徐仙日乗

日記、随筆

徐仙日乗 読書 帰ってきたヒトラー ティムール ヴェルメシュ

2020-06-29 19:04:00 | 日記

徐仙日乗 読書 帰ってきたヒトラー 下      

 河出文庫 ティムール・ヴェルメシュ

読了 読書メーターと重複


楽しい!大変面白く、興味深い内容。ドイツに滞在した事がある人ならば、もっと楽しめる筈。「某が実は生きていた!」って話は別に目新しいアイデアでは無いのだが「ヒトラーが現代のドイツに現れてしまった」となると流石に禁忌が多すぎることは十分予測出来るし、結末を心配したりもして、結果ワクワクして読み進めることになる。ヒトラーとかナチスに関しては常識程度なのだが、作者はヒトラーを想像や解釈や評価をせずに、膨大な資料からの引用だけで作り上げていると思う。結果として総統は紳士的で信念を持ち、大衆の扱いに長けた「魅力的」な男として活躍することになる。総統の見た現代ドイツは現代日本とも共通する事が当然あって、便利さと基弱さを改めて思い知らされる。困った、総統が立派な人になってしまうではないか。後書きと注釈で中和される。読後には考える材料が沢山。この手法は現代を相対化する上でとても有効なのではないか、だとするとやはり良書。毒素も含めて。圧巻は矢張り演説シーンで比べちゃいけないけど、我が国の人と比べてしまう。静まり返った聴衆と第一声、コレが凡人には出来ない。


徐仙日乗 読書 黒蜥蜴 江戸川乱歩

2020-06-02 17:45:00 | 日記

徐仙日乗 読書 黒蜥蜴 江戸川乱歩・三島由紀夫


思い出の演劇作品シリーズ。幼い頃・ボチボチ乱歩を読み出していた頃、母親がテレビを指差して「ヨッちゃん、この人本当は男なんだよ」と教えてくれた。乱歩繋がりで声を掛けたのだろう。NHKの劇場中継、暗い画面に女装した丸山明宏と虐められている男の恐ろしい会話が繰り広げられていた。その周りを徘徊する二人の侏儒!演劇の原体験としては余りにも強烈、怖かった。その後芝居を志し入った劇団の主宰者は奇しくもテレビで観た芝居の演出者であった。更に幸運な事に程なくして三島版「黒蜥蜴」の製作現場に立ち会う機会を得た。確か初めてギャラを貰った仕事だったと思う。そのお金でストップウォッチを買った。但し黒蜥蜴は小川真由美さん。その後美輪明宏版を客で観劇。大ファンにして製作にも関われた。幸運な出会いだったと思っている。小説を読むと三島流の劇化テクニック、演劇観を知ることが出来る。


徐仙日乗 読書 月別まとめ

2020-06-02 17:42:00 | 日記
2020年6月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:892ページ
ナイス数:381ナイス

https://bookmeter.com/users/111107/summary/monthly
■帰ってきたヒトラー 下 (河出文庫)
楽しい!大変面白く、興味深い内容。ドイツに滞在した事がある人ならば、もっと楽しめる筈。「某が実は生きていた!」って話は別に目新しいアイデアでは無いのだが「ヒトラーが現代のドイツに現れてしまった」となると流石に禁忌が多すぎることは十分予測出来るし、結末を心配したりもして、結果ワクワクして読み進めることになる。ヒトラーとかナチスに関しては常識程度なのだが、作者はヒトラーを想像や解釈や評価をせずに、膨大な資料からの引用だけで作り上げていると思う。続く
読了日:06月29日 著者:ティムール・ヴェルメシュ