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週刊 最乗寺だより

小田原のほうではなく、横浜市都筑区にある浄土真宗本願寺派のお寺です。

勝田山 最乗寺
045-941-3541

流転する大陸

2010-08-01 00:15:01 | 寺報記事

 ≪寺報【最乗寺だより】 2010年春号 編集後記より≫


立松さんによると、地球は10万年のサイクルで、氷河期と乾瓢期を繰り返し、あと4000年で氷河期に突入するそうです。

南極の氷が融けたら大変と思うのは、人間の都合でしかありません。
地球にとって人間の意思など関係ありませんし、大陸が動くことも、種が滅びることも、46億年の歴史の中では特別なことではありません。

それでも、その現実を受け入れたくないのなら、取るべき行動は自ずと見えてくるはず…。
私もまた地球というサイクルの中で生きる存在であり、地球の変動の原因となっているという自覚から始まる一歩は、とてつもなく大きいのではないでしょうか。

しかし、その一歩を踏み出す足が重いのも事実。
「それはなぜなのか」と自分に問うことが、今の私たちには一番重要なのかもしれませんね。


                 (立松氏に触れた表紙記事を受けて)


灼熱の大陸

2010-07-28 23:27:50 | 寺報記事

 ≪寺報【最乗寺だより】 2010年春号 表紙記事より≫


数年前のことですが、「平和と仏教」という講演を聴きに行きました。

泥沼化するアフガン情勢、先の見えないパレスチナ問題。
利権を宗教の影に隠しつつ、その宗教観の違いによる宗教間の諍いが、絶えず世界を巡っているという状況において、仏教の示す平和への道筋をお話いただくという趣旨の講演会でした。

ところが、肝心の講師は前日に南極から帰国されたばかりだったため、講題を無視して、南極の危機迫った現状を実感の伴った思いを込めて語り始めました。


オゾン層が破壊され、宇宙からの紫外線が、南極を灼熱の大陸へと変えていっています。
氷が融けるということは、ただ海面が上昇するだけはありません。
海水は塩分を排出しながら凍り、出された塩分は沈んで、深層水となって海流を生みます。
南極の氷が融けるということは、大量の淡水が海水と混ざることで、そうすると海流は変化し、気候も変化します。
南極は地球の温度調整機能を具えているのです。


そう、講師は話されました。
そして、不動と思えた氷の大陸が、崩れ落ちてゆくところに諸行無常を見たとも話されました。

全てのものは変わりゆく無常のものです。
けれど、その無常にも必ず原因があり、南極の融ける氷のその先には、私の快適な生活があるということを教えてくださったこのときの講師は、立松和平さんでした。

立松さんの訃報に、人の命もまた無常であることを、改めて教えていただいたような思いが致します。
                                           合掌


     (2月8日の立松和平氏逝去の報道にふれて)


誤るという前提

2010-07-19 03:42:22 | 寺報記事

  ≪寺報【最乗寺だより】 2010年夏号 表紙記事より≫


スペインの優勝で幕を閉じたサッカーワールドカップ。
日本代表の善戦に列島が熱狂したことは記憶に新しいことと思います。

今大会で印象に残る場面はいくつかありますが、中でもイングランド対ドイツの試合中に起こった「疑惑のゴール」については考えさせられるものがありました。

イングランドの選手が放ったシュートが、ゴールポストに当たり、ゴールライン内にバウンドしたことで得点が入り、同点となるはずでした。
しかし、それを見ていたはずの副審がノーゴールと判断したため加点がされず、結局イングランドはその後も点を取ることができず4対1で敗退。

この判定について、すでにFIFAの会長が誤審だったことを認め謝罪していますが、このような誤審は今回が初めてだったわけではありません。
なのに、映像による確認がなされない要因の一つに、サッカーはその長い歴史の中で「誤審はある」という前提で行われてきたスポーツだったからだという解説がありました。

人間が下す審判が、完璧ではないということを踏まえた上で成立したスポーツ。
間違ってはいけない。
けれど間違うこともある。
それでもその間違いに立ち止まらず、振り切るようにゴールへと踏み出す選手達の姿に、自身の間違いは棚に上げ、相手の間違いばかりを責めている、都合の良い自分の姿が見えてきました。

「誤審はある」という前提は寛大なようでもありますが、自分が常に正しいわけではないということの前提でもあるということです。
肝に銘じておかなくてはなりませんね。


  (時事ネタのため、早めに投稿しました)