あのコルトを狙え

TOKYO2020 子供たちに負債を(笑)

忘れえぬ神5 その3

2022-10-04 00:00:00 | (旧車)

その後譲渡の手続き登録も済み神5ブルーバードを引き取りに行く事になった

私がおじいさんの立場だったらどんな気持ちだろう

長い間苦楽を共にしていろんな場所に家族、仲間と過ごした月日

乗り越えたトラブル

それが今手元から離れようとしているのだから

手続きの済んだ書類を渡すと神5ブルーバードは譲渡された

更に体力の衰えた感のあるおじいさんは

『いい人に見つけてもらい いい人に引き取ってもらえて良かった』

と私達二人に再びあの言葉を掛けたが

自分自身に言い聞かせ諦める為だったのかもしれない

 

車体の他にスペア部品を一緒に頂く事となったのでその説明の為に

お宅の向かいにある車庫まで降りて来る事となった

酸素チューブを外しご子息の手を借りてなんとかクルマまで歩いてきた

エンジンを始動させようとまにまにカレチさんがイグニションキーを捻るが

掛からない

『私がやってみよう』

ご子息の手を離れ箱から何やら薬品のビンを出す

ガソリンかシンナーをエアクリーナーのキャブレーター空気取り入れ口に

直接ふりかける

このやり方は聞いていたが実際に目にするのは初めての事だ

驚いた事に急にさっそうとした動きとなり運転席に座りキーを捻り

始動を試みるとエンジンは見事に掛かった

さすが長年このクルマを維持されてきた方は違う、と唖然

その姿にご子息が

『目が輝いちゃっているな』と笑った

エンジンが温まるまでまだ時間があるがおじいさんは家に戻っていった

最後は見送るのか、と思っていたのだがそれも辛いか

振り返る事もなかった

そして数十年過ごした車庫から神5ブルーバードは去っていった

 

それから暫くして

おじいさんが逝去されたとの連絡があった

 

神5ブルーバードを引き取り初めての並び

 

その帰り道に神5ナンバーのRT20コロナと

 

【つづく】

(一枚目の写真を掲載するのは悩みましたがこのクルマの歴史や重みを考えて載せる事としました)

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3 コメント

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Unknown (まにまにカレチ)
2022-10-06 09:53:20
あの時のおじいさんが最後になってしまった・・・

形見の「神5」は、私が末永く乗っていくのでご安心くださいと誓った。
返信する
Unknown (彩雲四号)
2022-10-04 23:09:55
@nerotch9055 nerotch9055さん
こんばんは。私も長い事コルトに乗っているのでお気持ちは理解しているつもりですが
その時になって自分ならどう振る舞っていられるのかな、と思います。
泣くだろうな〜。
いつかはその日が来ますからね。
返信する
Unknown (nerotch9055)
2022-10-04 09:44:51
おはようございます!
元のオーナーさんも、大事にしていたブルーバードをいい人に託すことができてよかったのでは
ないでしょうか。
何十年も一緒に連れ添ったのですから、あの言葉は自身への決意と、ブルーバードに対してのエールだと
私は感じました。
もう、涙腺崩壊です。
(>_<。)
返信する

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