3月4日(日)に、梅丘パークホールにて世田谷区後援シンポジウム「福島のために東京でできること~自主避難者の現状とこれからの支援」を開催しました。震災から1年が経った今、3月をめどに支援を打ち切られることが多くあります。セイピースが行ってきた生活支援の中でも、特に自治体による住宅支援の打ち切りや避難先での生活保障は大きな問題であり、避難生活の困難さが明らかとなりました。そのため、今回のシンポジウムでは、自治体や支援団体を含め、これからの支援の在り方について議論し、自主避難者の方たちの現状の問題を社会へ提起していくために、世田谷区長・保坂展人さん、東京里帰りプロジェクトの方、避難母子の会の方をお招きし、現在の自主避難者の方の状況、これからの支援についてお話していただきました。
避難母子の会in 関東の方々は、関東に福島から自主避難されている方たちの団体ですが、震災当時や避難所、現在の暮らしの状況などをお話ししていただきました。現在は、自治体の支援をうけて、都営住宅に暮らしていらっしゃるそうです。しかし、住宅支援の期限が来年の1月までであることや、今まで受けていた支援の支給期間が過ぎてしまったため、違う地区に移住せざるをえない状況になってしまっており、実際には継続的な住宅支援はありません。また、区域外地区の方である自主避難者への賠償は十分なものではなく、パートナーの方が避難したために転職したことによって生じた収入の差や避難したことによる新たな出費など、今後の生活費などの不安をおっしゃっていました。また、避難するにあたり自治体などからの支援を受けましたが、支援団体からの“支援してやっている”という態度は、避難者の方たちはにてもつらい思いをさせていることだとおっしゃっていました。“支援者”“被災者”という関係の持つ問題点を感じ、“支援者”であるという態度によって、少しでもそのように感じさせてしまうことはこれからの支援において気をつけなければならないことだと強く認識させられました。また、避難者の方の話をきくことや東京でもできる支援があることを広げていくことが、今後の支援としても必要であるとおっしゃっていました。
東京里帰りプロジェクトの方のお話では、実際に行われている支援活動について紹介していただきました。支援をした9割は福島からの避難者の方で、妊婦さんの産前後の支援や被災地でのサロン活動や訪問事業などを行っていらっしゃいます。また、心の相談室を設けたところ、避難先での状況に不安定さがあるため、多くの方が利用し長期的な治療が必要になる方が多いそうです。震災後1年がたつ今でも、避難者の方の多くが精神的な負担にあることがわかりました。東京里帰りプロジェクトは、3月をめどに支援を終了する予定ですが、これからも避難者同士の交流会などは継続していくようです。
世田谷区長・保坂展人さんのお話では、これまで世田谷区で行われてきた支援についてお話していただきました。世田谷区では、応急仮設住宅や民間賃貸などを提供し、多くの方が入居されているようです。また、避難者同士の交流会などの開催も行っているとおっしゃっていました。このような交流会などによって同じ境遇にいる人が身近にいると感じられ、避難者同士間での情報交換などの機会があることは、避難者の方たちにとって大きな意味があると思います。
また、今後としては、区が応急仮設住宅の延長などを都や国に求めていくことが必要だとおっしゃっていました。住宅問題は特に自治体の協力が必要となるため、 継続的な支援を世田谷区が求めていくことは、自主避難者の方たちの住宅問題の解決に繋がると思います。
第2部ではパネリストとして避難母子の会と東京里帰りプロジェクトの方を迎え、パネルディスカッション形式で、住宅問題を中心に話し合われました。東京里帰りプロジェクトの方は、今までにたくさんの避難者の方の支援を行ってきましたが、現在の支援状況としては善意によって貸し出していた方が事情により貸せなくなってしまったことやこれから避難される方は住宅を探すのが難しいと話されていました。また、避難される方は、生活をそのまま全て避難先に移すことになるため、住むところだけでなくお子さんの保育施設なども必要となります。一人一人ニーズが異なるため、すべての要望に応えていくことは難しいようです。ディスカッションの中で印象的だったことは、東京里帰りプロジェクトで実際に避難をしたいという相談をうけても、そのうちの8割は避難を実現できないというお話です。その背景としては、仕事があるため一緒に暮らしている旦那さんを置いていかなければならない、女性一人だけでは生活力がないなどを理由に、家族から理解を得られず引き止められることが多いとのことでした。避難母子の会の方は、避難に一歩踏み出すには、意志・決断力・行動力が必要だとおっしゃっていました。
今回のシンポジウムで、自主避難者の方たちの現在置かれている状況、支援団体の方の支援の場での状況などを伺い、やはり住宅支援や生活の保障などの支援の少なさの問題があることが明確になったと思います。また、避難先での自主避難者への生活保障や住宅支援の充実は、現在福島で暮らしている避難したくてもできない方たちの避難への一歩に繋がります。
震災から1年たった今だからこそ、これからの継続的な支援を考え、自主避難者の避難権を確立することが必要であるのではないかと思います。
避難母子の会in 関東の方々は、関東に福島から自主避難されている方たちの団体ですが、震災当時や避難所、現在の暮らしの状況などをお話ししていただきました。現在は、自治体の支援をうけて、都営住宅に暮らしていらっしゃるそうです。しかし、住宅支援の期限が来年の1月までであることや、今まで受けていた支援の支給期間が過ぎてしまったため、違う地区に移住せざるをえない状況になってしまっており、実際には継続的な住宅支援はありません。また、区域外地区の方である自主避難者への賠償は十分なものではなく、パートナーの方が避難したために転職したことによって生じた収入の差や避難したことによる新たな出費など、今後の生活費などの不安をおっしゃっていました。また、避難するにあたり自治体などからの支援を受けましたが、支援団体からの“支援してやっている”という態度は、避難者の方たちはにてもつらい思いをさせていることだとおっしゃっていました。“支援者”“被災者”という関係の持つ問題点を感じ、“支援者”であるという態度によって、少しでもそのように感じさせてしまうことはこれからの支援において気をつけなければならないことだと強く認識させられました。また、避難者の方の話をきくことや東京でもできる支援があることを広げていくことが、今後の支援としても必要であるとおっしゃっていました。
東京里帰りプロジェクトの方のお話では、実際に行われている支援活動について紹介していただきました。支援をした9割は福島からの避難者の方で、妊婦さんの産前後の支援や被災地でのサロン活動や訪問事業などを行っていらっしゃいます。また、心の相談室を設けたところ、避難先での状況に不安定さがあるため、多くの方が利用し長期的な治療が必要になる方が多いそうです。震災後1年がたつ今でも、避難者の方の多くが精神的な負担にあることがわかりました。東京里帰りプロジェクトは、3月をめどに支援を終了する予定ですが、これからも避難者同士の交流会などは継続していくようです。
世田谷区長・保坂展人さんのお話では、これまで世田谷区で行われてきた支援についてお話していただきました。世田谷区では、応急仮設住宅や民間賃貸などを提供し、多くの方が入居されているようです。また、避難者同士の交流会などの開催も行っているとおっしゃっていました。このような交流会などによって同じ境遇にいる人が身近にいると感じられ、避難者同士間での情報交換などの機会があることは、避難者の方たちにとって大きな意味があると思います。
また、今後としては、区が応急仮設住宅の延長などを都や国に求めていくことが必要だとおっしゃっていました。住宅問題は特に自治体の協力が必要となるため、 継続的な支援を世田谷区が求めていくことは、自主避難者の方たちの住宅問題の解決に繋がると思います。
第2部ではパネリストとして避難母子の会と東京里帰りプロジェクトの方を迎え、パネルディスカッション形式で、住宅問題を中心に話し合われました。東京里帰りプロジェクトの方は、今までにたくさんの避難者の方の支援を行ってきましたが、現在の支援状況としては善意によって貸し出していた方が事情により貸せなくなってしまったことやこれから避難される方は住宅を探すのが難しいと話されていました。また、避難される方は、生活をそのまま全て避難先に移すことになるため、住むところだけでなくお子さんの保育施設なども必要となります。一人一人ニーズが異なるため、すべての要望に応えていくことは難しいようです。ディスカッションの中で印象的だったことは、東京里帰りプロジェクトで実際に避難をしたいという相談をうけても、そのうちの8割は避難を実現できないというお話です。その背景としては、仕事があるため一緒に暮らしている旦那さんを置いていかなければならない、女性一人だけでは生活力がないなどを理由に、家族から理解を得られず引き止められることが多いとのことでした。避難母子の会の方は、避難に一歩踏み出すには、意志・決断力・行動力が必要だとおっしゃっていました。
今回のシンポジウムで、自主避難者の方たちの現在置かれている状況、支援団体の方の支援の場での状況などを伺い、やはり住宅支援や生活の保障などの支援の少なさの問題があることが明確になったと思います。また、避難先での自主避難者への生活保障や住宅支援の充実は、現在福島で暮らしている避難したくてもできない方たちの避難への一歩に繋がります。
震災から1年たった今だからこそ、これからの継続的な支援を考え、自主避難者の避難権を確立することが必要であるのではないかと思います。