徐仙日乗 読書 機巧のイヴ 帝都浪漫篇 乾緑郎 新潮文庫
読了 読書メーターと重複
新世界覚醒篇と本作を続けて読む。言い尽くされているがロボット物、異世界物でアクション・娯楽要素が満載。IC基板、チップでは無く歯車とかゼンマイで知能もある生き人形が存在するって発想で勝負有り。小生的にはSFって括りはしたくない。かと言って魔法や超能力が出てくるわけでもない。こう云う設定に落ち着かざるを得なかったのではないか。想像だが最初の伊武が好評だったので、二作目以降が企画されたって気がする。別な物と考えれば「作者がすっ飛ばしている箇所」も気にならなくなる。これ丹念に描くと大変な事になるし、別のテイストになりそう。メロドラマとアクション映画風の展開は読み易くサクサク進む。伊武の活躍が少ないのは寂しいが、メンテナンスを必要とする機巧人形の戦闘力、ヒットポイントを考えると、彼女の役割は「勇者に助けられるお姫様」が相応しい。女が矢鱈強くなった業界でこれは返って新鮮なのではないか。ともあれ素晴らしい終章をもって伊武の物語は終わりを告げる。