徐仙日乗

日記、随筆

徐仙日乗 読書 コンビニ人間 村田沙耶香

2019-11-26 14:28:00 | 日記


徐仙日乗 読書 コンビニ人間 村田沙耶香 文春文庫
読了 読書メーターと重複

少し前の芥川賞受賞作品。話題になったのは知っていた。コンビニはお世話になっているし、薄くて読み易そうなので購入。最近では破格の面白さ!小説って奴を堪能できた。難しい言葉や言い回しは殆どないが、主人公のリアクション、感覚にハッとさせられて、読み返してみることが多かった。ネタバレは避けたいので内容に関してはこれまでとする。沢山の登録とコメントが有る様だが、「読んで何を思い、何を得たか」は恐らく百花繚乱の賑わいだと思う。小生も色々思考を巡らす楽しみを味わった。巨大なコンビニエンスストアシステムが浮かび上がるが、業界の方々、特に上層部の方々は此の作品をどう読んだのだろうか。感想を聞きたいものだ。意外と読んでない人もいたりして(笑)

徐仙日乗 読書 詐欺の帝王 溝口敦

2019-11-23 10:38:00 | 日記
徐仙日乗 読書 詐欺の帝王  溝口敦 文春新書
読了 読書メーターと重複

所謂「オレオレ詐欺」とよばれて世に知られる事になった、特殊詐欺の世界を知りたくてたく購入。ヤクザが暴力団になって以降、興味は失せた分野。オレオレ詐欺と言うと巧妙、悪辣な犯罪って気がして無かったせいで過小評価?(変かなぁ、笑)していたのだが、反社会勢力(今はこう言うらしいが、これも危険な分類を含むなぁ)の重大なシノギがこれと覚醒剤なのだそうだ。人材の供給源として大学のイベントサークル活動があったと知りちょっとビックリ。あと闇高利貸しシステムから特殊詐欺のシノギが構築されたらしい。これは素人でも何となく想像が付く。ビジネスなので、リクルートとか組織図なんて立派な物だ。最近海外の拠点が挙げられるニュースが出てきたが、官憲な手がやっと及んだと云う事なのだろう。今や「金」は金融機関の電子情報なので、本人に引き出させて頂くって事かぁ。いろんな意味で、凄えなぁと感心してしまった。頭が良くて、意志が強固で、度胸がある奴が成功する。これって男の子のヒーロー像なのだけれど。

徐仙日乗 読書 東京會舘とわたし 辻村深月 

2019-11-19 18:48:00 | 日記
徐仙日乗 読書 東京會舘とわたし上下 辻村深月 文春文庫
読了 読書メーターと重複

いわゆる名店、老舗の総本山とも言える東京會舘。作者のこともよく知らず、ただ歴史的な宴会場の名声に興味を惹かれて購入。歴史のエポックに相応しい登場人物が時代相を織り込みながら「麗しの會舘」讃歌を奏でる。当然だけど連作の割に単調になりがち。越路吹雪のディナーショーの話だけは別で、当時のディナーショー流行を思い出したりした。コーチャンのディナーショーを掛けていたって事で東京會舘の格が窺える。一流の歌手たちが各ホテルで商売していたが、越路吹雪は最高級の更に五割増って位置付けであった。「出来れば一度は」と思わないでも無かったが、間もなく本人の急逝で永遠の夢となった。これには別な思いもあって、「行くのは良いが、本当に楽しめるのかしら?」って不安も混じっていた。つまり、格式、社交、本格フレンチ、下戸でワインを欠くのは勿体ないとか、誠に小物の心配事。これは先方のサービスとは別の問題で、此の本のテーマに繋がる小生の落ち着きの悪さに通暁することだと気がついた。時代が「こう云う世界」を商品化し出してからは尚更である。

徐仙日乗 読書 ちばてつや--漫画家生活55周年記念号(文藝別冊)

2019-11-15 06:41:00 | 日記
徐仙日乗 読書 ちばてつや--漫画家生活55周年記念号 河出書房新社
読了 読書メーターと重複

漫画雑誌が月刊から週刊に移った頃、50円玉を握りしめて、国鉄!駅の売店(キオスクなんて言葉なかった)に少年マガジンを買いに行っていた時期があった。貨物輸送だったのだろう、本屋より早く買えたため。記憶に有るのは「ハリスの旋風」!これは初回から最終回までリアルタイムで読んだ筈。「紫電改の鷹」も殆ど読んでいる。そして「巨人の星」に少し遅れて「あしたのジョー」の連載開始。マンガ雑誌が出現して常にちばてつやは執筆していたって印象。ちばてつや曰く「力の八割はコマ割りに使う」。ストーリー的にはコマ切れでもそれなりに強い印象を与え、次号も読みたいと思わせる秘密に改めて気付かされた。「あしたのジョー」は特別としてその後「のたり松太郎」で描かれた「古い、庶民の生活感」に目を見張った。記憶の底に埋め込まれた幾多のシーン、コマに新鮮な酸素を吹き込んて活性化した感じ、とでも言おうか。幼い頃の幸せな記憶と共に。作品リストを眺めていて「まとめて最初から最後まで身を入れて読んだ」作品が「あしたのジョー」だけってことに気が付いた。単行本で後追いで纏めて読む漫画と切れ切れでも毎週一喜一憂して読んだ漫画、そこら辺の違いを現在考え中。

徐仙日乗 読書 辻政信は生きている 野田衛

2019-11-11 21:34:00 | 日記

徐仙日乗 読書 辻政信は生きている  野田衛 宮川書房
読了 読書メーターと重複

神田の古書イベントで発見。戦後の元高級参謀がどう言う存在だったかは想像するしか無いのだが、終戦後数年間の逃亡?を経て、その間の手記がベストセラーになり、国会議員も務めた。陸士を主席卒業ってことは少なくとも屈指のエリートだったことは事を間違いない。そう言う有名人が冷戦に揺れるラオスで行方不明になった。安否、真相もさることながら当時の三面記事的騒ぎが興味深い。多分本書もその方面の物かと思われる。「中共」って呼称が普通だった時代で東南アジアが東西の綱引きで統治もグチャグチャだったことだけは分かった。サンケイ新聞の記者である著者はその真相を突き止めようとする、って展開で外務省の記録、CIA!からの情報、ゲリラ(これも親米、親左派等でとっても複雑)からの情報収集、最後には香港の秘密結社を名乗る情報屋と謝礼の交渉とかも出て来て、ゴルゴ13もどきの世界が現出する。歴史の真相に迫る訳では無いが、眉に唾を付けながらウィキペディアを引きながら読了。まぁ珍品ですな。