人様のウクレレに穴を開けるシリーズ、第6弾。
今回はMさん(この名前は多分初めての筈ですが・・・、M3ではありません、為念。)のマーチン・スタイルO(オー)です。スタイル・オーですがビンテージではなく近年物、つまり受注生産品ですね。で、それの中古を入手されたということでした。
当然、ナザレス製です。ネックブロックにも刻印があります。「CUSTOM」とありますが、カタログモデルではないという意味の様です。同じマーチンでもschun玉所有のメキシコ製S-Oとは明らかに違うオーラが放出されています。指板にしてもインディアンローズやエボニーとは違う別の材、、、ひょっとして、ハカでしょうか。グロスフィニッシュと相まって、シンプルなのに、まるで宝石の様なウクレレです。
あまりにも素敵なので、発作的に並べてみました。schun玉秘蔵レレ、故レイラニさんのラスト製作分のうちの一本、遺作ともいえるSTDです。が、このマーチン、外観オーラでも全くヒケを取りません。肝心の音も、悔しいですが・・・、流石、EST・1833であります。
さて、本題です。今回は違う場所に穴を開けます。指板の脇、即ち、サイド・ポジションをインレイします。指板正面にM.O.Pのドットが入れてありますので、それに合わせてサイドもM.O.P、サイズは2ミリです。
それでは、失礼いたします。キリキリキリ・・・(緊張で胃が痛む音)
むふぉお~~~・・・(ポンチ跡を付けた余韻)
うりゃ! と、フィンガー・ドリルで穿ちます。極力、塗膜のチッピングを抑える様に加工します。指板の厚みは4ミリ弱、そこへ2ミリのドットを入れるので、上下のスペーシングにも気を使って穴を開けるのであります。
M.O.Pドットを埋めるにあたり、光が反射する向きを揃えておきます。もちろん、演奏者に向けて光って見える様にします。まあ、気持ちの問題的なところもありますが、やっておいた方が精神衛生上にも良いのです。
はひい~~、埋まりました・・・。周囲(塗膜表面)よりも、ビミョーーーに落とし込み気味にセットいたします。
今回の接着には「Z-POXY」というエポキシを使用しました。かなり以前にもご紹介しましたが、コレの良い所は目分量で混合してもダイジョブ!なことです。(通常、エポキシは混合比がシビアであるとされています。)
自分のS-Oの指板横には7フレット位置だけインレイしてありますが、表面が無塗装なので、M.O.Pを埋めてちゃちゃっとサンディングしてオイルフィニッシュしてオシマイ!という秒殺コースでした。しかし今回はラッカー塗装してあるのでそうは行きません。タッチアップを繰り返して、最終的に研磨して仕上げます。なので、これから暫くは乾いたらラッカー(私は玄々化学工業のLCを使っています)をチョンチョンの繰り返しとなります。時間を掛けます。気長~、に行きます。なのでMさん、このまま忘れて頂いても結構でございます。そしてこのレレは、ワタクシめが・・・ ふはははは。