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中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

体罰はいけないが、

2013-02-04 07:43:49 | 身辺雑記

 神奈川県小田原市の教育委員会は市立中学校で50代の男性教諭が2年生の男子16人の頬を平手打ちする体罰を加えていたと発表しました。生徒に怪我はありませんでした。 

 この教諭は6限目の授業開始に遅れた男子生徒に対して教室出入り口で「なぜ、遅れたのか」と注意していたところ、教室内にいた複数の男子生徒から数人が「うるせー、ばか、はげ、死ね」と暴言を吐いたことに立腹して発言者が誰かを問いただしても名乗り出なかったことから、遅れて入室した生徒を除く教室内にいた男子生徒16人を廊下で正座をさせ、再度発言者を問いただしたが、名乗り出なかったので教室内にいた男子生徒全員を平手で1回ずつ叩いたとい言います。 

 教諭は授業終了後、校長に体罰をしたことを報告し、校長が市教委に報告し、翌日体罰を受けた生徒と保護者を学校に呼び経緯を説明した後、教諭や校長らが謝罪しました。市教委は県教委の処分が決まるまで教諭に授業をさせない方針でとのことで、「どんな理由があっても、体罰は暴力であることを徹底したい」と話しているそうです。確かにその通りで、叩かれた生徒の中には教諭に対して暴言を吐かなかった者もいるでしょうから、全員を叩くというのは冷静さを欠いています。 

 しかし、この事件については私は教諭だけを責めるのは不公平だと思います。生徒の「うるせー、ばか、はげ、死ね」という暴言は許されるものではなく厳しく叱責されるべきものです。校長は生徒と保護者に謝ったということですが、その時の生徒や保護者の反応はどうだったのでしょうか。先生が謝るのは当然だという顔をしていたのでしょうか。なぜ学校長は教諭に謝罪させるだけでなく、生徒達の暴言が許されるものではないことを強く諭し、その場でもう一度発言した者に名乗らせ教諭に謝罪させるべきだったと思います。名乗る者がいなかったら、それがいかに卑怯な行為であることを教えるべきでしょう。このような暴言に対して厳しい姿勢で臨まないと生徒達はまたおとなしそうな教師に暴言を吐くでしょうし、仲間に対してもことばの「いじめ」をするようになるでしょう。悪い芽は早めに摘み取るのも教育だと思います。 

 かつて私が近くの市の教育委員会事務局にいた時、ある中学校の若い教師が給食時間中に1人の生徒を平手打ちし、その生徒が医院に行って鼓膜が傷んでいることが分かり医師から学校に報告が行き新聞にも載ったことがありました。市教委はその教諭を教育長の訓告処分にして、私もその場に立ち会いましたが、おとなしそうな教師でただ恐縮するばかりでした。後で叩いた理由を知りましたが、給食時間中に当番のその生徒がだらだらしていたので注意すると「こんなものが食えるか」と言ったので、ついカッとなったということでした。私はそれを聞いてひどく腹が立ち、新聞もその教師が体罰を加えたことだけを書くのでなく、原因になった生徒の発言も知らせるべきだと思いました。 

 教師の体罰は許されるものではありません。しかし中には生徒の側に大きな原因があることもあります。ある中学校で生徒が教師を挑発して「殴るなら殴ってみい。教育委員会に言ってやるからな」と言ったと聞いたことがありす。未成年と言ってもどうしようもないワルがいます。もちろん殴っても反省などしませんし、ことばでやわらげることもできません。そういう中で一方的に教師だけを責めると、教師は委縮してしまいます。そういう時にこそ学校長や教頭が前面に出て、生徒達に理非を分からせるべきでしょう。