223日 定期哨戒中のダイベイ巡視艇が帝国第239艦隊の艦載機に発砲された事件に関して、海軍当局はコメントを出さず。
1118年260日 「帝国への忠誠」を掲げる一部部隊がダイベイ艦隊から脱走。
1118年289日 「ダイベイ連邦」が正式発足。親帝国派の高位貴族は一時的に軟禁状態に。
1118年312日 第111・176艦隊がダイベイ艦隊から離脱し、ルカン派の拠点星系に到着。
1118年332日 対デュリナー戦線から転進した第6・第259艦隊(マッシリア艦隊所属)がダイベイ艦隊と交戦し後退させた、との報道がザルシャガル宙域でなされる。
1119年365日 この日までにダイベイ軍がリムワード方面3星域をソロマニから奪還。
1120年261日 アストン星域のソロマニ艦隊をダイベイの3個艦隊が大きな損失を出すも撃破(※ただしソロマニ側では全く逆の報道がされています)。
1121年090日 オルタレ・エ・シェ社とシャルーシッド社・ナアシルカ社との間で資産交換が成立。ダイベイ宙域内のヴィラニ系資本(工場・造船所・不動産・宇宙港施設等)はオルタレ社が買収。
1121年263日 リーヴァーズ・ディープ宙域で海賊行為が増加。この方面への旅行を控えるよう連邦政府が会見。
1122年125日 海賊行為の増加を理由に、国境付近の20以上の星系がレッドゾーン指定されたことをクレイグ公が発表(※トラベルゾーン指定は本来トラベラー協会が行うものなので、政府が公表するのは極めて異例)。この時点でソロマニとの交戦は沈静化している模様。
1122年365日 この日までにダイベイ連邦はリムワードおよびトレイリング方面の計7星域を維持できなくなり、権力の空白地帯が生じた。
1123年081日 キャピタルの帝国司法省(MoJ)がダイベイ宙域に本部と訓練施設を移転させるためにクレイグ公と交渉に入った、との噂。
1123年282日 クレイグ公の誕生日恒例だった観艦式が中止に。戦力不足との憶測を会見で否定。
1124年126日 前年にドラン(イレリシュ宙域 1021)から逃走して行方不明となっていた歴史学者イリレク・クリガアン教授がワリニア(ダイベイ宙域 0507)に現れ、クレイグ公と面談。
1125年007日 デネブ海軍の巡洋艦アライバル・ヴェンジェンスがワリニアに到着し、乗組員らがクレイグ公(及びクリガアン教授)と面談。
1129年065日 超能力を禁止していた一連の勅令をクレイグ公が廃止。

 ダイベイ宙域については今後、UWPデータの公開やサポート記事を追加していく予定ですので、もうしばらく気長にお待ち下さい。


3.ディアスポラ宙域(1129年設定)
「こんな時代にまだいるのですか? なぜ早送りしないのですか? 今は安全な冬眠装置の中で眠り、世の中が好転した時に目覚めましょう!」
――「苦難の時代」に急増した冷凍睡眠サービス会社の宣伝文

 1129年ということは、そう、「苦難の時代(Hard Times)」です。反乱は各地を破壊し尽くし、武力による帝国の再統一はもはや望めず、星間経済は破綻し、諸勢力に見捨てられた辺境星域では海賊が横行し、人々は宇宙に背中を向け始め……そんな中、わずかな小国家たちが文明の火を絶やさず最後の希望の光となっている、つまり一般に「ポスト・アポカリプス」と呼ばれるジャンルの舞台設定となります。
 この設定はあまりに危険性が高いため人気は高くありませんでしたが、実は利点もいくつかあります。まず、もはや過去の〈帝国〉の設定に縛られる必要はないこと。何もかもが変わってしまった宇宙では、過去よりも現在の「目の前のこと」が全てです。過去の情報はあくまで過去の話で、過酷な今を生き抜くためには必要とは言えないのです。そして造船業の縮減で相対的に宇宙船の価値が上がったことで、宇宙船持ちというだけどころか宇宙船を動かせるだけで英雄候補となり、プレイヤーの行動いかんで星系の、星域の命運が左右されるような時代なのです。
 例えば、こんなニュースがあります。

ゴールキー(ディアスポラ宙域 2929)発  1129年115日付
 レストン・スミッツ氏は、少し前までは失業中の小惑星牽引船の操縦手に過ぎませんでしたが、今ではゴールキーの救世主と称されています。スミッツ氏は、この星に迫る海賊の戦闘機3機を単独で撃破したのです。
 ゴールキーの住民は傭兵艦の助けをあてにできなかったので、彼らは自分たちの輸送船団を守るために自前で小さな護衛部隊を編成していました。2機の小型戦闘機、といっても船の救命艇を改造しただけのものを船団の死角に隠し、実際に3機の海賊戦闘機が現れた時にはスミッツ氏ともう1人の仲間は降伏を装いました。海賊らが船団に接近し、進路を合わせるために減速したその時、スミッツ氏と仲間は不意を突いて襲いかかりました。仲間は交戦開始とともに撃墜されましたが、スミッツ氏はあらゆる不利を撥ね退けて反撃し、3機全てを撃墜しました。彼の正確な射撃は派手に塗装された攻撃機2機を粉々に吹き飛ばし、海賊の操縦手は驚愕したことでしょう。
 おまけに3機目の戦闘機は修復可能であり、スミッツ氏の新しい搭乗機としてゴールキーの防衛力を大幅に向上させると見られています。
 しかし、彼を讃えて催された記者会見ではスミッツ氏は口ごもり、約束があるからと「では達者でな」とだけ言い残して早々に退席しました。Ω

 無職のおじさんが一夜にして英雄に!なんてことが起こり得るのがこの時代です。まあこのニュースには何か裏がありそうな気配ですが、トラベラー・ニュースサービスは元々そういうネタ拾いのためにあるので、以後の展開はレフリーが決めます(笑)。

 問題は、1129年設定だと「翌年にコンピュータウィルスで全てが灰になる」ことなのですが、前述した通り『GURPS Traveller』の登場によって公式設定ですらSFドラマのお約束である「並行宇宙」の存在は明らかになっているわけです。ならば、個人で遊ぶ分には「1130年に何も起きなかった」ことにしてしまっても問題ないでしょう。ルカンは「超兵器」を作らなかったかもしれませんし、デュリナーがそれを奪取せずに研究基地ごと破壊してしまったかもしれません。そうなった場合、史実より数十年早く復興の目が見えてくるかもしれません。
 ディアスポラ宙域の場合、例えばマーガレットとデュリナーがダイベイを介して提携関係を結べば(公式設定から見てもその萌芽はありました)、その三者を結ぶ「復興回廊」の通商路としての価値は非常に高くなります。再興して拡大していく各勢力の安全圏にディアスポラ宙域の小国家が取り込まれるかもしれませんが、それはそれで軋轢もあるでしょうが歓迎もできるはずです。

 そんな未来までやらなくても、目の前の危機を生き延びるネタに困らないという意味ではこの苦難の時代は美味しいです。例えば…

 ドーム都市の環境制御装置の予備部品が底をつきかけているし、本格的に直せる技術者もいない。このままでは全人口がいつか死に絶えるが、外世界から商船がいつ来るかはわからない(というかここしばらく来る気配もない)。

 という状況下でプレイヤーが偶然偵察艦を「発掘」し、星系の代表として外の世界に部品や技術者を調達しに行く…というだけで大冒険が見えてきます。うまく調達できればそれでいいですし、最悪の場合は略奪や誘拐するしかないかもしれません(汗)。仮に失敗してしまったとしても、どうせ滅ぶ運命だった星なのです。この時代の宇宙にはそんな話、いくらでもあります(大汗)。
 また、死に絶えた故郷を捨てて安全な星を求めて村人ごと貨物船等で宇宙の放浪を続ける話もできますね。この場合はNPC管理が大変ですが、昔懐かしいシナリオ『リヴァイアサン』でも似たようなものでしたし…。

 宇宙船の話ついでに、サプリメント『宇宙海軍』の発売以降は数万・数十万トンの艦船が当たり前になってしまいましたが、この時代は400トンの海賊船ですらかなりの脅威です。昔懐かしい1200トンの巡洋艦に至っては小国家や星間傭兵の旗艦扱いでしょう。つまり、宇宙戦闘が「クラシック・トラベラーの」基本ルールや『メイデイ』の規模に戻されているのです。これはプレイヤーやレフリーの扱いが楽になるという意味でも歓迎できます。
 もちろん数万トンの軍艦が宇宙から消えて無くなったわけでもないので、どう活用するかはレフリーの歳量次第ですね。映画『スターウォーズ』のデス・スターのように「絶望的に強そうな構造体を内部から破壊しに向かう」シナリオとか。もはやそれに乗っているのは正規軍の軍人ではないでしょうから(軍人くずれかもしれませんが)、どこかに隙があるはずです…たぶん(汗)。

 一方で、商人型キャンペーンはかなり手直しが必要になるでしょう。『ハードタイムズ』本編で示唆されている通り、治安の悪化や星間経済の崩壊によってかつてのような「自由な」航海はもはや望めません。かつては万能だったクレジット(信用)の価値もないのです(厳密にはないこともないですが…)。商船の貧弱な武装では海賊船に遭遇すれば即詰んでしまいますし、かといって「マーチャント・テンダー」と契約すれば行動の自由が制約されます。
 あえてやるとすれば、誕生したばかりの小国家の安定のために物資の供給などで東奔西走する形になるでしょうか。辺境地域の商船は貴重な存在なので、御用聞きのごとく狭い範囲を行ったり来たりすることになりますが、その分設定密度は濃厚にできますし、「地元の星々」に愛着も湧いてくる…といいですね。
 『ハードタイムズ』に書いてある通り、荒野地域での「呪われた貿易」に手を出すのもありでしょう。滅びゆく星から逃げるためなら全財産を差し出す金持ちはいくらでもいます。そして、乗せてくれなければ密航や乗っ取りも辞さない人々はもっと…。
 他の影響として、高TLの製品が貴重になったことで、例えばバトルドレスやエアラフトのたった一式だけでも様々な駆け引きと騒動が繰り広げられるのが想像できます。

 あとこの時代特有の「星間傭兵」となって転戦するキャンペーンも考えられますが、要は「艦隊戦もやる傭兵部隊」なので、指揮官となるのでなければやることは従来の傭兵キャンペーンとはさほど変わらないかもしれません。ただ、「金のために戦う」従来の傭兵よりは「生きることを諦めない民衆のために戦う」色彩が強くなるのが星間傭兵なので、そこをうまく演出してあげたいところです。

 ところで、そもそもなぜディアスポラ宙域を推したかというと、実は反乱期の資料で一番詳細な宙域設定があるのがこの「1129年のディアスポラ宙域」なのです。GDWから出た公式設定集『Astrogator's Guide to the Diaspora Sector』に加えて、後に『Traveller Chronicle』誌第2~5号にて「Astrogator's Update to the Diaspora Sector」が掲載されるなど(両方とも著者は『ハードタイムズ』のチャールズ・ギャノンです)、星系設定があるのは(数え間違えていなければ)延べ109星系にも及びます。また、『Challenge』誌掲載記事や傭兵シナリオ『Assignment: Vigilante』もあり、英文の壁さえ乗り越えればシナリオのネタの宝庫です。確かにその壁が一番高いのは否めませんが、今では全てが電子化されているので入手が容易というのはありがたい点です。
 基本的にこれらから得られる情報は「戦乱で変わり果ててしまった世界」なのですが、中にはこの御時世には似つかわしくない観光ガイド的なものもあったりして侮れません(笑)。『Astrogator's Guide~』の表紙からして観光地ですし。


 ここまで3つの宙域設定を紹介してきましたが、正直なところこの反乱期を扱うには、旧来の2D6ベースのトラベラーシステムよりは『Traveller: The New Era』のハウスシステムなど「タフで戦闘向きな」ものの方が向いているとは思います。しかし、危険だらけの宇宙をただ生き延びるためだけに生きる、という楽しみ方もそれはそれでアリではないでしょうか。
 今回紹介した場所以外にも、「滅びの美学」に殉じたい人向けのグシェメグ宙域や、反乱を無視したい人向けのヒンター・ワールズ宙域(本末転倒ですが…)など、まだまだ反乱期は掘り尽くせていない魅力があるにはあります。「命なんて安いものさ」というある程度の割り切りと、それでも生きようとする希望、それを支える機転と慎重さがあれば、人類史で最も血と涙が流れたこの時代でも大丈夫でしょう。

 ――でもやっぱり、平和が一番ですよね!(おい)


【ライブラリ・データ(1123年版)】
ボーダー・ワールズ連合 Border Worlds Confederation
 スピンワード・マーチ宙域のソード・ワールズ星域に存在する、帝国の属国です。
 第五次辺境戦争の末期、帝国軍は宣戦布告なしにランス(スピンワード・マーチ宙域 1719)を攻撃したソード・ワールズ連合への報復として連合の10星系の占拠に踏み切り、休戦条約締結後も返還を拒みました。長く複雑な交渉の末、1111年に占領下の星系に加えてソード・ワールズから離反した2星系の計12星系で「ボーダー・ワールズ連合」が結成されました。当初首都はスティング(同 1525)に置かれましたが、スティングの官僚による連合当局への干渉に業を煮やした結果、1116年にビーター(同 1424)に首都機能は移転されました。
 現在、一部星系に帝国への加盟申請の動きがあり、帝国もメタル・ワールズ4星系の購入併合を検討するなど、連合の先行きは不透明となっています。
(※ボーダー・ワールズの国境線はメガトラベラー版とGURPS版とT5SS版で全て異なっており、今回はGURPS版の設定をメガトラベラー版の国境線に合わせる形で記述しています)

ワリニア公爵クレイグ・アントン・ホルバス Duke Craig Anton Horvath of Warinir
 ワリニア(ダイベイ宙域 0507)の公爵家の嫡子として1065年に生まれた彼は、帝国海軍の士官として経歴を重ねてはいましたが配属は整備科であり、一度も指揮を執ったこともなければ勲章を受けたこともありませんでした。
 退役して公爵位を継承した後は海軍時代の経験をもとに己の指導力と組織力を磨き上げ、1118年にダイベイ宙域を事実上帝国から独立させてからは艦隊の最高司令官としてソロマニ軍の侵入を巧みに阻止し続けてきました。彼は「海軍で鍛えられること以上に王に相応しい修行はない」という古の諺を証明してみせ、反乱前こそ無名でしたが今では帝国で最も冷静で聡明な人物だという評判を獲得しました。

イリレク・クリガアン教授 Professor Ililek Kuligaan
 1116年にドラン大学帝国史学部の学部長に就任したクリガアン教授は、イレリシュ連邦政府(通称デュリナー帝国)への政策提言を行っていました。
 しかし1123年、相次ぐ無法戦争やヴァージ戦争、そしてヴィラーサ教団の過激派(※)が政権内で伸張していくことに嫌気が差した彼は、家族をドラン(イレリシュ宙域 1021)から脱出させるとできる限り多くの機密資料を破壊し、学内でデュリナー政権を告発する演説を行い、その証拠を持ち出して逃走しました。イレリシュ政府は逮捕状を取り、彼の行方を追っています。
(※ドランを支配するヴィラーサ教は元来「楽園の扉を開くのは非暴力による死のみである」という教義でしたが、デュリナー政権に近付いて1121年に「非暴力に限らない」と変更して以降は正統派教徒への迫害が続いています)

巡洋艦アライバル・ヴェンジェンス Frontier Cruiser Arrival Vengeance
 排水素量6万トンのライトニング級巡洋艦のFL-6415号艦として、1003年にスピンワード・マーチ宙域の第11ヤードで建造されたアライバル・ヴェンジェンスは、1006年037日に初就役し、1048年に予備役に移管されました。1082年にFC-6415号艦に改装された後は第四次・第五次の2度の辺境戦争に参加し、1114年にトリン(スピンワード・マーチ宙域 3235)の帝国海軍不活性艦艇施設に保存されました。
 反乱の発生以後、海軍は1125年を目処に同艦を再就役させるべく整備を続けています。

ディアスポラ宙域 Diaspora Sector
 ソロマニ・リム宙域のコアワード側に隣接するこの宙域に最初に進出したのはヴィラニ人でしたが、その開発度合いは地球人の将軍の言葉にある通り「とても少なく、とても古く、とても遅く、とても悪い」有様でした。恒星間戦争で衰退していった第一帝国はこの宙域を緩衝地帯として使うべく、地球連合に次々と星系を明け渡したため、地球人はより容易に銀河中央に向けて進出することができました。
 地球人はこの宙域に永続的な統治を確立すべく、大規模な入植計画を策定しました。それは最初の8年間で約1000万人もの自発的な(そして非自発的な)移民が参加したことで「ディアスポラ(民族離散)」との異名を生み、今も宙域の名として残っています。
 やがて暗黒時代に突入すると、スフレン同盟(Union of Sufren)のみが文明の火を保ち続けました。その努力は330年に第三帝国がこの宙域を併合し、帝国首都と人類発祥の地を繋ぐ「帝国の路(Imperial Road)」の重要な結節点となって繁栄することで報われました。


【参考文献】
・Supplement 5: Lightning Class Cruisers (Game Designers' Workshop)
・Rebellion Sourcebook (Game Designers' Workshop)
・Hard Times (Game Designers' Workshop)
・Astrogator's Guide to the Diaspora Sector (Game Designers' Workshop)
・Assignment: Vigilante (Game Designers' Workshop)
・Arrival Vengeance (Game Designers' Workshop)
・Survival Margin (Game Designers' Workshop)
・Regency Sourcebook (Game Designers' Workshop)
・MegaTraveller Journal #1,#2,#3 (Digest Group Publications)
・Traveller Chronicle #2,#3,#4,#5 (Sword of the Knight Publications)
・Glorious Empire (Mongoose Publishing)
・Traveller News Service