境内に咲く彼岸花。
お彼岸はとうに過ぎてしまっているのですが、どうやら今が見頃のようです。
今年は白い彼岸花が多いような気がします。
曼珠沙華(まんじゅしゃげ)という別名についての諸々のお話は、以前に書いてありました。
(http://blog.goo.ne.jp/saijoji/e/225e4a21f97ec8e2d924f8f44ce7c0ba)
なので、今回は花言葉について。
「情熱」 「諦め」 「独立」 「再会」
「悲しい思い出」
「想うのはあなた一人」
「また会う日を楽しみに」
調べてみると、なんだか統一性のない花言葉が幾つも出てきました。
しかし、彼岸花の「花と葉が同時に出ることはない」という特徴から、「葉は花を思い花は葉を思う」と言われていることに由来するのかなと思えるものもあります。
彼岸とは「彼の岸」。
「向こう岸」という意味が示す先にお浄土があります。
お浄土は、「死んだら終わり」という現代に根付きつつある死生観を打破しうるもの。
数限りない命が亡くなってきた末に今があります。
それは、その命が死んで終わらなかったからこそ、今の私にまで続いてきました。
すべては縁でつながってきて、縁でつながっていく未来の前に今があります。
その今を生きる私が立つのは「此岸」。
こちらの岸と向こうの岸の間に流れるのは、つながりを阻む水ではありません。
彼岸からのもたらされた、量り知れない縁が両岸の間を流れています。
その先人が遺してくださったご縁を辿れば、必ず仏法に出遇うご縁をいただきます。
そうして私もまた、いつか向こう岸へと渡らせていただくときがくることでしょう。
もちろん悲しみが伴うことではありますが、その先には阿弥陀さまのお浄土へと先に渡られた方との「再会」が待っています。
「死んだら終わり」ではなく、「また会う日を楽しみに」。
彼岸花を通して、お浄土からのご縁をいただいたように思いました。
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