「カラマツの下の花畑」・・・・♪

軽井沢での子供時代に作った落葉松の下の花畑ーー心は今も~!「草花」「99歳の軽井沢物語」「葛西スケッチブック」ほか。  

♪浅間嶺にけぶり立つ見つ~♪・・・・落葉松の下の花畑

2005-05-14 | いとしき草花たち
 

 子どもの頃、近所に花好きのおばさんがいたので、春にはよく花畑の手伝いをした。
 子どもたちは、みな自分のちいさな花畑を持っていて、おばさんのお余りのダリアなどの球根をもらって育てた。
 サクラソウやクリンソウ、苧環、山百合など、思い思いにお気に入りの花を植えた。
 大きな落葉松の下の、あまり日当たりの良くない場所で、5~6センチも掘れば、軽石がごろごろでてきた。それでも、せっせと世話をしては、花が咲くとおばさんを呼びに行った。

「まあ まあ、きれいに咲きましたこと。ようございましたに」
 
 ちょっと太目の、和服姿のおばさんは、子どもたちに案内されて、5-6箇所の花畑を見て回っては、ほめてくれた。
 
 おばさんに子どもはいなかったが、毎日のように遊びに行って、石灯籠や錦鯉泳ぐ池のある日本庭園の中を、駆け回った。さぞ迷惑だったことだろう。が、いつもにこやかだった。
 石楠花や、牡丹、ケマンソウを知ったのもこの庭から。

 TOOYAMA さんのおばさん、私の花好きのルーツは、あなたでしたね。
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3歳になったシロたん

2005-05-13 | 日常の小さな喜び&こころ便り
             
             □・□・□・□・
ラグタイムさんの、とっても愛らしいラグビーのお話、楽しみです。こちらは、雑種ながら、まけず可愛い「シロたん」のストーリーです。


3歳になった、・・といっても、わが子ではない、娘の育てた犬のはなしです。
まだ目も開かない、へその緒も付いたままの子犬2匹を拾い、娘は、急遽「子犬のお母さん」となってしまった。
(まだ自分の子どもも育てたこともないというのに。)

とても忙しい仕事を持ち、育てるにはまったく不可能に近い状態なのだが、偶然出会ってしまった、二つのいのちを見捨てることはできなかった。

「小学生みたいなことをしている」
と友人たちに笑われながらも、会社では上司の目を盗んで、机の下に隠した子犬に哺乳瓶でミルクを与え、車での、取材先にもつれていき、必死に子育てをした。
クロたん、シロたんと名付けた、真っ黒と茶色の雑種の子犬。
どこが「白たん」なのかというと、単に、茶色い体で鼻筋だけが白いという。

元気に育った、2匹は、家中を走り回り、じゃれあい、ついには、「父母」が会社に出かけた留守ちゅうに、囲いを飛び出し、部屋をフンだらけにしたり、畳を掘ってしまうという、やんちゃ振りを発揮した。
(その後、男の子のクロたんは、職場のひとにもらわれていき、女の子のシロたんだけが残った。)

そのシロたんが、4月16日に3歳になったのだ。人間でいうと、28歳だそうだ。
本当にご苦労さま。でも、これからもまだまだ続くよ。犬育て―ー。

シロたん、いいお母さんに出会えてよかったねえ!

コメント (2)
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沢の畑

2005-05-06 | 99歳Umeさんの軽井沢物語
 疎開してきた人たちは、谷あいの小川に沿った
     土地を開墾し、畑を作りました。

          ○●○●
            ○


 大通りから谷あいに通じる道は、急坂の小道である。
 谷あいは、きれいに整地され、幾つもの小さな畑が並んでいる。みんな、疎開してきた人たちが自分たちに必要な食物を得るために、土おこしして造ったものだ。いままで、作物か草かもわからない都会人が、見よう見真似で造った、これでも汗の結晶である。

「居るかなあ、いないかなあ?」
「こんないいお天気だから、みんな喜んで、出ているんだろうなあ」
「みんなで、日向ぼっこを楽しんでいるかも」
 
 そんなことを思いながら、問題の小道にさしかかった。こわいもの見たさに、つと、左手を見ると、居るわ、いるわ、1メートルもあるものから、30センチくらいの小さなものまで、蛇が重なり合って静かに日光浴をしている。
 千ヶ滝華やかなりし頃は、ごみ捨て場であったらしく、上に幾重にも落ち葉が積もって、彼らには最高の棲家に違いなかった。
 しらぬ振りをして、一歩一歩、私たちは石ころ道を下る。一歩間違えて、肩のものをこぼしたら、それこそ一大事である。
 人々の畑を抜けて、小川の橋を渡ると、そこが、我が家の開拓地だ。木を倒した跡に造った、四,五坪の畑で、最後に住人となったので、一番奥だ。
 春になると、「千ヶ滝桜」といわれている、小梨(ズミ)の白い花が一面に山を飾る。あまり大きくない木なので、毎日少しずつ切り倒して、根を掘り起こして面積をひろげた。そこにまず、大根の種を蒔いた。

                               (ume記)
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ピョンピョン草(ぐさ)

2005-05-04 | いとしき草花たち
ウサギが跳ねるようにそこらじゅうにぴょんぴょんと生えてくる。芽生えの双葉が、まるでウサギの耳のようにⅤの字型に長いので、みんなはピョンピョン草と呼んでいた。
春になると、その柔らかなきみどり色のウサギの耳が、郷里の軽井沢の家の庭に、毎年、たくさん出てきた。
花の名はヤブカンゾウ。ノカンゾウの花は一重咲きだが、ヤブカンゾウは八重。朝ひらき夕方にはしぼんでしまう一日花で、夏になると赤褐色のボリュウムのある花を次々と咲かせた。
わすれぐさ(萱草)といわれ、万葉集にも載っている。
  
  忘れ草我が紐に付く香具山の古りにし里を忘れむがため  大伴旅人

この花を身に付ければ憂いを忘れるという。

若い芽は山菜として食べられることを後に知ったが、家の周りでは誰も食べてはいなかった。知っていたなら、飽きるほど天ぷらにでもして、味わえたものを・・・・。

ウサギの耳といえば、あと一つ、その庭には、かわいい芽生えがある。サクラソウだ。プリムラなど西洋種に対して、山野に自生する「日本サクラソウ」のことである。
白い毛の生えた小さな耳のような芽をつんつんと地面に突き出しているさまは、子ウサギたちがかくれんぼうをしているようで、なんとも愛らしい。
そんな芽生えの季節が味わえなくなって数年が経つ。
誰も見る人がいなくても、この年中行事は繰り返され、花を咲かせていることだろう。
限りなくいとしい花たちを、褒めてあげたい。
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