あのコルトを狙え

TOKYO2020 子供たちに負債を(笑)

昭和45年12月 玄岳ロープウェイついに・・・

2009-08-19 22:01:50 | 熱海高原ロープウェイ
熱海新聞 昭和48年10月18日



来春から新会社で再開

名所の少ない観光地熱海で熱海城とともに
(注:熱海城は一度倒産しています)その灯を消すなと
云われていた熱海高原観光のロープウェイが復活することになり
観光施設に従事する人達は勿論、熱海市民にも喜ばしいニュースである。

熱海高原観光は去る四十二年十月に
『伊豆スカイラインと熱海を十分で結ぶジェットコース』
として世界最大百二十一人乗りのロープウェイと約3千種のサボテン公園を
キャッチフレーズに華々しく営業を開始したが、余りにも大規模な施設のため資金回収が
出来ず、経営困難となり四十五年六月五日に社長の○○××氏夫妻が行方不明となり
同八日に事実上の倒産となりその日から一債権者の東京都赤坂永信物産の山崎清氏が
営業を継続したが、同年十二月ロープウェイも創業を停止となった。

だが、熱海市内の債権者の暖かい協力と旧従業員の努力で今年五月、
駅前セントラルホテルで株主総会が開かれ、執行部が誕生し
長洲広氏が代表取締役に就任し、九月二十九日に山崎氏より業務を引き継いだ。

この新しい執行部の誕生で旧従業員が半数以上も復帰し、玄岳ドライブイン、
サボテン公園等で新規巻き直しとばかりに張り切って仕事をしている。

また玄岳まで二千六百五十メートルの距離を空中遊泳するロープウェイも、
現在東電などとの交渉も順調に進み、整備、点検の終わる来春早々には復活する事も
決定している。
このロープウェイも規模を縮小してジャンボで売るんではなく、標高七〇〇メートルの
雄大な景色を見てもらおうというもの。


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営業を再開した昭和45年6月の半年後
12月に再び運転が止った。

それから3年後の昭和48年に新会社として復活への道を模索したが
実現には至らなかったようだ。

最後となった運転が1970年12月の何日だったのかは分からない。
しかし今まで不明とされていた年月だけでも判明した。

昭和40年5月着工
昭和42年10月1日 開業
昭和45年6月9日 運転中止
    7月1日 運転再開 
昭和45年12月 再度運転中止


熱海銀座に今はパチンコ店の駐車場となっている場所がある。
そこに伊東と熱海でみやげ屋を営んでいた「みその」があった痕跡は全くない。

夏、観光客で賑わう熱海。
駐車場となった空間に「みその商店」があった事を知っている人が
今はどれだけいるのだろう。
かつぎ屋から商店に発展させ熱海高原観光を
設立したというのだから相当な実力者だったのだろう。
往時を知る地元の方々も高齢化によりその記憶は薄れていく。

今も残る熱海高原ロープウェイの施設は
山頂駅だった玄岳ドライブインと
天神山駅地下のタイムトンネルだけ。

そしてまた夏の日の家族旅行で伊豆スカイラインを走り
奇抜な姿をさらし廃墟となった駅舎を目にした子供の誰かが
興味を抱くのだろう。
あの時の私がそうだったように。


おわり
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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
繁栄と衰退の熱海温泉 (三州小僧)
2009-08-20 06:59:06
玄岳ドライブインは現在は寂しいかぎりですね。
先日、熱海に行ってきました。
 旅館の部屋の窓をあけ景色を眺める…
 西熱海ホテルの跡地に建築中の建物…
町に出てみる。
 玉乃井旅館の跡地は今だに更地のまま…
寂しい限りです。
しかし射的場や福島屋旅館は大繁盛でした。射的場で遊んだあと店の前でボ~とする。
コルトが目の前を通り過ぎないか目の前の通りを眺める。
ふと見覚えがある店がみえました。
 いました、いました例の3人が…
 この店も今だに頑張ってみえます。
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Unknown (さまひ)
2009-08-24 12:12:23
一連のロープウェイの記事、大変興味深く拝見しておりました。
貴重な調査結果ですので、せっかくですから、是非にこの内容をお借りして、Wikipediaの当該項目を改訂したいと考えていますが、いかがでしょうか?
駅名も今まで正式なのがわからなかったのですが、は山頂が「玄岳」駅、山麓が「天神山」駅でよろしかったでしょうか?
返信する
ロープウェイ記事 (アレン・パークスター)
2009-08-24 23:02:21
こんばんは 新廃線探索記のアレン・パークスターです。

少しずつでも、熱海高原ロープウェイの事が分かってきて私もうれしいです。ますます熱海高原ロープウェイへの関心が高くなりました。以前、お話していたかも知れませんが、私は玄岳駅を転用して「地球環境・エネルギー資料館」を運営していたNPO法人フォーエヴァーグリーンの関係者と直接交渉したことがあり、その方もロープウェイの事色々教えてくれました。「資料」も頂いています。残念ながら、当方は撮影のやり直しを決めたため、公開はまだ先になりそうですが、出来るだけ詳しく掲載する予定なので期待していてください。
あともう1つ、上の書き込みの方の、

>Wikipediaの当該項目を改訂したいと考えていますが、いかがでしょうか?

こちら私も是非編集していただけたらなあと思ってました。私は、「ドリーム開発ドリームランド線」の編集をしたことがあります(私の探索レポートがリンクされてます)。

それではまた。


返信する
Unknown (彩雲4号)
2009-08-25 00:03:06
三州小僧さん
熱海旅行を満喫されたようですね。
>>今だに更地のまま…
各所で建築が止っておりますが
いつまであのままか気になります。

さまひさん
>>大変興味深く拝見しておりました。
ありがとうございます♪
思えばさまひさん達との旅行もこれが無かったら
バンコクまで展開しなかったのでは、と考えてしまいます。

>>Wikipediaの当該項目を改訂したいと考えていますが~

是非宜しくお願い致します!

>>駅名も今まで正式なのが~
う~ん・・・新聞に記されているのが正解という訳でもないような気がします。

いとすけさんのブログには
http://blogs.yahoo.co.jp/itosuketika/48570334.html
パンフレットが載っています。
そちらだと駅名称が違っているんですよ。

アレン・パークスターさん
>>関係者と直接交渉したことがあり~
それは素晴らしい
資料を入手されましたか!
研究結果の発表を楽しみにしております。


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Unknown (さまひ)
2009-08-25 22:36:58
彩雲さん

快諾ありがとうございます。おかげでかなり詳細なディテールを書きこむことができました。
ここのブログを出典元としてリンクしておきましたが、よろしかったでしょうか?

駅名は諸説ありということにしておきました。ざっと検索しただけでもさまざまな名前が出てきますね・・・。

>バンコクまで展開しなかったのでは、と考えてしまいます。

そうですよね。原点はドリモノですが、我々が新たな方向に進み始めたのはあの探索だったと思います。
伊豆のロープウェイは熱海高原・鞍掛山と探索しましたが、まだ修善寺ロープウェイを訪れていませんね。ぜひ近いうちに訪れてみましょう!

返信する
Unknown (さまひ)
2009-08-25 22:37:36
記事へのリンクを忘れていました。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%86%B1%E6%B5%B7%E9%AB%98%E5%8E%9F%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%97%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A4
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Unknown (彩雲4号)
2009-08-28 20:33:00
さまひさん
Wikipediaを拝見しました。

また休止に関わる記事を発掘したのですが
掲載までかなり時間が掛かりそうです。

いつになる事やら・・・
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天神山について (いとすけ)
2009-08-29 21:40:19
皆様、お疲れ様です。
今回も彩雲さんや、皆様のコメント楽しく見させていただきました。
さて、「天神山」駅の名称についてですが、当方の開園のパンフレットの中にアップしていないものがありますが、その中に会社の概要というのがあります。社名、沿革、役員名等です。で、その中に事業所という箇所がございます。そこによるとひとつが「熱海市上の山一帯」もうひとつが「奥の沢玄岳周辺」とあります。
そして、沿革の中に昭和42年4月本社移転「熱海市熱海1860の1(通称上の山)とあります。
思うに(調べていませんが)頼朝ラインより西側タイムトンネル側の“字名”が上ノ山だと思っておりました。また、東側「百万石」側には天神山神社というのがあります。また、起雲閣前バス停は「下天神町」といいます。実際地名としてもある天神山という名のほうがありえそうですが、熱海高原観光では字名を使ったのでは?と思っております。
あくまで個人的な意見でした。また、よろしくお願いします。
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Unknown (彩雲4号)
2009-08-30 21:01:10
いとすけさん
>>熱海高原観光では字名を使ったのでは?
なるほど~。
因みに当時の切符を見ると

「熱海←→玄岳」となっています。


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