硯水亭歳時記

千年前の日本 千年後の日本 つなぐのはあなた

   東京へ飛散した放射性物質と闘おう!

2011年06月30日 | エッセイ

我が家の茶室 待合への扉

 

 

東京へ飛散した放射性物質と闘おう!

~東京人の闘い (その一)~

 

  •  今日は『夏越の祓いの日』。一年が二つに分けられていた古い証拠である。妻も子供たちと愛犬を連れ、愛宕神社に行き、「茅の輪くぐり」をし、お祓いを受けて帰ってきた。お参りする時の、神妙な妻や子供たちが特別に可愛いかった。戸外でウッカリ遊ばせられない今日、近所の子供たちも一緒に車に乗って、郊外に時々行く。僕が公園デビューした時に知り合った近所の子たちやお母さんたちも一緒に連れてだ。先日は高幡不動から高尾までで、さすがに急に戸外に出ると、どの子もとっても嬉しそう。やはり適時養育、或いは適時教育といったものがあるのだろう。勿論愛犬も一緒で、他の子たちの愛犬も一緒に跳ねる。マスクと、水筒と、麦藁帽子と、長袖でも涼しげな服装は必須アイテムで、熱中症にも気をつけなければならず、林間の木陰を主に選ぶ。但し必ず線量計測してから遊ぶことになる。通常午前中の涼しい時間帯に行くのだが、子供たちもワワンたちも皆大喜びで駆け回り、生き生きとした光景は実にいいものである。その行動範囲は箱根や熱海や青梅や日の出町まで半径100キロにも及び、高速料金が通常に戻ってから割と楽に早く行けるからいい。無論10人乗りのミニバスで行くことになるが構わん。処で東京都の下水処理施設で、特に江戸川区や大田区などでの塵焼却施設では、主灰の他に出る風塵灰の値は基準値の8000ベクレルを遥かに超え、1万5千~2万4千ベクレル(/1㎏当り)も出ているから、家庭の塵の中で何がそうなっているのか実際には分かっていないのが実状。そうなると、かの飯舘村の条件と同様になるように思われるが、そんなに心配したことではないのだろうか。但し今後も、当局の精査を現在も求めている。帰宅時に、ウガイや手洗いが当然で、場合によっては全身シャワーし除洗したいところである。
  •  葉物野菜は悉く水洗いをすべきである。すると70%~80%の割合で、放射性物質を除去出来る。更に根元を少々多めに切るといい。生野菜は避け、極力温野菜を作るようにしたい。炒め物も下茹でしたものを使用し、あっさりと炒めたい。根野菜はなるべく厚めに表皮を切り取ることをお薦めしたいが、出来るなら表皮がついたまま下茹し、湯を流し、その後表皮を厚く剥けば完璧だと言えよう。肉類はパックで売っている細かいカット肉ではなく、ブロックのまま購入し、トリミング(肉の表面を削る作業)をすべきだが、同じ包丁や同じ俎板でやるべきではなく、それぞれ最低でも三丁欲しいし、俎板も然りである。カット面の関係があるからである。内臓関係の肉類は薦めない。ましてや内臓の生肉は避けるべきである。魚類は原発から300キロ圏内の川魚は避けたいもので、特に鮎は中部から関西方面のを食べるべきとお薦めしたい。海中の魚は小魚をなるべく避け、中型魚以上の魚を対象にすべきで、塩焼きは避け、煮魚をし、煮汁は極力捨てることに徹したい。無論カシラの部分を全部取り、尾の部分も切り取り、腹ワタをすべて取り除き、血アイも取るべきかと思う。飲み水は各地の湧き水をお薦めしたい。当家では北海道のニセコ・アンヌプリ(羊蹄山)の湧き水を直送して戴いて愛用しているが、ともかく各地の湧水がお薦めだ。お風呂やトイレや植物の水遣りは都の水道水で充分。かくして調理法は少々狭い範囲になるが、幼児や妊産婦や30歳未満の子たちを守るために、今ここにある危機として、当然なすべきなことであろう。要するに適度な運動により汗をかき、新陳代謝を高め、普通に健康な食事にすべきである。このことこそ、私たちが自分で出来る内部被曝、外部被曝から逃れる道ではなかろうか。
  •  ヨウ素は甲状腺ガンのもとになるので、ヨウ素の値が高ければ、摂取すべきではない。だが一般的には尿や便で放出されるはずであり、半減期という恐怖の数字の心配はさほど必要にないようだ。セシウムも又然りである。プルトニウムやストロンチウムなど、他の人工的に出来た放射性物質が飛来することは少ないだろう。ここ東京・広尾は福島原発からほぼ230キロ離れているし、更に何故かと言えば、それらの物質は金属性物質だからで、原発付近20キロ圏内には心配は当然だが、遠方では今のところさほど心配する必要はないように思う。年間被曝量は20ミリシーベルトと言うのが政府見解(20ミリシーベルトなんて論外)であるが、出来る限り外部も内部も被曝しないことにこしたことはない。小出裕章(京都大学助教)氏が提唱していることは、被曝量などに安全値など絶対にないという見解に大賛成だが、ホットスポットも、かのチェルノブイリ原発事故で出来たホットスポットの有り様を見れば、とんでもない場所にまで広がっている証拠があるのだから、小出先生の言い分は当然の帰結である。お茶の木は葉っぱがよく土中のカリウムを吸い上げることに、お茶の木の大なる特徴があり、カリウムと間違えて、ヨウ素やセシウムも取り込んでしまうのである。従って現在出荷制限を受けている地域の新茶は出回っていないはずでも、これも今のところは生産地域を出来れば選別する必要がありそうである。
  •  子供たちを遊ばせるのに、芝生は今のところ割合安全だが、苔類や砂場は取り分け心配である。当家の盆栽園には始終エアテントがあるから、Googleの地上地図で確認出来ないぐらいだが、それでも盆栽の苔の部分はやや危険だったと申し上げておこう。更に高い樹木の根元付近や、高いビルの原発方向壁面の下部が割りと線量が高く、どのお宅でも雨樋の部分は必ず危険な場所と思い込むほうがいい。そもそも水素爆発した時に、放射線物質の殆どが発生し、風に乗り飛来し、雨とともに落下してきたものである。地形も大いに関係がある。現在の放射性物質飛来の値はかなり低くなっているが、それでも何処の下水溝やU字溝も要注意である。線量はまだまだ高い値だからである。そのまま土中に吸い込ませる雨樋の場合は土を広く深く削り取る必要がありそうだ。年間被曝量を仮に1ミリシーベルト被曝と限定した場合、0,0284マイクロシーベルト(/1時間当たり)以下でなければならない。そうでなければ、放射性物質の飛来を自己管理や自己防衛する方法がないはずであるからだ。自己責任において、健康管理を万全にし、調理法を工夫し、外出時の服装を管理すべきで、放射性物質を、真正面から受けて、断固闘おうではありませんか。これは不可能ではないはずです。
  •  兎に角政府見解は、アテにしないほうが得策である。自分たち自身で、子供たちを防御する以外はないものとしたい。放射性物質の特徴を出来るだけ広い範囲で、自分たちなりに徹底的に調べ上げ、自己防御したいわけである。些細な基準値でも癌発生の一因となり、子供たちの将来に禍根を残したくないのが親として当然の使命であろう。放射性物質はとかく遺伝子損傷の危険が怖いからである。末代まで続く恐れがあるからだ。テレビに出ていた星の数もいる放射能の専門家は基本的にはアテにならない。小出先生は別だが、原発推進派や原発神話に加担していた、いやはや多くの放射能権威の先生方の著作があるが、どれが本物か峻別する力も私たちの責任だろう。原子力政策の神話作りも、保安員も、安全委員会も皆、東京大学工学部放射能学科に縦につながっているから、恐ろしい。原発のチェック役も原発推進役も皆、そこに集約されるので、どうぞ慎重なご注意を促したい。東電の場合、今回辞任を余儀なくされた清水元社長の前は、すべて社長は東大出と決められていた。今回の東電株主総会で司会役を務めていた勝俣会長(=東大出で妖怪であり熔解である)は柏崎原発事故で社長を辞任したはずなのに、会長として、今後も君臨し続けるとしたら、東電の体質は全く変わらないだろう。そんな旧態依然とした組織に、いずれ多大な税金が使われるんだったら大問題である。東電執行部を含め、どう体質改善されるのか、心して注視したいところだ。
  •  もう政治的発言をしないと言ったばかりなのに、余りにも怪しいことが罷り通っているので、一つだけどうしても申し上げておきたい。菅総理は、究極の延命策として「脱原発総選挙」などをやる覚悟らしいが、それは絶対に許されないことである。国民的論議を尽くし、脱原発議論を粘り強く推し進めて行くべきで、前原前外相も、それは究極のポピュリズム(大衆迎合)だと批判していたことを冷静に受け止めるべきである。再生可能エネルギーに急にはカジを取れない(電気料金が高くなる)はずだし、一方では海江田経産省が玄海原発再稼動を要請している今日を、どのように説明するのか。ベトナムから原発受注をどうやって収束させるのか、今や国際問題になっているではないか。何一つ(民主党内閣の特徴)説明しないで、かの小泉劇場型総選挙を模索するとしたら、断じて許されるはずがない、このことだけは断固申し上げておかなければならない。

 

父の盆栽 苔に予想外の放射性物質が付着しているから ビニール手袋を進めている