硯水亭歳時記

千年前の日本 千年後の日本 つなぐのはあなた

   Hot Spot 今そこにある危機

2011年06月08日 | エッセイ

 

チェルノブイリ原発事故のホットスポット図 大掛かりに 或いはポツポツと点在し

遠隔地であっても トンでもない数値が検出されているのだ

尚入場制限区域は 中心点の事故現場から たったの50キロ圏内だけ

 

 

Hot Spot 今そこにある危機

 

 

2011年6月2日、柏市の主婦たちが多くの署名を集めて。市役所に陳情に行った。

柏市や松戸市はホットスポットと言われる放射性物質飛来の高い地域らしいから、

市役所で直ちに放射線量を計測し、内部被曝も視野に入れて、

ビルの屋上にあるようなモニタリングポストではなく、低い場所で綿密な計測をお願いすると

かく言う主婦にしたら当然深刻な話で、テレビでのニュースを興味深く見入っていた。

降雨や降雪や風向きなどで影響され、ホットスポットが出来るのは当然のことで、

枝野の大罪・同心円などでは決してない。Speediがありながら二ヶ月間も隠蔽した。

当家の雨樋でも非常に高い放射線量が計測されたからでもある。

 

そこでチェルノブイリ原発事故で計測されたホットスポットの図表を見てつくづく思い至った。

ホットスポットとは思わぬ地点で計測される高い放射線量のことで、あり得ると考える。

 

そして先日、2011年5月23日参議院行政監視委員会における小出裕章氏の発言を

改めて文字おこししたいと思った。委員会の冒頭での発言は小出裕章京都大学助教!

東北大学出身の原発のスペシャリストで、実に明快な御仁であり、

エネルギー政策としての問題点、高速増殖炉が絶対にできない理由、

福島原発事故の政府の不適当な対応、もんじゅに1兆円つぎ込んだ責任者は

詐欺罪として1万年の刑期に相当するなど、舌鋒鋭く鮮やかに原子力政策を否定していた。

 

原発関連なら絶対お薦めしたい本

 

「今日はこれまで原子力をすすめてきた行政に一言いいたいと思って伺いました。私は原子力に夢を持って原子核工学科に入った人間です。何故そうなったかというと原子力こそ未来のエネルギー源だと思ったからです。原子力は無尽蔵にあるが、石炭や石油は枯渇してしまうから将来は原子力だと信じて入ったのです。しかし、入ってみて分かったのは原子力は大変貧弱なエネルギーだと気が付きました。今このスライドに再生不能エネルギーというものの量を順番にあげていこうと思います。まず1番多い資源は、石炭です。大変膨大に地球上に大変たくさんあることがわかっています。ただし今書いた四角は、究極埋蔵量です。実際に経済的に掘れるとわかっているのは確認埋蔵量と言われてるものなわけですが。この青い部分だけだということになっています。ではこの四角がいったいどれくらいのことを意味しているかというと、右の上に今、ちいちゃな四角を書きましたが、これは世界が一年ごとに使ってるエネルギーの総量です。ということは石炭の現在の確認埋蔵量だけで言っても、あそうですね、数字で書きますとこんなことになりますが、60~70年はあるし、究極埋蔵量が全て使えるとすれば、800年ちかくあると。いうほど石炭はたくさんあると。いうことがすでにわかっている、わけです。その次に天然ガスもあることがわかっている。石油もある。そして、オイルシエール、タールサンドといった現在はあまり使ってない資源もあるということがすでにわかっている、わけです。そして私自身は、はこういう化石燃料と呼ばれているものが、いずれ枯渇してしまうから原子力だと思ったわけですが、原子力の資源であるウランは実はこれしかないのです。石油に比べても数分の一、石炭に比べたら数十分の一しかないという大変貧弱な資源であったわけです。ただ私がこれを言うと原子力を進めてきた行政サイドの方々は、いやそれはちょっと違うんだと。そこに書いたのは核分裂製のウランの資源量だけを書いたろうと。実は、自分たちが原子力で使おうと思ってるのは、核分裂性のウランではなくて、プルトニウムなんだと言うわけです。つまり非核分裂性のウランをプルトニウムに変換して使うから、エネルギーとして意味があることになると。いうことを言っているわけです。どういう事かというとこういうことです。まず、ウランを掘ってくるということはどんな意味でも必要です。それを濃縮とか加工とかいう作業を行って、原子力発電所で燃やすと。これが現在やっていることなわけです。しかしこれをいくらやったところで、今聞いていただいたように、原子力はエネルギー資源にならないのです。そこで原子力を推進している人たちは、実はこんなことではないと言っているわけですね。ウランはもちろん掘ってくるわけですけれども、あるところからプルトニウムというものにして、高速増殖炉と言う特殊な原子炉を作ってプルトニウムをどんどん増殖していくと。でそれを再処理とかしながら、ぐるぐる核燃料サイクルで回しながらエネルギー源にするんだ、と言ったわけです。で最後は高レベル放射線廃物と言う大変厄介なゴミがでてきますので、それをいつか処分しなければいけないという仕事を描いたわけです。ただプルトニウムという物質は地球上には一滴もありませんので仕方がないので、現在の原子力発電所から出てくるプルトニウムというのを再処理して、高速増殖炉を中心とする核燃料サイクルに引き渡すという、こういう構想をねったわけです。しかし、この構想の一番中心は高速増殖炉にあるわけですが、この高速増殖炉御は実はできないのです。日本の高速増殖炉計画がどのように、計画されて破綻して行ったこと言うことを今からこの図に示そうと思います。横軸は1960から2010まで書いてありますが西暦です。何をこれから書くかというと原子力開発利用長期計画というものが出来た年度を横軸にしようと思います。縦軸の方は1980から2060まで数字が書いてありますが、これはそれぞれの原子力開発利用長期計画で高速増殖炉がいつ実用化できるかというふうに考えたかというその見通しの年度を書きます。原子力開発利用長期計画で一番初めに高速増殖炉に触れられたのは第3回の長期計画1968年でした。その時の長期計画では高速増殖炉は1980年代の前半に実用化すると書いてあります。ところがしばらくしましたらそれは難しいということになりまして、次の原子力開発利用長期計画では1990年前後にならないと実用化出来ないというように書き換えました。それもまたできなくて5年経って改訂されたときには高速増殖炉は、2000年前後に実用化すると書き換えたわけです。ところがこれも出来ませんでした。次の改訂では、2010年に実用化すると書きました。これも出来ませんでした。次は2020年台に、もう実用化ではありません、技術体系を確立したいというような目標に変わりました。ところがこれも出来ませんでした。次には2030年には技術体系を確立したい、ということになった。では次の長期計画でどうなったか、というと実は2000年に長期計画の改訂があったのですが、とうとうこの時には年度を示すこともできなくなりました。私はしかたないのでここにバッテンをつけました。そしてまた5年後に長期計画が改定されまして、今度は原子力政策大綱というような大仰な名前に改定されましたが、その改訂では2050年に1機目の高速増殖炉をとにかく作りたいというような計画になってきたわけです。皆さん、この図をどのようにご覧になるでしょうか。私はここに1本の線を引きました。どんどんどんどん目標が逃げていくことが分かっていただけると思います。横軸も縦軸も1マスが10年。で、この線は何を示しているかというと、10年経つと、目標が20年先に逃げるということなのです。10年経って目標が10年先に逃げたら、絶対にたどり着けません。それ以上にひどくて、10年経つと20年先に目標が逃げているわけですから、永遠にこんなモノには辿りつけないという事を分からなければいけないと私は思います。ところがこういう長期計画を作ってきた原子力委員会というところ、あるいはそれを支えてきた行政は一切責任を取らないいうことで今日まで来ているわけです。日本は「もんじゅ」という高速増殖炉の原型炉だけでも、既に1兆円以上のカネを捨ててしまいました。現在の裁判制度で行くと1億円の詐欺をすると1年実刑になるんだそうです。では1兆円の詐欺をしたら何年の実刑を喰らわなければいけないでしょうか。1万年です。原子力委員会、原子力安全委員会、あるいは経産省、通産省、等々、行政に関わった人のなかで「もんじゅ」に責任のある人はいったい何人いるのか、私はよく知りません。でも仮に100人だとすれば一人ひとり100年間実刑を処さなければいけないという、それほどのことをやってきて、結局誰も未だに何の責任もとらないままいるという、そういう事になっているわけです。えー、原子力というばというのは大変異常な世界だと私には思えます。次は、今、現在進行中の福島の事故のことを一言申し上げます。皆さんご存知だろうと思いますけれども、原子力発電というのは、大変膨大な放射能を取り扱うというそういう技術です。いまここに真っ白なスライドがありますが、左の下の方に今私はちいちゃい四角を書こうと思います。書きました。これは何かというと、広島の原爆が爆発したときに燃えたウランの量です。800グラムです。みなさんどなたでも手で持てるというそのくらいのウランが燃えて広島の町が壊滅したわけです。では原子力発電。この電気も原子力発電所から来てるわけですけれども、これをやるためにいったいどのくらいのウランを燃やすかというと、1つの原子力発電所が1年動くたびに、1トンのウランを燃やすと、それほどのことをやっているわけです。つまり、それだけの核分裂生成物という放射性物質をつくりだしながらやってるということになります。原発は機械です。機会がときどき故障をおこしたり事故を起こしたりするのは当たり前のことです。動かすのは人間です。人間は神ではありません。時には誤りをおかすと。当たり前のことなわけです。私たちがどんなに事故が起きてほしくないと願ったところで、破局的事故の可能性は常に残ります。いつか起きるかもしれないと言うことになっているわけです。そこでじゃあ、原子力を推進する人たちはどういう対策をとったかというと、破局的事故はめったに起きない、そんなものを想定することはおかしいと。だから想定不適当という烙印を押して無視してしまうということにしたわけです。どうやって破局的事故が起きないかと言うと、これは中部電力のホームページからとってきた説明の図ですけれども、たくさんの壁があると。放射能を外部に漏らさないための壁があると言っているのですが、このうちで特に重要なのは、第4の壁というところに書いてある原子炉格納容器というものです。巨大な鋼鉄性の容器ですけども、これが、いついかなる時でも放射能をとじこめるというそういう考え方にしたわけです。原子炉立地審査指針というものがあって、その指針に基づいて重大仮想事故という、まぁ、かなり厳しい事故を考えてると彼らはいうわけですけれども、そういう事故では、格納容器という放射能を閉じ込める最後の防壁は、ゼッッタイ(※でっかい声で発言)に壊れないという、そういう仮定になってしまっているのです。絶対に壊れないなら放射能は出るはずがないということになってしまいますので、原子力発電所はいついかなる場合も安全だと、放射能が漏れてくるような事故を考えるのは、想定不適当と。そして想定不適当事故という烙印を押して無視することにしたわけです。ところが実際に、破局的事故はおきて、今現在も行中で収束の見込みがたっておりません。たいへんな悲惨なことが、今、福島を中心に起きているということは、多分皆さんも御承知頂いていることだろうと思います。ただ、その現在進行中の事故にどうやって行政が向き合ってきているかと言う事についても、大変不適切な対応が、私はたくさんあったと思います。防災というものの原則は。危険を大きめに評価してあらかじめ対策をとっていく。住民を守ると。もし危険を過大に評価していたのだとすれば、あ、これが課題だった。でも住人に被害を与えないで良かったと胸をなでおろすという、それが防災の原則だとおもいますが。実は日本の政府がやってきたことは、一貫して事故を過小評価して楽観的な見通しで行動してきました。国際事故評価尺度で、当初レベル4だとかいうようなことを言って、ずーっとその評価を変えない、まぁレベル5といったことは有りましたけれども、最後の最後になって、レベル7だと。あまりにも遅い対応の仕方をする。それから避難区域に関しても、一番初めは3キロの住人を避難指示だす。これは万一のことを考えての指示です、と言ったのです。しかししばらくすると今度、10キロメートルの人たちに避難指示を出しました。その時も、これは万一の時を考えての処置ですと言ったのです。ところがそれからしばらくしたら20キロメートルの人たちに避難の指示を出す。その時もこれは万一を考えての指示です、と。いうようなことを言いながらどんどんどん後手後手に対策がなっていったという経過をだどりました。私は、パニックを避ける唯一の手段は正確な情報を常に公開するという態度だろうと思います。そうして初めて、行政や国が住民から信頼をうける。そしてパニックを回避するのだと私はおもってきたのですが、残念ながら日本の行政はそうではありませんでした。常に情報を隠して危機的な状況でないということを、常に言いたがるということでした。えー、SPEEDIという100億円以上のお金をかけて、25年もかけて築きあげてきた事故時の計算コード???。それすらも隠してしまって住民には知らせないというようなことをやったわけです。それから現在、まだ続いていますが、誰の責任かを明確にしないまま労働者や住民に、犠牲を強制しています。福島の原発で働く労働者の被ばくの限度量をひきあげてしまったり、あるいは住民に対して強制避難をさせる基準を現在の立法府が決めた基準とは全く違ってまた引きあげてしまうと言うようなことをやろうとしている。本当にこんなことをやっていていいのだろうかと、私は思います。現在進行中の福島の、原発事故の本当の被害って、いったいどれだけになるんだろうかと私は考えてしまうと、途方に暮れます。失われる土地というのは、もし現在の日本の法律を厳密に適応するなら、福島県全域といってもいい位の広大な土地を放棄しなければならなくなるとおもいます。それを避けようとすれば、住民の被ばく限度を引き上げるしかなくなりますけれども。そうすれば住民たちは被ばくを強要させるということになります。一次産業は、多分これからものすごい苦難に陥るだろうと思います。農業漁業を中心として商品が売れないということになるだろうと思います。そして住民たちは故郷を追われ、生活が崩壊してくことになるはずだと私は思っています。東京電力に賠償をきちっとさせるという話もありますけれども、東京電力がいくら賠償したところで足りないのです。何度倒産しても多分足りないだろうと思います。日本国が倒産しても、多分あがないきれないほどの被害が、私は出るのだろうと思っています。本当に賠償するなら。ということです。最後になりますが、ガンジーが7つの社会的罪ということを言っていて、彼のお墓にこれが碑文で残っているのだそうです。1番始めは『理念なき政治』です。この場にお集まりの方々は政治に携わっている方ですので、えー、十分にこの言葉をかみしめて頂きたいとおもいます。そのほかたくさん、『労働なき富』、『良心なき快楽』、『人格なき知識』。『道徳なき商業』これは多分、東京電力始めとする電力会社に私は当てはまると思います。そして『人間性なき科学』と。これは私も含めたアカデミズムの世界がこれまで原子力に丸ごと加担してきたということを私はこれで問いたいと思います。最後は献身なき崇拝。宗教お持ちの方はこの言葉もかみしめて頂きたいと思います。えー終りにしますありがとうございました。」

 

細かくて済みません。you tubeで見たままを文字おこしした文章で、

こうした良心的な科学者は排除され続け、今でも助教授なのだから呆れる。

30歳未満の青年から、乳幼児まで、敏感な人ほど被曝しやすいのだ。

被曝線量値など、広島でも検証不可能で、将来起こりうる事態に対処するはずがない。

更に計測器も色々あって、お薦めは私が持っているサーベイメーターであり、

ビル屋上に設置されているモニタリングポストなる計測器では全く不十分である。

主婦の嘆願があってから重い腰をあげるとは不届きも甚だしい。

 

海水浴シーズンとなり、未だに海開きをしていない地域が多い。

そりゃ心配するだろう。菅総理の福島第一原発視察ということさえなかったら、

空白の2時間30分は生まれなかったのである。枝野は菅に対して、

「このタイミングで官邸を離れたら、袋叩きに遭います」と諌めたという。

菅はいらついて、「馬鹿野郎!事態を食い止めるのと、批判されるリスクを考えるのと、

どっちが大事なんだ」と語気を荒げ、決して譲らなかったのである。

 

一方枝野は健康被害は心配ないけれど、出荷制限すると訳の分からぬ記者会見。

結果、菅総理が現場を離れた瞬間、水素爆発がおきた。ベントが遅れたのだ。

原発事故さえも自己の政権延命策にする、この大馬鹿野郎!とっとと辞めちまえ!

 

 

以前『硯水亭歳時記 Ⅱ』で論じた時、

六ヶ所村に移送された使用済み核燃料棒から発生すると思われる低レベル放射線の、

拡散した結果が明らかに高い乳癌発生率であると、このグラフは雄弁に物語っている。

六ヶ所村に核燃料棒が移転された時点から急速に上昇しているではないか。

 

政府機関や自治体にも疑って係り、こうなりゃ自己判断で行動するしかない絶望感で、

我が体内にその気骨が充満してくる。すべての情報開示こそ、政府の為すべきことだ。

この際、冷や飯を食ってきたすべての原発反対論者も仲間に入れた正確なデータを求む。


http://www.youtube.com/watch?v=Cg4MNT9dl30&feature=related

You tube発 小出裕章氏の講演「終焉に向かう原子力」 動画サイト ↑

 

原発事故に対して補償する保険会社は、世界中何処にもない。

東電から政府が代って支払う被災者に対する莫大な補償や海外からも求められたら、

結局日本国民の血税であると、誰もが肝に銘じて欲しい。

メルトダウンどころか、メルトスルーしているのが現在の実態であろう。

何としてもトレンチに貯まった汚染水を海中に出さぬよう、決死の闘いを希う。

 

尚、当「硯水亭歳時記」では

黒潮・親潮の海流利用による発電を強力に提案している。