あ・しねま・たいむ

今日も映画でまったり

ワンダー 君は太陽

2018-06-29 23:49:50 | 映画 2018
オギーは10歳の男の子です。
トリーチャーコリンズ症候群が原因で生まれつき顔の形が変形していて、
ずっと入退院を繰り返していました。
病院と家庭が全世界だったオギ―は、
幼い頃からずっと母親と自宅学習でしたが、  
容態が安定してきて、初めて学校に通うことになります。
緊張と不安の中登校した彼は、
好奇な視線に囲まれたり、クラスメートたちにいじめられたり。
自分の顔が普通ではないことを嘆くオギ―でしたが、
家族の支えもあって、毅然とした態度で学校生活を送ろうと頑張ります。
そんななかで、オギーの顔がヘンだと囃し立てていたクラスメートたちは、
オギ―のひととなりを知っていき、少しずつ変わっていくのでした。


映画の冒頭でオギ―が自己紹介をするのですが、
もうそこで、この映画がどんな映画なのかわかりました。
利発で素直で、でもちょっとこまっしゃくれたオギ―がそこにいました。
可愛いの。
誰だって味方になりますよ~、この語っている声を聴いたら。
上手いわ、ジェイコブ君。
( 吹き替え版がどうなのか気になります)
シャーロック・ホームズなみに、
ひと目見ただけで、金持ちだ、貧しいようだ、チャライ、
と洞察する場面では思わず笑っちゃいました。
ちゃんと当たってたな。

宇宙が好きで、スター・ウォーズが好きな、
普通の男の子であるオギ―。
( 映画のなかでチューイが登場したんだよ。あ、シスも)
そして前向きです。
そんなオギ―なのは、なんといっても家族の存在が大きいんだよね。
一生懸命な母親と、懐が大きくてユーモア溢れる父親と、
弟が大好きな姉ヴィアと。 
父「 押されたら押し返せ」
オギ―「 なぜ小声なの?」
父「 ママがコワイから」
そんなやりとりが笑いを誘います。
「カカア天下」なのね~。
学校で嫌なことがあっても、
オギ―が内に籠ってしまわないで自分の感情を出せるのは、
この暖かい家庭があるからなんだよね。

主人公のオギ―だけでなく、他の子供たちにもスポットはあたります。
オギ―が生れてきたために、
手のかからない「いい子」にならざるを得なかったヴィアの寂しさとか、
親友のはずのヴィアに突然態度が冷たくなってしまったミランダは、
両親が離婚して自分の居場所を見失っているとか。
ジャックの気持ちの変化と後悔も丁寧に描かれています。

悪い人がひとりもいない、というか、
登場人物を見つめる目が優しいんだね。
こんな世界があるんだよ、こんな世界になって欲しいね、
そんな願いもこめられているような・・・
観終えて、清々しい気持ちになった映画でした。
子供たちにも、大人になってしまった人たちにも勧めたい映画です。


監督 スティーブン・チョボスキー
オーガスト(オギー)・プルマン ジェイコブ・トレンブレイ
イザベル・プルマン ジュリア・ロバーツ オギーの母
ネート・プルマン オーウェン・ウィルソン オギーの父
オリヴィア(ヴィア)・プルマン イザベラ・ヴィドヴィッチ オギーの姉
トゥシュマン先生 マンディ・パティンキン 学校長。
ブラウン先生 ダヴィード・ディグス 英語教師
ミランダ ダニエル・ローズ・ラッセル ヴィアの親友
ジャック・ウィル ノア・ジュプ オギ―と親友になった同級生
サマー ミリー・デイヴィス オギ―と親友になった同級生 
ジュリアン ブライス・ガイザー 同級生  
シャーロット エル・マッキノン 同級生 
ミセス・プルマン ソニア・ブラガ オギーとヴィアの祖母
2018年6月公開


顔が人と違う、という設定なのですが、
最初に登場したときからオギ―を可愛いと思ってしまったのは、
語りの声を聴きながらだったからなのでしょうか。