そして時の最果てへ・・・

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テレビが育てた野球文化

2009-09-17 21:58:27 | 雑感
風邪引いて書くのが億劫になってましたが、先日書いた「野球とは?」の続編です。

そもそも、前回も説明しましたように複雑怪奇なルールをもつ野球が、日本でこれだけポピュラーなスポーツになった理由は、ワタシは寡聞にして知りません。(←なら調べろよ!)

ただプロスポーツとして、ラジオ放送と親和性が高かったことが理由の一つだと思います。静と動のコントラストがハッキリしていて実況しやすく、推理を楽しむのに映像の力を借りなくても充足できるスポーツって数少ない。

やがてオンタイムでスポーツを楽しめるメディアはラジオからテレビに変わっていきます。その頃スポーツといえば相撲か野球しか選択肢がなく、さらにテレビも一家に一台がせいぜいであり、そのテレビのチャンネル権を握っていたのがオヤジ。

戦後の少年達はチャンネルの選択権のないテレビから流れてくるプロ野球を見、「巨人・大鵬・卵焼き」の流行に乗るため、野球を覚えました。複雑なルールはオヤジから教わることで吸収し、野球は父子相伝の日本文化として根を下ろしたわけです。

ところが時代が下るにつれて、スポーツの選択肢が増え、チャンネル権を子供が握るようになり、一つの家庭に複数台テレビがある家庭まで出現し始めると、もはや子供達を野球に「縛り付ける」理由がなくなりました。

他の娯楽の出現により野球中継の視聴率が落ちてくると、テレビ局は野球中継の頻度を下げていきます。すると元来参入障壁の高かった野球が、さらに敷居の高いものになっていく・・・という悪循環に陥ってしまいました。

「こりゃイカン、大竹、打たれるな」
「なんで?」
「大竹の目を見ろ。あいつがはぶてとる時は太田圭発動のサインや」
「確かに目がイッちゃってるね」
(↑わかるかな~、わかんねぇだろうなぁ~)

日本の親子はテレビの前でこんな会話をし、野球文化を育んできました。しかしそのベースとなる野球中継がない。となれば、戦術やルールを知る機会を喪失した現代の子供達は、野球を知らずに育っていく。

テレビと言う入り口がなければ野球文化の下支えはできないと思うんですが?どうですかね、放送業界のみなさん。

無くなったら無くなったでいいか。

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