硯水亭歳時記

千年前の日本 千年後の日本 つなぐのはあなた

  何のその百万石も笹の露

2011年06月01日 | エッセイ

梅雨に入って台風一過 庭は花で溢れている

 

 

何のその百万石も笹の露

 

 

圧倒的な民主党の大勝利から、二年を過ぎようとしている。ここから勘違いが始まった。

鳩山内閣の時に、ワシントンで開かれた気候変動サミットで温室ガス25%削減と断言した。

ドービルで開かれたサミットで、太陽光発電を突如言って、世界の失笑を買った。

より安全な原発推進論の総理と、どう整合性が取れるのかという点である。

世界中がそんなことは出来るのかいなと。今再び鳩ぽっぽの同じ轍を踏んでいて、

菅総理の記者会見は海外記者団の前ではなく、日本人記者団と別室で会見を開いた。

裏づけもなく、唐突にホラを吹くのはどうやら民主党々員に蔓延しているらしい。

よく分からない国家だと失笑を買われるのは当然のことであろう。

政権基盤の弱っちい総理に信頼を寄せる各国首脳は皆無であったのは明らかだ。

 

Speedi発表の放射物質飛散予測図 公式発表以前からネットで知られていた

同芯円で決めた浅はかさ 飯舘村で高い線量を計測したのはIAEAの指摘であった

 

米エネルギー省と文科省の合同調査結果

 

菅内閣は当初Speediの発表を誰も知らなかったと嘯いている。

Speediとは文部科学省内にある原子力安全技術センターによって出される、

緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)というシステムのことである。

緊急事態が発生した際に、気象観測情報、アメダス情報と放出核種、放出量等の情報を、

インプットすることにより、6時間先までの希ガスによる外部被曝線量や甲状腺等価線量

などをシミュレーションすることができるものである。

しかも発災当日から一時間おきに、このデータが出されていたのに、

公式的に、この資料が出されたのは二ヵ月後であった。

当然飯舘村などにいた子供たちに内部被爆の恐れがあると言わずばなるまい。

 

一部3月末に公表されたが、あれはリーク以外の何ものでもなかったモノで、

約二ヶ月前、アメリカ軍は3月17日~19日に、飛散マップ作成を済ませている。

従って80キロラインを米国人の避難が勧告されていたのだ。

その秘匿は何だか尖閣諸島の問題と強烈に似ているではないか。

メルト・ダウンの隠蔽やら、こうした情報の遅さや、やることなすこと皆後手後手である。

党首討論会の後で、今日にも菅おろしの最終章・内閣不信任案が出されると言うのに、

こうした危機的状況を逃げ出すわけには行かないと強弁し、飽くまで辞する考えはない。

こうした時期だからこそ、あなたには任せられないと思うのは当然である。

何故なら、今時放射物質の拡散は、我が国だけの問題ではなく、世界の問題だからである。

世界各国から巨額の賠償を求められかねない、由々しき問題でもあるし、

原発を抱えている国家すべてが注意深く見詰めているのである。

 

オーストラリア政府機関の研究所による海洋汚染予測図

 

或いは今後各国とも、原発問題をどう扱って行くべきか、世界で議論が沸騰しているのだ。

weekly誌・「Nature」では時々刻々と毎週注意深く考察され報道されている。

とても隠蔽など出来るはずがないのに、この無能内閣は漸く観念したかのようだが、

悲惨な福島県の被災者を思うと、悪態の尽き放題言いたくなるのが自然だろう。

飯館村にはまだ2,000人の住民が避難していない。牛や馬の養子先を探しているようだ。

私は避難者から頼まれて、櫻塾に犬5頭と猫2匹を引き取った。塾生から可愛がられている。

ロープで縛られ餓死した多くのペットも知っている。ペットだって家族じゃないか。

避難先に何故連れて行けなかったのか悔やまれる。不衛生だからだろうか。

犬・猫専用のちっぽけな屋根つき施設だって作ろうと思えば簡単に作れるはずなのに。

かくも長く不在になる時、ペットはどんなに励ましになることだろう、哀れの極みである。

菅総理の答弁を聞いていると、貴殿には血も涙もないのかと噛みつきたくなってくる。

 

例えば原発事故による内部被爆者の労災を見てみよう。

過去そうした事故によって亡くなられた事例は10件存在する。

最大で190ミリシーベルト、最低で5,5ミリシーベルトでいずれも白血病で亡くなっているが、

現在の政権では、今回年間被曝量の基準を250ミリシーベルトと規定されている。

然も白血病に関してだけ労災が認められているが、あの地獄の建屋に入っている職員の

被曝量を想像すると恐ろしい。何故250ミリシーベルトと断定されたのか不可解。

そして病は白血病だけではないだろう。骨髄腫関係や多数の癌の病があることは明白だ。

過去の事例を無視してまで、本当に労災申請が出来るのか、何の科学的根拠もない。

現地雇用形態の中に居る作業員だって、信頼していない。嘆かわしいほどに程度がある。

 

梅雨空の中にも 多くの花々は さわさわと風にゆれて咲いている

 

視点を変えて菅総理を論じよう。四柱推命というのがある、生・年・月・日により運気や、

人の行動の予測をするものである。中国生まれだが、我が日本で独自に発達した。

我が亡き主人はこれに易学・気学・手相学・人相学を足して、より一層正確なものとし、

彼独自の方鑑帖を科学的に詳細に作成していた。私が一応の後継者である。

 

四柱推命の四柱とは生・年・月・日の、四つの柱のことである。

それさえ分かれば或る程度の運気や運命が分かる。公表されているのは年まわりと月周り。

年は40%、月は30%、日は20%、時刻(生まれた時間)は10%だから、残りは、

菅総理の人相で充分で、彼の運気の推測が出来る。この際これを当て嵌めてみよう。

年は八白土星で、月は三碧木星である。更に人相から推測すると、次のようになる。

 

性格はハッタリ性の典型で明るく繊細で、尚且つリーダーシップもある。相続の相も強い。

仕事は人一倍出来るのだが、お喋り過ぎて、墓穴を掘り易い。人を信用しない性格もある。

頑迷で、恨み型で、裏づけがないことも平気で言う。でも保身性が強いから時として

コロコロと変わり得る。多くの智慧を結集させるのに困難な性格で、宰相の器にあらず。

因みに戦後最も宰相の器があったのは田中角栄、その人である。

 

今回政権延命のために通常国会末にあたる6月末に議会を閉めようとした。

だが超党派(樽床氏や菅氏など)議員の申し入れによって、通年国会を了承したようだ。

当たり前じゃないか!この非常事態に当たりきしゃりきである。シャラクセェ!

これは明らかに延命策の一つに過ぎず、民主党中間派の離脱を恐れただけ。

聞く耳を持たない菅総理は、こうしたねじれ国会を乗り切る方策も度量もない。

谷垣禎一自民党総裁に電話で、電話でだよ!

救国内閣に入って貰えないかと、思いつきでちょいと打診したところ、

電話だけで、大きな局面を直ぐに返事しなければならないとしたら、

自民党役員との相談は当然のこととし、直ぐに返答はし辛いと応えたところ、

あっそうと言い放って、電話を切ったと言う。呆れた果てる申し入れであった。

女の子のふくれっ面と同じ程度なのである。我が家の娘だってあり得ない。

 

おもちゃの風鈴 どんな色にしようかなぁ!

 

今、民主党の菅総理と自民党の谷垣総裁と公明党代表・山口氏と党首討論が終わった。

聞いていたら、やはり菅総理は懲りない御仁らしい。危機感に余りにも乏しい。

現状把握が出来ていない。今夕自民・公明両党は内閣不信任案を出すことが決定的だ。

明日投票されるが、多分否決されるだろう。だが菅内閣が信任されたわけではない。

余りの対応の遅さや、未だに被災者支援が行き届いていない上、民主党内にも大きな

傷跡を残すことだろう。過去の歴史を遡り、こんな無能な内閣はなかったのである。

当然すべての責任は菅総理が負わなければならないのだが負いきれないはずである。

衆議院に多数を占め、大名にでもなっかたのような諸君、いずれは笹の露だろうて。