徐仙日乗 読書
去年はいい年になるだろう(下) 山本弘 PHP文芸文庫
読了 読書メーターと重複
素人の場合、読書とか観劇は値段と時間分だけ楽しむべきだと思っている。意に沿わない部分は何故なのかを考えると意外と発見が有ったりする。まあ、罵倒以外に楽しみの無い作者や企画や俳優も無いとは言えないだろうが。本書はSFに自伝が入っている、誠に変わった作品で、「それとも私小説かなあ」などと悩みながら読んだ。硬い方で云うと、五木寛之とか野坂昭如辺りからの「タレント化した作家」と云うか、あるいは最近の、「クリエーターと鑑賞者は対等」と云う感覚からすると有ってもいいことなのだろうが、違和感を感じながら読み続けた。他の山本作品とはかなり違ったのは間違いない。作者の分身が登場することを除けば、山本弘の世界であり、面白かった。但し作家山本弘初読ではキツイかも。誤解されかねない。兎に角、先に「アイの物語」をお読み下さい、お節介ですが。