11人の侍

「生きている間に日本がワールドカップを掲げる瞬間をみたい」ひとたちの為のブログ

傑出するナカナカと老獪さの欠如

2006年03月01日 00時48分19秒 | サッカー
結局のところ日本は中村俊輔のマジックと中田英寿の支配力によるチームだ

2006年年始の話題を独占した久保竜彦だったけど
期待通りの働きとはいかなかった

ひとりファーストクラスの飛行機に乗り込みやってきた久保は
まるで高級リムジンで夜の街にやってきたかのように貫禄たっぷりだったけれど
肝心な財布を忘れてきたようだ

只者じゃない雰囲気こそ感じさせるものの
実際になにかを起こすことはなかった

終了間際の劇的な同点弾で再び勝負強さは証明した

でも僕が驚いたのはW杯まで残り4ヶ月を切ったのにも関わらず
日本代表の戦略がまるで統一されていないことだ

日本の最大の武器といえば中村のキックだけど
ゴール付近でセットプレイのチャンスを得るのに前半終了間際まで待たなければならなかった
(その中村のコーナーキックから高原直泰が先制のヘディングを沈めている)
もったいないはなしだ
なかなか出番が回ってこない中村はかなりの時間
ただ中盤あたりをうろうろすることに費やしている

プレミアシップでプレイする中田は序盤から楔のパスやロングパスなどの
積極的なプレイでチームを引っ張ったけれど
リスクを省みないぶん中盤で数的不利を招くことも多かった
中村や小笠原満男は大抵、中田よりも前にいるのだから当然だ

試合運びの主導権は主将の宮本恒靖でなく中田にある
そして両者のディフェンスに関する意識の隔たりはかなり大きい
その差が中盤で空くスペースの大きさとして現れていた

対照的にW杯出場権のないボスニア・ヘルツェゴビナは
チームの意識が統一されていた

ツートップの高原や久保にボールが入ると必ずファールしてディレイさせる
しかもそれは極力ゴールから遠い位置に限ると決められていた
そうしてその都度高い守備壁を築いておけば
日本の攻撃の脅威は避けられる

攻撃ではキープ力のあるバルバレスに度々ボールをあわせ
無理ならばファールを獲得してパワープレイで勝負してきた

オーストラリアやクロアチアもきっと似たような戦いを挑んでくることだろう


ホームの利を甘受したバルバレスのPK獲得は完全にシュミレーションで
汚いといえば汚いんだけど
同点に追いつくことに成功したわけだから老獪といったほうが正しいだろう

個人的には理不尽な判定にはたとえ警告を貰うことになっても
しつこく食い下がるべきだと思う

そうした役回りは日本では三都主アレサンドロ以外に誰もやりたがらないけれど
試合を優位に運ぶため
ひいては勝利のためには絶対に必要なことだ