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中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

ノーベル賞受賞

2012-10-10 07:37:16 | 身辺雑記

 京都大学の山中伸也教授にノーベル医学生理学賞が授与されました。受賞理由は、素人には難しいのですが、マウスの皮膚細胞に4種類の遺伝子を入れることで、あらゆる組織や臓器に分化すろ能力と高い増殖能力を持つ「人工多能性幹細胞」(iPS細胞)作り出すことに成功した業績が評価されたとのことです。最初の成果が発表されてから僅か6年余と言う異例のスピード受賞で、それだけにその功績が大きいことが分かります。 

 9日の新聞の朝刊は、一面はもちろん二、三面も関連記事で埋められ、二十三面や二十四、五面にも大きく取り上げています(『毎日』)。読む気が起こらないような最近の政局関係のニュースよりも紙面に充実感があります。 

 山中教授は50歳という少壮学者で、さぞエリートの道を順調に歩んできたのだろうと想像しますが、実際は挫折の連続だったようです。最初に目指したのは整形外科医だったそうですが、臨床研修医の時には不器用だったために手術に人よりも時間がかかり、「じゃまなか」などとあだ名され、研究医に方向を変えたと言います。。今回の研究でも失敗の繰り返しだったようです。そのようなさまざまな障碍を乗り越えて今回の快挙となったのですが、しかし精励刻苦の努力の人という堅苦しい印象ではなくて好感が持てます。 

 日本のノーベル賞受賞者は、湯川秀樹氏以来、佐藤栄作氏の平和賞と言ういささか首をかしげるようなものを除くと18人目で、アジアでは群を抜いています。何でも経済力で国力をはかろうとすることよりも、このような、いわば文化力で国の水準を考えることも良いのではないかと思います。