研究で用いられている純系のマウスは様々な免疫応答がヒトとは異なることが知られている。この論文の著者らは、その原因の一つが純系マウスの腸内細菌叢の違いにあると考え、C57BL/6マウスの胚を野生ネズミに移植するwildling miceを作成した。その結果、例えば CD28-superagonist (CD28SA) に対する反応(マウスでは問題なかったのにヒトでは重篤な副作用を生じた)、敗血症ショックに対する抗TNF-α抗体(マウスのみで有効だった)など、マウスとヒトで異なった結果が出ていた免疫系治療の結果が、wildling miceではよりヒトに近い結果を示すようになった。これらの結果はwildlingを行うことで、マウスにおいてよりヒトに近い免疫研究が可能となる可能性を示すものである。
Science. 2019 Aug 2;365(6452). pii: eaaw4361. doi: 10.1126/science.aaw4361. Epub 2019 Aug 1.
Laboratory mice born to wild mice have natural microbiota and model human immune responses.
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