11月22日の日経夕刊に掲載されていた美食家の浜田岳文氏のコラムに、大変良い記載があった。日本の農作物についての評価なのだが、「果物も米も品種改良でどんどん甘くなる代わりに香りががなくなっています」とある。これは傾聴に値する意見ではないだろうか。
このコラムでは、次ぎの記載もあった。「日本の農家の生産技術は世界有数だと思いますが、土壌の特徴もあって野菜については良く言うと優しい、悪く言うと味が薄いのです。欧州の野菜は十分味があって、濃くて美味しいからサラダという文化がある。日本ではドレッシングで食べさせている」
野菜について、薄い・濃いを語れる様な味覚は持っていないが、果物や野菜に関して日本の農家が求めている”甘さ”には、疑問を感じていた。糖度が高い事を自慢し、それが美味しいと言っている事に、最近、違和感を感じていた。
チョット前まで、トマトは酸っぱい果物で、酸味を中和する為に塩をかけて食べる事もあった。イチゴも酸味が強く、ミルクや砂糖をかけて食べる事もあった。しかし今では、甘いのが当たり前になっているが、それが本当に美味しいのだろうか?
我々日本人は、物事を決めるには時間が掛かるが、一度決めると従順にその方向に向かう特性がある。”甘さ”が大事と云う考えが一般常識の様になると、殆ど全ての農家が遮二無二その方向に向かってしまっているのではないだろうか。
コスト削減についての問題点を何回か指摘しているのだが、こちらも同じである。”コスト削減”が経営課題として大事と云う共通認識が定着した為に、自分達の収入を抑制または削減してまでしてコストを削減し、安価な商品を提供し続けていた。そして漸く最近の物価高傾向になってからは”値上げしても良いんだ”と分かった途端に、食料品などの一般消費者向けの商品は、ドンドン値上げしている。しかしその事をまだ分かっていない一部のスーパーでは値下げを試み、未だに200円の弁当を提供している所もある。要は、一度方針が決まると、国民全員がそちらに向かってしまう。たとえその方針が間違っていても…。
話しを果物に戻すが、消費者が求めている事は、安価で適度な味の食物である。”甘さ”はそれ程重要ではないハズである。そうであれば、例えば果物の摘果する割合を2割減らせば、1個単位の味覚や大きさは若干悪くなるかもしれないが、収量は逆に2割増える事になる。そして、摘果を2割減らすと云う事は、その分の作業量が減る事にもなる。(収穫の作業量は増えるが...。)
コストをかけて甘くする努力よりは、労力を抑えてそこそこの品質を維持する事が今の日本の農業に必要な事ではないだろうか?甘さはホドホドにして…。
このコラムでは、次ぎの記載もあった。「日本の農家の生産技術は世界有数だと思いますが、土壌の特徴もあって野菜については良く言うと優しい、悪く言うと味が薄いのです。欧州の野菜は十分味があって、濃くて美味しいからサラダという文化がある。日本ではドレッシングで食べさせている」
野菜について、薄い・濃いを語れる様な味覚は持っていないが、果物や野菜に関して日本の農家が求めている”甘さ”には、疑問を感じていた。糖度が高い事を自慢し、それが美味しいと言っている事に、最近、違和感を感じていた。
チョット前まで、トマトは酸っぱい果物で、酸味を中和する為に塩をかけて食べる事もあった。イチゴも酸味が強く、ミルクや砂糖をかけて食べる事もあった。しかし今では、甘いのが当たり前になっているが、それが本当に美味しいのだろうか?
我々日本人は、物事を決めるには時間が掛かるが、一度決めると従順にその方向に向かう特性がある。”甘さ”が大事と云う考えが一般常識の様になると、殆ど全ての農家が遮二無二その方向に向かってしまっているのではないだろうか。
コスト削減についての問題点を何回か指摘しているのだが、こちらも同じである。”コスト削減”が経営課題として大事と云う共通認識が定着した為に、自分達の収入を抑制または削減してまでしてコストを削減し、安価な商品を提供し続けていた。そして漸く最近の物価高傾向になってからは”値上げしても良いんだ”と分かった途端に、食料品などの一般消費者向けの商品は、ドンドン値上げしている。しかしその事をまだ分かっていない一部のスーパーでは値下げを試み、未だに200円の弁当を提供している所もある。要は、一度方針が決まると、国民全員がそちらに向かってしまう。たとえその方針が間違っていても…。
話しを果物に戻すが、消費者が求めている事は、安価で適度な味の食物である。”甘さ”はそれ程重要ではないハズである。そうであれば、例えば果物の摘果する割合を2割減らせば、1個単位の味覚や大きさは若干悪くなるかもしれないが、収量は逆に2割増える事になる。そして、摘果を2割減らすと云う事は、その分の作業量が減る事にもなる。(収穫の作業量は増えるが...。)
コストをかけて甘くする努力よりは、労力を抑えてそこそこの品質を維持する事が今の日本の農業に必要な事ではないだろうか?甘さはホドホドにして…。
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