週刊 最乗寺だより

小田原のほうではなく、横浜市都筑区にある浄土真宗本願寺派のお寺です。

勝田山 最乗寺
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震災追悼の表白

2012-03-03 02:46:00 | ひとりごと

3月になりました。

これまで1年を振り返るのは12月と決まっていましたが、その恒例を根底から覆したのが去年の震災。

私にとって3月は、あの震災がもたらした慟哭と、原発事故による恐怖と絶望と、そして今なお続いているという被災の現実を、振り返るだけではなく直視する月になりました。
そして、あの日に一変した価値観を改めて胸に刻む月でもあります。

この1年、多くのお寺で数々の追悼法要が執り行われてきました。
最乗寺でも、昨年の4月の永代経法要と合わせて、追悼法要をお勤めしました。

その際に作成した表白(法要の主旨を説明する文章のこと)をこのブログに載せたところ、知り合いのお坊さんからは口頭であったり、見ず知らずのお寺さんからはお電話であったり、はたまたブログのコメントであったりと、方々からの使用許可のお伺いをいただきました。

有り難いご縁に感謝しつつ、同時に被災された方々と寄り添い続けていくという皆さまのお気持ちを、この表白を通じて感じさせていただく1年となりました。

私に多くのことを気づかせてくれた表白を、改めて転載します。



   敬って 大慈大悲の阿弥陀如来の御前に 白して言さく

   本日ここに うやうやしく仏前を荘厳して 懇ろに聖教を拝読して
   当山最乗寺 永代経法要 並びに東日本大震災追悼法要を勤修したてまつる

   それ おもんみれば 釈迦如来 諸行は無常なりと説きたもう
   まさしく 過ぐる三月十一日 
   突如として襲い来たりし 東日本大震災と津波によりて
   無慮十万余の家屋 一瞬にして押し流され 幾多の人命を奪い去る

   あるいは父 あるいは母
   あるいは夫 あるいは妻
   はたまた 我が身に勝りて愛しき子を失う

   悲しいかな 痛ましいかな
   嘆きても なお嘆くべし
   悲しみても なお余りあり

   しかれども 阿弥陀如来は はかりなき昔
   苦悩の民を憐れみて 安楽浄土を建立し
   限りなき慈悲の御心をもって 一切の衆生を救い給う

   されば 災害にいのちを断ちし人
   今は浄土に生まれ 麗しき仏となり
   後に残れる人々の心に還り来たりて
   我を導き 我を励まし 念仏の日々に誘い給う

   希(ねが)わくは 今日 ここに集える人々 先を訪ね 後を導き
   念仏相続を誓わん永代経法要を機縁として
   故人の威徳を偲びては ますますの聴聞を深め 報恩謝徳のまことを尽くさんことを

   伏して請う 如来 深く大悲を垂れて哀民納受したまえ



南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏



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