徐仙日乗

日記、随筆

徐仙日乗 読書 喫茶店の時代 林哲夫

2020-09-27 09:45:00 | 日記

喫茶店の時代  林哲夫 ちくま文庫

読了 読書メーターと重複


この著者は初読み。喫茶、珈琲の受容史から始まり、サロンとしての喫茶店の隆盛、変貌を概括している。取り止めがないとも言えるが、小生が知りたかったカフェとかミルクホールについての証言が興味深い。珈琲の受容とか文芸、芸術活動の溜まり場、「喫茶店の歴史」は創造活動の歴史でもあったのだ。名を成した人、成せなかった幾多の人々の「無為な時間」を喫茶店は提供してきたのであろう。この本の凄い所は纏まった資料などあろう筈のない分野にも関わらず引用元を律儀に上げてある点で注の量が半端じゃない。その一覧で著者に好意を持った位である。最後の章で小生の知る喫茶店文化が出てくる。ノーパン喫茶も有り、小生は一度だけ行った事がある。ジャズ喫茶、名曲喫茶の敷居の高さを思い出した。良書です。