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憲法9条の曖昧性

2008-04-26 17:17:49 | 雑感
第1項
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

第2項
前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
日本に住んでいればネコでも知ってる憲法9条の条文です。


さて、第1項に登場する「武力」と「戦力」は同義語なのでしょうか?

英語の原文では「武力」を「force」、「戦力」を「war potential」と記されています。とすれば、少なくとも「戦力」は「戦争を仕掛けられるだけの能力」であり、「警察力」は含まれないようです。

・「武力」と「戦力」が同義語であれば、侵略行為に対して警察力でもって防衛することは「武力の行使」に相当しないため、自衛隊による防衛戦争が合憲になります。
・「武力」と「戦力」が同義語でないとするなら、「武力」=「戦力」+「警察力」とより広い概念とみるべきであり、そうなれば自衛隊による防衛戦争は「武力の行使」に当たり、違憲となります。

(ここで、「保持しない」のは「戦力」であるので、自衛隊に侵略能力がなく警察力に特化しているならば、保持することはいずれにせよ合憲になります。ただ、「武力」と「戦力」が同義語でない場合、自衛隊は保持しているけど自衛戦争に使用してはならない、という張り子の虎状態となります。「自衛隊」のお仕事は災害救助活動だけになります。)

戦争放棄の基本理念そのものを批判するつもりはありませんけど、憲法の条文そのものが多様な解釈を可能にしていることになります。

これ、あまりにも豊かすぎる日常言語の難点ですよね。国の在り方の根幹部分なので、厳密な定義に書き直しませんかね?

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