時戻素

昔の跡,やがてなくなる予定のもの,変化していくもの,自身の旅の跡など・・・

(No.138)  学校安全神話の崩壊日

2009年06月08日 23時58分01秒 | 現在の中の過去
 別の内容を途中まで作成していたが,時事的な話題の方へ切り替えた。現地訪問も当日に気が変わって15時過ぎになってからしたため,構成に問題があるかもしれないが,必要に応じて後から編集したい。報道もされていたように,秋葉原の通り魔と大阪の附属小学校での進入犯による殺害・傷害事件が起きた日だ。

 今回の記事で取り上げるのは後者の方だ。事件が起こったのは2001年なので,もう8年前だ。中学校の帰り道,友達と自分があの現場の教師だったらどうするかという話をしながら下校していたことが記憶に残っている。
 学校の安全神話を崩壊させたこの事件の影響は全国の学校にまで及んでいる。校門の閉鎖,警備員の設置など,かつての学校とは雰囲気が変わってしまった。このブログでも校門をテーマにした記事を書いた。
 しかし,大阪へ来てすぐ事件の発生場所と市は異なるのだが,同じ府内ということもあってか学校の要塞化を感じてしまった。それを最初に感じさせられたのがこの中学校。


(2009年6月8日撮影)

 国道沿いに沿って写真奥の方へ歩いていた。初めは校庭の様子も見えたが,ブロック塀の部分になると,校内の様子は全く分からなくなった。

 角のところまで来て右に曲がった。


(2009年6月8日撮影)

 こちらはほぼ全てブロック塀だった。
 途中からは有刺鉄線も塀の上部に付けられていた。
 
 安全対策として,中の様子も伺えないようにしているのかと思った。確かに侵入以外にも門の外から行える嫌がらせもあるだろうし,性的な目的での校内観察という事態も起こるのかもしれないと感じていた。自分自身,体育の授業や部活などの様子を通りながら眺めては(もちろんまじまじと見ることはないが・・・),なぜかほっとした気分にさせられることが多かったのでこの現状は残念だった。

 しかし,数日後この学校が外部からの視線を完全にカットしているわけではなかったことを知る。先述の2辺を除いては,敷地内外を分けるものは学校の中が見える柵になっていた。


(2009年6月8日撮影)


 校門。


(2009年6月8日撮影)

 門の端にインターホンが取り付けられているが,こちらの面を見ると要塞とは程遠いものだった。
 要塞化の誤解は他の中学校を見ても分かった。


(2009年6月8日撮影)

 道路を挟んで両側とも中学校の敷地になっている。向かって右側が運動場で,運動場へ行くには道路を渡る必要がある。通行者に対して,徐行を促す看板もある。

 校門の様子。

(2009年6月8日撮影)


 同じくインターホンはあるが,可視性は高い。

 また門のない小・中学校もある。


(2009年6月8日撮影)

 道路に面していきなり校舎の入口がある。
 もちろん,インターホンがあり,校舎へは用なく入ることはできない仕組みになっている。

 事件現場から近いこともあって,インターホンの設置がほとんどの学校で行われている点で,以前の記事で取り上げた学校や自分の出身地における学校などとは性格が異なる。

 以上は写真の撮影日は今日であるが,普段から感じていた学校の安全を守るための取り組みだった。
 事件現場となった小学校では,センサー,監視カメラ,ガラス張りの事務室,IDカード,教室の配置など他の学校とは別格の装備があるようだ。しかし,当日午後3時過ぎから行こうと思えるような場所ではないので,似たような条件の大学の附属学校2ヶ所の校門の様子を見に行った。

 まず,繁華街に比較的近い中学校。

(2009年6月8日撮影)

 写真には写っていないが,道路では警備員さんが車の誘導をしていた。

 その中学校(実際は高校も)に隣接している大学の門。


(2009年6月8日撮影)

 中は中学校や高校につながっていることもあり,警備員さんが居て,学生は学生証を,外部者は記帳を求められる。最近犯人が捕まった中央大学での事件や以前のこの記事のように誰でもチェックなく,キャンパス内へ立ち入れることの多い大学の中では特殊な環境かもしれない。同じ大学の別のキャンパスは,入構のチェックはしていない。

 先程の学校とは違い,住宅地の中にある小学校。


(2009年6月8日撮影)

 門にはインターホン,中には警備員の詰め所がある。
 フェンスには有刺鉄線も付けられていた。

 道路を挟んだ反対側の中学校と高校。

(2009年6月8日撮影)

 まだ部活をしている時間で,門は開いていたが警備員さんがまだ立っていた。
 
 裏側の運動場側の門。

(2009年6月8日撮影)

 しっかりと閉ざされ,横のフェンスには有刺鉄線がある。

 細かい設備までは分からなかったが,他の公立学校よりは厳重な印象を受けた。

 
 門を閉ざすことで,不審者の侵入・生徒児童の抜け出しなどを防ぐことへの効果はかなり期待できるだろう。しかし,あまりにも閉ざされすぎてしまっては,学校が関係者以外に全く見えない世界となってしまう。ここまで行ってしまっては逆に安全ではなくなってしまう。本来,あってはならないことであるが学校の内部者が行う暴行などがないわけではない。同時に保護者以外の地域の人々とのつながりを持つことも,学校から出た子どもの教育に有効だろう。難しいことではあるが両者の絶妙なバランスが真の学校の安全につながるのかもしれない。

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