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壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:5月22日の日経『労組、デフレの共犯だった』の気づきについて

2024年06月22日 17時31分08秒 | 社会全般
先月『労組がデフレの共犯だった』と云う記事が有ったが、”今頃、気が付きましたか!?”が率直な印象である。製造方法や業務の改善によるコスト削減は大事だが、給与そのモノを下げる事でのコスト削減はご法度であるが、それに労組は同意しており、正に共犯である。

この記事には次の説明もある。「バブルが崩壊し、組合はリストラを選ぶか賃金を我慢するか二者択一を迫られた。私たち組合は雇用を守る方を選んだ。しかし雇用を守るために非正規雇用、賃下げ、最終的にはリストラも受け入れた。本当に守ろうとした物は何だったのか」と…。

この説明の中には問題点が沢山ある。先ず一つ目は、「リストラを選ぶか賃金を我慢するか二者択一を迫られた。私たち組合は雇用を守る方を選んだ。」である。当時、これに直接接していた人にとっては、これは大変難しい決断だっただろうが、労組は”択一”ではなく、”二者”を追い求める必要があった。一時の賃金の我慢は有り得るが、あくまで1~2年程度の時限的な合意である必要があった。そして、国や企業がこの間に賃金を上げる為の適切な対応をする必要があった。

例えば国家がやるべき事として、、”金融の緩和”は一番分かり易い対応策であったが、当時は金融引締めの方に行ったと聞いている。それから、FTAに進むのではなく、関税化する事も本来行うベキ方向である(これについては次回に若干深堀する)。またこれ以外に、国家が行う事は、高等教育の改善もあるのだが、これも文字数がどれだけあってもたりないので、ここでは割愛する。

企業内が行うべき事として、ホワイトカラーの労働生産性が低い事への対応であろう。例えば、
・従業員は上司が指示した事のみを行うのではなく、自分で考えて実施する習慣を付ける
・業務の問題点を自ら察し(発見し)、自分から解決する方法を考え、実施する
・良い物は高く売っても良いと云う考えの植付け
そして、
・コスト削減は、あくまで業務改善・改革によるモノで実現する
等々、出来る事、大事な事は沢山あった。

二つ目の間違いが致命的であった。それは「雇用を守るために非正規雇用を受け入れた」なのだが、これは自分達の雇用を守る為に、沢山の非正規労働者を増やす事に合意した事である。これは自分達の雇用さえ守られれば、賃金の安い非正規労働者が増えてもOKであるとの判断である。結果的にはこの合意が日本の社会の首をジワジワ絞める事になった。そして、この記事には記載が無いが、安易な外国人の受入れによって、低賃金の労働者を増やしている事が賃下げに拍車をかけてしまっている。そしてコスト削減の為に必要な方策と云う間違った考え方に、30~40年まい進してしまった。


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