徐仙日乗

日記、随筆

徐仙日乗 読書 パリわずらい 江戸わずらい 浅田次郎

2020-02-12 20:30:00 | 日記

徐仙日乗 読書 パリわずらい 江戸わずらい  浅田次郎 集英社文庫

読了 読書メーターと重複


多作の大人気作家にしてペンクラブ会長のエッセイ。JALの機内誌に連載された物らしい。内容も気のおけない、飛行機の中で色々サービスを受けながら、豪華な広告の合間にパラパラとめくるのに格好の量と内容って感じ。結構な割合で体重制限の話が出てくる。喧嘩したり罵声を浴びせたりと、まあ、著作について来る写真を裏切らない強面の一面があるみたいで、文学者ではなく作家が相応しいヒトなのだなぁと納得。エッセイに出てこない場面では粛々と升目を埋める作業をしているのだろう。これを読むことによって今まで読んだ浅田作品に新しい要素を発見することは、、、殆ど無かった。関係無いって事には意味があるのかも知れない。他の作家、例えば宮部みゆきとか。


徐仙日乗 読書 やっさもっさ 獅子文六

2020-02-11 20:00:00 | 日記

徐仙日乗 読書 やっさもっさ 獅子文六  

ちくま文庫

読了 読書メーターと重複


「やっさもっさ」って言葉は江戸時代からあったらしいが全く知らなかった。まぁ語感で分かるのだけど。作者の造語かと思っていた。自由学校とてんやわんやと本作で戦後日本を描いた三部作とされているらしい。「自由、学校、てんやわんや、やっさもっさ」と並べると何やら意味ありげで文六センセの顔が浮かんで来るような?大きな柱は横浜の歴史・戦後復興と混血孤児。サンダースホームは子どもの頃有名だった。女主人公の価値観、行動力、目的意識はこの頃では相当斬新だったのでは、時代の先取りをしていたと思う。映画では淡島千景が演じた。あと知らなかったのは占領時代の実相。中枢がほとんど接収され復興もままならなかったらしい。基地に吸い取られた様な戦後・横浜は沖縄とかぶる。知ってそうで知らなかった横浜の歴史が描かれている。市内とはいえ長いこと住んだ保土ヶ谷なんて別の文化圏だったようだ。


徐仙日乗 読書 月別まとめ

2020-02-02 08:10:00 | 日記
徐仙日乗 読書 月別まとめ

1月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1564
ナイス数:433

お嬢さん放浪記 (角川文庫)お嬢さん放浪記 (角川文庫)感想
1957発表。最初の本にしてベストセラーを記録したらしい。1948の渡米、結核療養を克服して念願の(彼女の志向と思いは自叙伝などで窺える)ヨーロッパ留学を果たす。この辺りの各国での生活、活動のレポートといってもいい。全編に溢れる明るさ、明晰さ、学びの姿勢に曇りはなく読後感も爽やか。自叙伝の予備知識と併せると、その印象は更に深みを増す。カソリックの信仰と実際の活動はよく分からないのだが「人の為に働く」長い伝統に裏打ちされているネットワークは強固な様だ。続く
読了日:01月28日 著者:犬養 道子
花々と星々と (中公文庫 M 7)花々と星々と (中公文庫 M 7)感想
まぁ読んでみて下さい、日本の近代史と雰囲気、例えば大正デモクラシーと呼ばれた明るさとか、戦後に起きた軍国主義への嫌悪感とかを知らないとちょっと苦しいかも知れないけど。面白かったとしか言いようが無い。発表は70年代で小生は学生だったけど、全く知らなかった、まぁ他に読むべき本が沢山あった所為だが。また、当時読んだとしても今日の様な感想を抱いたかどうかは疑問であって、それだけに「出版当時の書評」を知りたいと云う思いが募る。
読了日:01月21日 著者:犬養 道子
亜剌比亜人エルアフイ亜剌比亜人エルアフイ感想
娘の道子によると上品でリベラルで知性溢れる父親として描かれている。戦時中はチャイナとの秘密和平工作に奔走している。戦後は法務大臣も務めた。それでいて若い頃は小説家としても活動。アムステルダム五輪・マラソン金メダリストの青年がチュニジアを訪れたアンドレ・ジイドの思い出を語る、アンドレ・ジイドの人と思想紹介って趣か。カソリックとの関連にも言及している。
読了日:01月07日 著者:犬養 健
ある歴史の娘 (中公文庫 M 7-8)ある歴史の娘 (中公文庫 M 7-8)感想
著者の犬養道子は名前だけは知っていた。母親が読んでいたのかも知れない。
森達也のクォン・デ―もう一人のラストエンペラー (角川文庫)絡みで本書を知り、購入した次第。一応自伝てな分類になるのだろうが、著者の円熟と読者の欲求の結果、誠に不思議な本になっている。各章が歴史のトピックを背景にして若き著者が思い悩むのだが、これがすこぶる小説的で、重厚な印象を与える。文章とか構成、表現が如何にも70年代を思わせる生真面目さが有る。ある意味では懐かしいとも言える。続く
読了日:01月07日 著者:犬養 道子
膝を打つ 丸谷才一エッセイ傑作選2 (文春文庫)膝を打つ 丸谷才一エッセイ傑作選2 (文春文庫)感想
読了から大分経っている。後期というか対談が多い。並べて見ると良くも悪くも著者が大物になっているのが分かる。英語、翻訳関係から和歌、日本古典が専門?になった感が有り、教養の積み重ねが凄い。話題の振りに出典を示していて、本の紹介てな側面の時代もあった。対談を並べて見ると各人との綱引きが透けて見えるのも興味深い。まぁ「丸谷さんに売り出して貰っている感」とか。ジョイスも新古今和歌集も勉強してないので、その分は損した感もあったなぁと。続き
読了日:01月05日 著者:丸谷 才一

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