業務&ITコンサルタントのひとり言

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壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:何を”学び直し”するのか

2023年03月26日 10時22分41秒 | 社会全般
前回からの続きとして、、”学び直し”について考えて行きたい。

大学教育で、社会に役立つモノは何だろうか?技術系の職場に理工系は役に立つ・立たない以前に基本的に必須である。一方文科系はどうだろうか?マーケティングや会計に関するノウハウや知識を教える大学はそれ何にあるが、これ以外はどうだろうか?

一般的な企業に存在する業務は何があるだろうか?技術系以外で殆どの企業でも必要とされる経理、営業、購買、と、製造業に必要とされる生産管理、購買(生産用)がある。そして一般消費者向けの製品を製造または販売している企業には、マーケティングが必要な業務であろう。

この中で、営業や購買業務を教えている大学はまずない。経理も商業関連の学校・学部で教えているが、昔は少なかったと記憶している。一方、マーケティングを教えている大学も最近は多くなってきている。生産管理、購買(生産用)は、理工系の学部出身者がその業務を担う事が多いが、これらの業務を大学で教えている所はまずないであろう。

この様に、企業活動に必要な業務の半分近くは、その業務知識やノウハウの基礎を大学で学ぶのではなく、企業内で教えている。要するに、大学などでは教えていないのである。企業は、これらの業務の基礎知識を大学などで教える事を望んでいるのだろうか?この答えは殆ど期待していないであろう。

これら主要業務以外に、企業内では様々な役割を必要とする業務がある。それを遂行するのに必要な知識は分析能力であったり、考える力であったり、行動力であったりで、特定の学校や学部で学ぶのではなく、元々人が持っている素養に依存している面が大きい。なので、これを”学び直し”で学ぶ事は難しいと云える。

但し、どんな仕事でも”学び”は社会人になっても常に行う事ではある。しかし、体系的に行う”学び直し”の必要性、またはそれが必要とされる業務領域は少ないのではないだろうか。

因みに昔の日本企業は、社員の教育に時間とお金を掛けてきたが、今は時間もお金も掛けなくなってきている。その理由の一つは、転職する人が増えてきた事が原因であろう。折角教育した社員が辞められたら、企業としては大きな損害である。実際、一時期企業が積極的に若手社員を海外の一流大学に留学させていたが、これらの多くの留学生が卒業後に会社を辞めていく事や、金銭的負担増などから、企業が派遣する留学生は減ってきている様である。

また別の理由として、企業が社員に何を教えれば良いのか分からなくなってきているのだろう。ビジネス環境が複雑になり、激変している中で、社員に何を求めるべきなのか、または学校が何を教えるべきなのか等、変化に追い付いていないのであろう。今企業や社会に必要なのは、自由な発想であり、自由な発想を許容する雰囲気であろう。日本人は元来ユニークな人が多いのだが、それを受け入れない社会的雰囲気がある。別の表現で、閉塞感とも云える。これを打開しないと、今の悪い状況は変わらないし、企業が求める人材には中々巡り合えないであろ。

とは云うモノの、”学び直し”が効果的な領域もある。その代表格がIT関連であろう。そして最近の流行り言葉としてDX人材の育成であろう。
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