Sexual parasitismと言ってもヒモのことではありません。ある種のチョウチンアンコウは、小さなオスが大きなメスに付着し、場合によっては完全に融合してしまい、オスは全ての栄養をメスに依存するようになります。まぁそういう意味ではヒモですかね。。これは深海に住んでいるし活動度も低いために、中々オス・メスの出会いの機会がないので、貴重な出会いの場を逃さないためにこのような進化を遂げたようです。肉食系ですな。
これは同種移植のようなものですから、普通はこのような状態になれば、ホスト(メス)側の免疫機構がオスを排除するように働くと思われます。しかし一時的に融合するような種類のチョウチンアンコウでは免疫グロブリンのクラススイッチなどに重要なaicda遺伝子を欠くことで抗体による拒絶反応が生じなくなっていること、そして恒久的に融合する種では主要組織適合遺伝子複合体(MHCタンパク質)の一部が欠損していたり、rag遺伝子の欠損によって免疫の多様性が失われており、そのため免疫的な拒絶が生じないことが明らかになりました。免疫の多様性が必要な理由は、外部からの微生物などの多様な外敵の侵入に対応するためですから、確かに深海ではそのような心配をする必要はなく、それよりはオス・メスが融合する方が種の生存に重要なのかもしれません。チョウチンアンコウは離婚も命がけということですね。(-_-; シミジミ
Swann et al., Science. 2020 Jul 30:eaaz9445. doi: 10.1126/science.aaz9445
https://nazology.net/archives/65753
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