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充電日記     

オフな話で一息を。

初心仮名遣ほか

2020年11月01日 | 
・百万遍の古本市で購入したものをちらり。『初心仮名遣』(元禄四年刊)。





・いわゆる仮名遣書ですが、当時としては異端のもののようです。意味で分類してしまう。しかも「家名・簡(看)板」なんていう分類も。仮名遣書は、和歌(俳諧も?)のためのものと思っているからでしょうか、そういう分類があることの意味がちょっと分からないんです。



・もちろん、看板はよく目にするもので、なかには和歌に詠みうる単語などもあるかもしれない。だから、看板での表記に引きずられないように、という配慮なのかな。



・『庭訓往来』。ただし、楷書本です。手習教科書もかねて、行書体で大きく書かれたものがおびただしく出版されましたが、これはちょっと珍しいかも。それだけに何のためにそんなものが刊行されたのか、興味深く思います。



・さらに、朱で対校がなされた部分がある。天正山陽光院誠仁親王書写本が、その原本のよう。「天正本奥書/此一冊者、依知恩院附第九花所●染禿筆龍写本不審写?雖為繁多/且今添削且以作本加校合者也。併●後覧?嘲哢耳比興々々/
天正十四年季中陽●●●●末葉●●親王」。


京都で古本市

2020年10月30日 | 
・春・夏と中止になった京都の古本市へ出かけました。収穫についてはおいおい話題にするかもしれません。NHKの動画ニュースはこちら(開会直後、透明のビニールシートが取り除かれる絵がありますね。この棚の右隣の棚に私は居ました)。

・新幹線で京都について、さて。普通ならバスで会場の百万遍(知恩寺)に行くのですが、込み具合が大いに心配です。一計を案じて(そんな大層なものではないか)、奈良線で東福寺駅まで行き、京阪電鉄に乗り換えて終点の出町柳駅。そこから徒歩15分のルートに決めました。

・ポイントは東福寺駅での乗り換え。奈良線下りホームと京阪の上りホームは背中合せで、専用の乗り換え口(改札口)もあります。ただ、使ったことがないのでちょっと不安。コロナ対策かなんかで閉鎖してたりするかもしれないし・・・ すべて杞憂でした。すんなり・あっさり通過。待ち合わせ時間2分でも全然余裕。

・脇門から行く。古本供養(!?)とかが終わるまで、開会されません。ちょっとじれます。







・京都に出ると、歩きっぱなし、立ちっぱなしになります。不思議と。そしてまた、そんなことができることにもびっくりします。後の反動が恐いけれど。駅まで戻って近くを散歩休憩。





・アフター5で一息。四条烏丸(南東)のココンカラスマ。



・帰りの新幹線は、最新のN700Sでした。新車の匂いしかしない。(^o^)




ティッシュ代わりの辞典でも

2020年10月29日 | 
・またメルカリでマイナー辞典を。昔々、京浜東北線の北浦和駅でもらったような記憶がかすかにあります。カードローン会社の宣伝広告品です。いまなら、ポケット・ティッシュがお定まりの品になってますが、以前は、さまざまなものがあったように思います。それにしても、小さいながら辞典もとは、なかなかの資本投下です。



・名前を知ってもらうことが大事だから、ティッシュのように使い捨てられてはたまらないわけです。何度も見返してもらって、名前を刷り込んでいく・・・ そうした仕掛けが必要なのでしょう。そのためには、どんな品がよいか、と考えての一手。同時に、品格とかまじめさとか、ともかくプラス要素を持ってもらえればなおよいのでしょう。



・発行が、クレジット会社名になってます。ここポイント。普通なら、小学館とか講談社とか岩波書店とかになる部分です。出版社になっちゃった。製作が昭文社ですが、これは地図などを広く手がける出版社。いわば、OEM商品ということなんでしょう。辞書も出してるクレジット会社というイメージ。

・ところで、手のかかるところ(小口)に印刷されるのは、あ・か・さ・た・な……の目印(ツメ=爪?)ですが、なんとV字型。サ行が底。タ行以降は上へ折り返す。分かりにくいなあ。やっぱり後半のハ行になって上から下へ移動してもらわないと。何か意図があったものでしょうか。

・お手軽辞典ではありますが、語釈はけっこう気をつかってくれてます。「【追及】おいおよぶこと/【追求】おいもとめること/【追及】おいきわめること」なんて手抜きの語釈じゃありません。敬意を表したくなります。



実用辞典の歴史

2020年10月23日 | 
・最近、マイナー辞書が気になります。出版というと、比較的少数の大出版社が請け負うイメージがありますね。
  国語辞典・漢和辞典をはじめとする辞典類が主力の三省堂
  教育補助からマンガまで手広く展開する小学館
  『広辞苑』を擁し、学術出版を主力とする岩波書店
  雑誌類を主力とする集英社・講談社。それほど辞典に注力はしてないかも。
  漢和辞典を中心に国語辞典などにも注力する大修館書店・・・

・実は、現在のような出版不況になるまでは、多くの中小出版社が国語辞典の類を出していました。誠文堂新光社もその一つ。私のように昔々の「科学(好き)少年」にはよく知られた存在でした。今でもかな。『初歩のラジオ』なんか、面白そうな特集があったりすると、ぽつぽつ購入してました。



・そんな科学出版で有名な誠文堂新光社も国語辞典を出していました。その名も『机上辞典』。手元にある、一番新しいものには「和英併用」と冠しています。

・さすがに現在は出していないようですが、巻末に「机上辞典の歴史」があるのに気づきました。最初の記事は昭和7(1932)年。いまでも出していれば、90年を超える歴史をもつことになります。



・机上辞典の歴史
 昭和7年9月18日 初版
 語数 約3万4千。ペン字 井上千圃先生。
 「和英併用・ペン字入り」という本辞典の特色は、文学博士高野辰之先生と、辞典づくりの鬼才・加島謙次氏の協力によって創案され、実用国語辞典としての第一歩を印す。

・力強い第一歩ですね。ただ、ちょっと気になるのは、和英併用はよいのですが、「ペン字入り」も「創案」とされていることです。もちろん、本当にペン字書体をも表示したのは最初なのかもしれませんが、江戸時代でしたらそれが筆書きになりますね。行書で書くのが普通だったので、楷書と行書を並記したものが、慶長16(1611)年には開発されており、その末裔は昭和初期まで刊行されていました。


茶色の豚辞書

2020年10月17日 | 
もありましたか! バンダイ製。

・ちょっと考えてるうちに、売れてしまいました。ピンクがあるのですね。ただ、メルカリとか見てると、ピンクは3点ほどあるけれど、茶色は1点だけですね。こっちの方がレアなのかな。

・まあ、でも、こういうものは迷っているうちはダメなんでしょうね。すぱっと身体が動くというか、「指が勝手に動いてボタンをおしていた」くらいの状況でないとね。

・「値段の高低が気にならなくなってからが趣味」ともいいますしね。言わない? どっかでめぐり会った言葉です。(^_^;

インターネット上で閲覧できる古辞書一覧

2020年10月13日 | 
・やろうと思っていてやりそびれたこと。なに、他の方がやっているなら、それは助かる。

インターネット上で閲覧できる古辞書一覧

・『日葡辞書』もリンクされてますね。本文1ぺーじめ、なかなかよい画像で、質感も感じられそう。どんな機材を使えばいいのかな。

メルカる

2020年10月12日 | 
・古本市がないので、つい受け狙い的なものをメルカる。『(豚の入れ知恵)国語辞典萬語』。プラスチックケース付。A9判=文庫本の半分の半分の半分の大きさ。なぜか豚さんだ。「豚もおだてりゃ、木に登る」とかいうフレーズが流行っていたころだろうか。





・『明解国語辞典』はケースがきれいだったので。以前、古本市でカバーなし100円だったけれど、茶色表紙のオーソドックスなもの。辞書だろうが伝写だろうが茶色というかチョコレート色が標準色みたいなものでした。で、ケースがきれいなのでつい買ってしまいましたが、中身は茶色でした。失敗だな。

・「ついきゅう」の手抜き語釈がほほえまし。



・『新明解』だと、「どうぶつ」の「う」の横に「オ」を振って発音を示します。「う」と書いてあるけれど、この「う」は「お」(より正確には直上の母音〔o〕を延ばせばいいんですよ、という注です。いい工夫でしょう、と学生たちにも紹介するが、すでに『明解』で発音本位に「とおいそくみょお(当意即妙)」と表記するんだから、跡継ぎの『新明解』でそれくらいのサービスをしていてもおかしくはないわけですね。



・脳内が、ちょっとかき回される感じ。現代仮名遣は反映させていません。小さく書いてある歴史的仮名遣から推測することはできるので、それでよしということなんでしょう。こんな辞典が出るほど、現代仮名遣の、とくに「う」の扱いは面倒といえば面倒なものです。「黒兎」なら「くろうさぎ」と書いて〔kuru'usagi〕と「う」らしく発音しないといけない。この場合は長音記号として「う」ではないから。

・こんな風に語源(兎)に戻って考えてるんだから、『明解国語』も変な(?)ことせずに、語源ないし言葉と言葉のつながり方を標示した方がよかったかもしれない。少なくとも、現代仮名遣に準拠しないうちは小中学校をはじめ、多くの組織から敬遠されたことでしょう。そこで『新明解』へとバトンタッチしたんじゃないか。語釈も練りに練ってね。

ブックオフでサイン本

2020年09月09日 | 
・ふと手にとったらサインらしきものが。著者の名前かな?


・その次に手にとった本には新聞切り抜きが2枚も。何だか買ってしまった。両方とも。


・そういえば、この店舗では、サイン本を買ったことがあったっけ。


・とするとですよ、ブックオフに行ったら、端から端まで確認していけば、それなりの、いや、かなりの確率でサイン本が手に入るのかもしれませんね。やってみるかなあ。

北村薫作品のマンガ化

2020年08月18日 | 
期間限定公開らしいので、いまのうち。または、こちら。

・原作は、も少しいろいろな要素が絡んでくるんだけれど、それをすきっとまとめてくれてる。

・マンガ化で気になるのは、登場人物のイメージ。「正ちゃん」はボーイッシュで無駄口は利かない系で、髪型はベリーショートと思ってましたが、マンガではセミロングでガーリーなイメージ。でも、言うことはどんどんいう感じになってる。

・そうきましたか、というか、読みおとしていたかな。(^_^;

・マンガ化されるということは、一面では「自分以外の人の読み方が分かる機会」ができたということでもあります。もちろん、キャラクターのイメージが違う、などというのもその一環。

・一番意外だったのは、最後の方、正ちゃんに「ごめんね」と言わせたものは何か、というところですね。あ、これは、謎解きの対象ではありませんので、ネタバレにはならないと思いますが、あちこちに小さな謎がちりばめられていて、それらをまるっと味わうべきだ、との見解からは立派なネタバレになるものでしょう。だから、言わない方がいいのかな、やっぱり。

・でも、私のとらえ方が間違っていそうなので、言ってもいいかな。今、正ちゃんがダッコしている子どもに向けて、大人全体の代表者というか、大人のはしくれの一人として謝罪したんだろうと何となく思っていたんですが、マンガ版を見たら、そうではなさそう。明らかに、自分のしたこと(=浅薄な感想)への謝罪なんですね。なぜそう分かるか・・・ それを言ったら小さいながらもネタバレになるので、ここは控えておきます。

『新明解国語辞典』初版、パターン青・・・

2020年08月12日 | 
・で、なんか、気になる本があるとポチリとするクセがついてしまい・・・(^_^;



・『新明解国語辞典』の初版です。新明解は赤い表紙がトレードマークのようなもの。初版の赤なら持ってます。初版では青もあったんですね。知らなかった。で、ぽちり。ひょっとしたら、第一刷じゃないかと思ったり。まあ、そううまくは行かないものです。

・50年近く前のものとしては、とても状態がよい。刊記のところ、右端が縦に白っぽいですよね。これは、ちょうど、透明のビニールカバーの引っかけと同じ幅。そう、その幅の分は、ビニールの厚み(薄み?)分だけ密着していて外気に触れづらかった。で、白い訳です、多分。



・その薄みだけで色の違いが出るほど、そっと長らく置かれていた。裏表紙の箔押しを見て、その訳が分かった気がしました。新明解は昭和47年が初版です。できたばかりの辞典に、冥福の祈りを重ね合わせる。ちょっと変な言い方ですが、とても夢がある気がします。そうっとしておきたい、との気持ちが起こってもよいでしょう。静かに、安らかに。



・小口にはスプレー風の彩り。三省堂のコンサイスシリーズなどではおなじみ。初期の『新明解』にも施されていたのですね。

『新明解』はおもしろい語釈で有名です。こちらのbotなどで、接してみるのもよいかも。ほかにも2つほど、あるようです。