徐仙日乗

日記、随筆

徐仙日乗 読書

2013-06-30 11:10:57 | 日記
丸谷才一「女性対男性」

「実をいうと、再読してません。それどころか、手元にもない。古い文庫で、雑文とあれば手に入れるのが、むつかしそう。Amazon古書で250円位みたいですなぁ。読了した記憶がある物全てを登録しているので、こういう事もある。心に残る一冊って奴で、この間読んだ丸谷エッセイの解説で鹿島茂さんが「丸谷才一の原体験」として本書を上げていたので、嬉しさの余りコメントした次第。このコラムが女性週刊誌に連載されてた、とは新情報であった。兎に角洒落てるなぁ、大人の読み物だなぁ、と感心したのを憶えている。これ以上は、、、まあ講談社文庫「人間的なアルファベット」巻末をお読み下さい。」/読書メーター

http://i.bookmeter.com/b/4167138026

中里介山「大菩薩峠6」青空文庫

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徐仙日乗

2013-06-28 16:54:23 | 日記
読書/読書メーター/ヨーイチ

丸谷才一のエッセイは愛読書と言える。始めて読んだのが多分、高校時代か?思えば長い付き合いである。気取って云えば談論の楽しみと云うものがあって(要するに、居酒屋とか喫茶店で気心の知れた友人と語らう事?)、語り合う相手がいて条件が揃ったときの愉しさは、格別な物がある。丸谷エッセイは書物でそういった愉しさを与えてくれる事があるので、長い付き合いになったのだと思う。作者は、豊穣な読書体験を披歴するのだが、本当の値打ちはその先で、思わぬ資料同士を想像力で組合せ、絶妙の語り口を以て我々に提供してくれる。最後は見事なオチが。「物知り」という敬称は、ネット時代になって段々使われなくなって行くのであろうが、いくら検索を繰り返しても教養は身に付かないと思う。さて、硬くて紋切り型のコメントになってしまったのは、作者に対しても申し訳ない気がするが、ご寛容のほどを。最後の挨拶も心に染みた。なお巻末の解説を鹿島茂さんが担当している。これが値打ち物で、丸谷ファンには是非一読して欲しい。鹿島さん、出来れば、襲名して跡を継いでくれません?

徐仙日乗

2013-06-28 00:03:56 | 日記
K氏について
其の弐 環境
とある地方都市の郊外。バスやキッチンと云うより風呂、台所と呼ぶ方が相応しい3DKのアパート。出稼ぎのために会社が用意して呉れたヤサに、職を求めた様々な男たちが集う。ことさら荒涼さを強調する積もりはないが、職業によっては、ありふれた現実であろう。Kとは六畳間で三畳づつを分け合うわたしの同僚の事である。Kに話かけることは、殆ど無いし、向こうからも同様である。向こうがどう思っているのかは知る由も無いが、同衾の様な環境が約二ヶ月続いて居るにも関わらず、この様な有り様である、と云うことは、おそらくずっとそうなのだろう。因みに私は話掛け過ぎて、場合によっては人によっては嫌われてきたかもしれないタイプである。人間関係の基本として社交が大切だと思っているのだか、Kの考える人間関係はどうやら違っているらしい。仲違いをしているわけでも無いのに、この寒々とした無関心は一体なんなのか。以降Kの行状、言動を思い出し乍ら、実像に迫って見ようと思うのだ。

徐仙日乗

2013-06-26 04:20:26 | 日記
K氏について
其の壱 前口上
世を上げてイジメやパワハラの告発、犯人探しが盛んなご時世に竿差す様で申し訳ないが、昔から人の悪口が大好きだった。人物評になるよう、心掛けてはいるものの、面白くなければこんな手間ヒマは掛けないワケで、その基本姿勢は「面白い事物を見た、経験した事を報告する」と云う事になる筈だ。ただ厄介なのは、観察対象が一応人間なので(これも悪口なのだが)刻々変化する、好悪の感情をコントロールしなければならない事だろう。「他人の行動が奇行に見えるのは本人の想像力の貧困さに他ならない(永六輔.主意)」小生は「想像力豊かなヒトでありたい」と、心掛けているので、呆れたり笑い飛ばしながらこういったヒトとも付き合おうと思う。
誠に人の中身は複雑で、突飛な行動も本人にとっては自明な事なのだろうが、「困ったちゃん」は大威張りで世間を闊歩しているのである。


徐仙日乗

2013-06-25 10:04:50 | 日記
司馬遼太郎作「大盗禅師」読了。解説で触れているが、作者が全集への採録を断った作品との事。確かに国民作家としての盛名以降の司馬作品とは違っている、何せ幻術とか仙術が出てきちゃう。小生が司馬作品に期待するのが、物語よりも作者による歴史解説であった事を再認識する。本作では江戸初期の浪人対策とか大陸での明末の情勢が興味深い。和藤内(歌舞伎好きとしてはこう呼んでしまう)と倭寇の活動は日本の歴史の中で例外的なダイナミズムに満ちており、想像するだにワクワクする。それを抑え込んだ徳川幕府も凄い物だが、太平と引き換えに箱庭の様な文化と外交音痴が成立してしまったと言えよう。戦国時代から徳川幕府初期のエネルギーに満ちた時代、尖閣問題で揺れる現代との関連が想起される。ましてやチャイナも含まれるので仲々興味深い。それにしても鄭成功と由井正雪、山田風太郎とか北方謙三辺りが書いてないかしら?知ってる人はご教示の程を。