普天間飛行場に代わる新基地建設をめぐって、全国的に辺野古が注目される中、同じく米軍再編に伴い新たなヘリパッド(ヘリコプターの離着陸帯)の建設予定地とされている東村高江区で、住民に対し司法の手による不当な決定がなされました。
その決定とは、ヘリパッド建設に反対する住民14人に対して、国(沖縄防衛局)が通行妨害禁止の仮処分を求めていた裁判において、去る12月11日に、住民14人のうち2人に対し妨害行為が認められたというものです。
仮処分とは、「争いがある権利関係について、著しい損害または急迫の危険を避けるために必要がある場合、仮処分をしてほしい」というものです。2008年11月25日に沖縄防衛局が申請してから5回の審尋(非公開でお互いの主張をする機会)と一度の現地進行協議(現地の視察)を経て、今回の決定が下されました。詳しい経緯は住民の方で運営しているブログ「やんばる東村高江の現状」をご参照ください。
今回の決定によって、これまでの住民の方々が実践してきた活動が制限されることは実際にはほとんどありません。建設予定地のゲート前にテントを張って座り込み、監視・説得活動を行うことは可能です。妨害行為を認定された2人の方についても同様です。
しかし他方では、住民として反対の意思を示す「表現」活動を萎縮させるのではないか、そして米軍再編に反対する他の動きに対しても同じような対応をしてくるのではないかと危惧されると、沖縄の有識者の見解もあります(沖縄タイムス12月12日付)。
このたびの決定を不服として、住民そして弁護士の方々は「起訴命令」を申し立て、仮処分の不当性を公開の法廷で争うとしています。
いずれにしても今回の決定が不当であることは間違いありません。日米両政府が住民に対し何も知らせないままヘリパッド建設を合意し、建設を強行していることに対し、住民側は自分たちの生活や高江の自然環境が破壊されると危機感を抱き、座り込みなどで決して暴力を振るうことなく反対の意思を表現しているのですから。
「普天間移設問題」が国政を揺るがす大問題となっている裏側で、同じように米軍基地が造られようとしている場所でこのような強権的な司法判断が行われたことは、「高江の住民に対して妨害行為を認定してもそれほど問題にならないだろう」という意識が裁判官の頭にあったということではないでしょうか。事実、地元紙では一面トップを占めるほどの大々的な報道がなされているのに対し、本土においてはほとんど注目されていません。
「起訴命令」に基づいて本裁判が行われた際に、その判決が住民の方々にとって納得のいく内容となるためには高江の問題を社会的に重大な問題であると裁判官に認識させなければなりません。そのためには、高江そして沖縄だけでなく、本土における取り組みが重要となってくると思います。
私たちセイピースプロジェクトとしても現在、「D-Navi 東アジアから軍縮平和を目指す総合情報サイト」にて、米情報公開法に基づく高江ヘリパッド問題に関する調査、また沖縄の基地問題を広く知らしめるための特集記事を組み、高江の問題も紹介しています。今後も高江の問題を注視し、確かな情報を発信していくことで高江ヘリパッド問題解決の一助となるよう取り組んでまいります。
☆高江問題全般を知りたい方に
⇒「高江のヘリパッド問題」(D-Navi)
☆高江の最新情報を知りたい方に
⇒「やんばる東村 高江の現状」
その決定とは、ヘリパッド建設に反対する住民14人に対して、国(沖縄防衛局)が通行妨害禁止の仮処分を求めていた裁判において、去る12月11日に、住民14人のうち2人に対し妨害行為が認められたというものです。
仮処分とは、「争いがある権利関係について、著しい損害または急迫の危険を避けるために必要がある場合、仮処分をしてほしい」というものです。2008年11月25日に沖縄防衛局が申請してから5回の審尋(非公開でお互いの主張をする機会)と一度の現地進行協議(現地の視察)を経て、今回の決定が下されました。詳しい経緯は住民の方で運営しているブログ「やんばる東村高江の現状」をご参照ください。
今回の決定によって、これまでの住民の方々が実践してきた活動が制限されることは実際にはほとんどありません。建設予定地のゲート前にテントを張って座り込み、監視・説得活動を行うことは可能です。妨害行為を認定された2人の方についても同様です。
しかし他方では、住民として反対の意思を示す「表現」活動を萎縮させるのではないか、そして米軍再編に反対する他の動きに対しても同じような対応をしてくるのではないかと危惧されると、沖縄の有識者の見解もあります(沖縄タイムス12月12日付)。
このたびの決定を不服として、住民そして弁護士の方々は「起訴命令」を申し立て、仮処分の不当性を公開の法廷で争うとしています。
いずれにしても今回の決定が不当であることは間違いありません。日米両政府が住民に対し何も知らせないままヘリパッド建設を合意し、建設を強行していることに対し、住民側は自分たちの生活や高江の自然環境が破壊されると危機感を抱き、座り込みなどで決して暴力を振るうことなく反対の意思を表現しているのですから。
「普天間移設問題」が国政を揺るがす大問題となっている裏側で、同じように米軍基地が造られようとしている場所でこのような強権的な司法判断が行われたことは、「高江の住民に対して妨害行為を認定してもそれほど問題にならないだろう」という意識が裁判官の頭にあったということではないでしょうか。事実、地元紙では一面トップを占めるほどの大々的な報道がなされているのに対し、本土においてはほとんど注目されていません。
「起訴命令」に基づいて本裁判が行われた際に、その判決が住民の方々にとって納得のいく内容となるためには高江の問題を社会的に重大な問題であると裁判官に認識させなければなりません。そのためには、高江そして沖縄だけでなく、本土における取り組みが重要となってくると思います。
私たちセイピースプロジェクトとしても現在、「D-Navi 東アジアから軍縮平和を目指す総合情報サイト」にて、米情報公開法に基づく高江ヘリパッド問題に関する調査、また沖縄の基地問題を広く知らしめるための特集記事を組み、高江の問題も紹介しています。今後も高江の問題を注視し、確かな情報を発信していくことで高江ヘリパッド問題解決の一助となるよう取り組んでまいります。
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⇒「高江のヘリパッド問題」(D-Navi)
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