そして時の最果てへ・・・

日々の雑感や趣味の歴史についてつらつらと書き並べるブログ

iGirl

2010-11-21 23:01:01 | 雑感
先日「ネット流行語大賞」にノミネートされた言葉を見ていて、「ああ、そういえばこれどういう決着になったんだ?」と思うものがありました。

非実在青少年。

知らない人のために簡単に説明しますと、明確な年齢表示は無くとも、服装や言動から18歳未満と認められる、創作物の中の登場人物のこと。

この説明を聞くと、今度は「何故それが流行語大賞に?」という疑問が湧くわけです。

この「非実在青少年」は、東京都が漫画やアニメの「児童ポルノ」を取り締まるために制定(発明)された概念です。
現実の児童ポルノは性的に搾取されている被害者がいるために、加害者を罰することは当然であり、法律的にもわかりやすいケースです。
ところが2次元の青少年が性行為を営む画像が流布したとして、そこに被害者がいないわけです。だとすれば、2次元の「児童ポルノ」を創作した側の「表現の自由」は保護されてしかるべき。
以上のロジックで2次元の「児童ポルノ」が流布している現状を「法の不備によるもの」と考えた東京都は、実在しない被害者として「非実在青少年」を掲げ、2次元の「児童ポルノ」を取り締まろうとしたようです。

そういう条例を制定しようとした東京都に対し、「平べったい彼女or嫁を持つ方々」はもちろんのこと、著名な漫画家などが表現の自由を盾に批判の嵐を起こしていた、という経緯です。
(で、その後どうなったんでしょうか?)

まぁ、被害者が実在しない事件において、加害者の人権を制限するために「発明」された言葉は、当然ネットの住人たちのターゲットになるわけでして、かくしてノミネートの憂き目にあった、と。

どこかで「非実在青少年」について、「もう少しPOPな言葉にしたらどう?」と茶化している文章を見ました。で、提案されたのが「iGirl」。複素数平面上の女の子。大文字の「I」として一人称の自我を持てない永遠のロリータ。

座布団一枚。もちろん「平べったい」座布団を。