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壊れたニッポンを治す為の処方箋#2:少子化問題(その2) - ①住宅の大きさ

2023年01月09日 08時29分15秒 | 社会全般
昔の日本は、農村を除いて、都市部の住宅は大体小さかった。そこに大家族で暮らし、少ない部屋を共有していた。戦後であっても、3世帯や4世帯で暮らす家も少なく無く、また子沢山の家庭も少なからず在った。
昭和の高度成長期に入り、集合住宅が増え始めたが、その住宅の大きさは50㎡未満の2DKや3DKが中心だったと記憶する。そして現代のマンションでは、3LDKの広さが中心になっている。一時期、4LDKや100㎡前後の大きめのマンションが出てきたが、最近は少子化の影響か、または手頃な価格帯を目指してか4LDKは少なくなり、それ程広くは無い3LDKが中心になってきている様である。この3LDKのマンションに住む場合、一部屋は夫婦の部屋で、一部屋は子供部屋、そして残りの部屋は半分物置の様に使っている家庭が多い。それでその様な家族は子供を一人しか持たないケースが多いのではないだろうか。多くても精々二人までであろう。また建売住宅の場合は4LDKが中心であるが、都心では3LDKが多い様である。4LDKの住宅だと余裕で子供を二人持てるが、3LDKだと躊躇する夫婦も居るだろう。

余談だが、都心の狭い土地に立てた一戸建て住宅の間取りに理念や哲学が絡んでくる。土地が狭いために2階にリビングルームを配置し、1階に子供部屋を含めた寝室を配置する家が少なからず在る。そうすると、子供は学校から帰宅すると直ぐに自分の部屋に入ってしまう事になり、家族との会話が減ってしまう。これを避けるために、一般的な間取りでの家で2階に子供部屋がある場合でも、1階のリビングルームを通らないと、2階に行けない間取りにする家庭もある。帰宅時には、最低でも「ただいま」と「お帰り」の会話をするために...。

さて本題に戻ろう。現代の家庭では、部屋数に合わせて子供の数が限定されてくる傾向にあると云っても過言では無いだろう。部屋数より多い子供を持つ家庭はごく一部であって、通常は部屋数より少ない数の子供を持つ傾向にあるだろう。一部屋は夫婦の部屋になるので3LDKだと最大2人となる。そして住宅の面積自体が狭いので、一部屋は物置状態になる事が多い。そうなると、3LDKでは子供が一人になってしまう場合も多い。
これは鶏が先か卵が先かの論調に似ているが、3LDKが主体の住宅事情だと、子供の数も少なくなるのは明白であり、この住宅の広さと部屋数を改善しない限り、一世帯辺りの子供の数は増え難いであろう。

次に述べる事も理念や哲学にも関係するが、子供にとって兄弟が居た方が良いとのではないだろうか。1人っ子よりは2人の方が良いし、3人位居た方が、子どに取っては楽しいのではないだろう。その分、親、特に母親に取っては大変になるかもしれないが、子供の視点で考えた場合、子供(兄弟)は多少は多い方が良いだろう。また、人生は自分自身が楽しむためにあるのか、それとも子供のためにあるのか...。どちらに比重を置くかは人それぞれ違った考えを持っているだろう。また子供と接する事が楽しいと感じ、幸せを感じられる人も居る。
子供を何人持つかを決めるのは各夫婦であるが、社会が提供する住宅は、子供が3人位いても不自由しない広さと部屋数を中心に提供すべきであろう。

解決策は至って単純で、家族用の住宅を広くする事である。それを推奨するために、広さによる税制の優遇処置を施したりする事で、インセンティブが働くだろう。そして一番大事な事として、総理大臣や少子化担当大臣辺りが住宅の広さの問題点を公けの場で訴える事である。そのスピーチをマスコミが取り上げ、その気運を醸成する事が大変重要である。
但し、忘れてはならない事として、今は住宅が余っていると云う事である。宅地を新たに造成するのではなく、既存の建て替えやリノベーションを中心に行うべきである。

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