中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

入試中止

2013-01-21 20:53:25 | 身辺雑記

 橋下大阪市長は、顧問の体罰で生徒が自殺した市立桜宮高校を訪れ、生徒達に約1時間にわたって話をし、2月に予定されている同高体育系2科の募集中止について「新しいクラブのあり方をきちんと出す前に新入生を迎えるべきではない」と述べ、考えに変わりがないことを強調しました。市長の話が終ったあとこれに対し挙手した2名の生徒から発言がありました。1人は、「(自殺は)忘れてはいけない出来事。桜宮のことを真剣に考えている。(ただ)体育科を続けた状態で考えていきたい」との内容で、もう1人は、「市長は人生は長いというが、今しかない時間を大切にしたい。普通科であればいいという問題でない。入ってくる子にとって受験は一度だけで、その機会を奪ってほしくない」との趣旨だったといいます。これに対し、橋下市長は「皆さんに責任はないが、世の中には越えてはいけない一線がある」などと譲らなかったようです。(YOMIURI ONLINE) 

 彼は後で記者団に「生徒の声を聞いても、僕の方針を変えるに至らなかった。生徒の言葉だけで間違った教育行政をやるべきではない」と言ったそうですが、はじめに結論ありきで、もともと彼には生徒の声を聴いて考えようという考えなどなく、自論を説明しただけでしょう。本当にもし生徒達の気持ちを知りたいというのなら、自分だけが長時間話さずに、もっと多くの生徒の声を聴くべきでしょう。 

 彼は生徒達への話の中で「スポーツの中で手を上げることは、ものすごく遅れた指導法。そんなことで技術力は上がらない」と言ったそうですが、これまであからさまに体罰を容認していた彼の本心のことばかと思ってしまいます。元プロ野球のジャイアンツの投手だった桑田真澄氏は桜宮高校の事件に関して「体罰は指導者の勉強不足による一番安易な指導方法で、チームや選手は決して強くならない」と話したそうですが、橋下氏は桑田氏の言をなぞって体裁を繕ったとしか思われません。 

 その後橋下氏は記者団に対して、「暴力がずっと行われてきた現場に、どう考えても生徒を迎え入れることはできない。学校の実態を知っているのは僕だけだ」と言ったそうです(『毎日』)、この自惚れはどうしようもありません。

  私は入試中止というのは荒っぽいやり方だと思います。これから受験しようと思っていた中学生達には何の罪もありません。これに関して彼は「(受験生は)生きているだけで丸もうけ」と発言して批判されましたが、これについて桜宮高校の生徒達には「生きていれば、少し回り道をしてでも自分のやりたいことに向けて進むことができるという意味だった」と釈明したようですが、相変わらずの「くぜち(口舌)の徒」だと思います。なぜ素直に言い過ぎだったと言わないのかと嫌悪を感じます。 

 この日の午後、大阪市教委は桜宮高校の体育科とスポーツ健康学科の入試取り止めを決めました。実施するなら予算措置をしないという市長の脅しに屈したという気がします。市長は「教育的な観点から素晴らしい決定をしてくれた」と大満足ですが、同校の運動部のある男子生徒は、橋下市長の勝利至上主義という発言の指摘を強く否定し「僕らのことを何も分かっていないと憤ったそうです(『毎日』)。「市教委のこれまでの安易な姿勢がことを難しくしたとも考えられますが、これからは真剣に対策に取り組むべきです。橋下市長も自分の主張が通ったと安易に考えないで、これから常識的で着実な打開策を講ずることのリーダーシップをとるべきでしょう。彼はまだ全教職員の異動の妥当性を主張しているそうですが、それがどれほど非現実的なことで、学校や生徒達に大きな混乱を与えるかということをよく考えるべきです。

22日付『東京』社説

 http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013012202000133.html

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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1 コメント

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こんにちは (多摩)
2013-01-22 14:00:23
難しい問題ですね。ただびっくりしたのが市立高校で体育科があるとは?知りませんでした。
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