どうですかこの写真のかき氷、山盛りのかき氷にたっぷりのシロップ。これこそ僕が待ち望んでいたかき氷です。こう毎日暑いと、ザックザックとかき氷を口の中にかき込みたくなります。
ではこの立派なかき氷をどこで食べる事が出来るか?場所は埼玉県秩父郡にある阿左美冷蔵さんです。あの長瀞のライン下りで有名な、長瀞駅の近くにあるかき氷屋さんです。実はここのかき氷は、天然氷で作られたかき氷なのです。創業明治24年の天然氷蔵元・阿左美冷蔵では、瀞宝登山の源流水を真冬に凍らせ、昔ながらの製法で氷室で寝かせて、夏の暑い日にかき氷として登場するわけです。
秩父方面から来た風景
車だと国道140号を長瀞駅口から秩父方面に向かい、直ぐ左側に看板があります。そこの狭い入り口を入ると駐車場があります。何か昔の家と言うか、本当にここがかき氷屋なのかと思わせるつくりです。そして風に揺れる暖簾をくぐり、恐る恐る中に進んで見ると、庭に椅子とテーブルがあり、今で言うオープンテラス?とでも言う感じです。そこは庭を囲むように緑に覆われ、昔の昭和の家がそのまま残されていて、風情があり尚且つ何か懐かしさを感じさせてくれます。庭の隅には、チョロチョロと水が流れていて、静かな情景にのどかな効果音を演出していました。
早速かき氷を注文することにしました。勿論上にかけるシロップを選ぶわけですが、普段目にする事のないう独自のシロップのようで、どれにするか迷ってしまいます。そして白桃と里のぶどうを頼みました。
待つこと数分で写真のような山盛りのかき氷が登場しました。さすがに僕もこんなに凄いとは思っていなく、思わず「オー」と言ってしまいました。多分皆さんも声に出さないまでも、そう思う事でしょう?確かに量の多さもそうですが、かき氷のきめの細かさが、見た目で直ぐに分かります。僕自身こんなかき氷は、今まで出会った事はありません。僕のかき氷のイメージは、ザックザックの氷で先端が尖っていて、口の中に刺さりそうな良くあるかき氷を想像していました。
そのきめ細かそうなかき氷を食べる事にします。氷が崩れないように、慎重にスプーンを差し込みます。そしてひとすくい口の中に入れると、思っていた以上にサラサラで、やんわりと口の中に溶けて行きました。シロップもたっぷりかかっていて、里のぶどうの深みのある甘さがサイコーです。白桃は口に入れた瞬間よく分かりませんが、まろやかな甘さがスーと後から感じられます。天然氷のかき氷をはじめて食べましたが、かき氷がこんなに美味しい物とは思いませんでした。サラサラで喉の奥まで行く前に溶けてしまうので、たくさん食べても頭がキ~ンと来ません。でもかき込むように食べるともしかして・・・・。折角の天然氷のかき氷と独自のシロップなので、じっくり味わって食べましょう。
かき氷の量が多いので、じっくり周りの風景に眺めながら食べていました。あたりで蝉が鳴きレトロな家を見ていると、何か田舎のおばあちゃんの家に来て、庭でくつろいでいるそんな情景を思い出します。かき氷は勿論ですが、昔を懐かしみに訪れて見るのもいいかも。
余談ですが、氷屋さんで思い出すのが、「三丁目の夕日」でピエール瀧さん演じる氷屋さんが、電気式冷蔵庫が普及し始めて鈴木オートもその冷蔵庫を買いました。そして旧式の氷式冷蔵庫が、家の裏に捨てられているのを見て、氷屋さん(ピエール瀧)が時代の流れとガッカリしている様子を思い出します。そんな時代の流れの中で、阿左美冷蔵さんは昔の伝統を守ってきている事が凄いと思います。
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