~~時刻は、 23:32 でした。数字の回文のように。
〇――「いろいろな場に迎えられて春が来ている。」(コレットの花のエッセイ)
――そう、春浅い石の割れ目から、物陰から。 動かしたプランターの下からも、地上への出口を探して、モヤシのように迷走していたたくさんの芽たちにも。
〇判型が変わっただけで――読む気の失せてしまった本の話。
もとは四六判(しろくばん)のハードカバーでしたが、文庫本になったのを、ネットで求めました。本が届いて、開けてみたけれど、全く読む気が起らないのです。
それは、ハードカバーのときにあった、空間や誌面の余白がすっかりこそげ落ちてしまい、全く別のものになってしまった感じでした。
最初から文庫で親しんでいたものなら、そうではなかったかも知れません。
1週間ほど捨て置いた本を、何かのきっかけでちょっと読むことがありました。
すると、それはそれで読めるのでした。けれど、前とは違って、後が続きません。
やはり判型は大事なのでした。そして、"紙"の本も。