「カラマツの下の花畑」・・・・♪

軽井沢での子供時代に作った落葉松の下の花畑ーー心は今も~!「草花」「99歳の軽井沢物語」「葛西スケッチブック」ほか。  

 春一番の花         

2005-04-27 | いとしき草花たち

 植物写真家のいがり まさしさんは、一冊の本(『原色日本のスミレ』)に出会って以来、秋にもならないうちから、「早く春にならないかなあ」と、溜息をつく中学生だったそうだ。

 山国で育った私も、春を待ちこがれる子どもだった。
 あの場所に、黄色い小さな花が咲いたら、軽井沢に春は来ているのだ。

 文化村から、星野温泉へ山道をくだっていくと、ぱっと視界が開ける所がある。片側が谷。日当たりのよい山側の斜面の一部が少し崩れて、ちょろちょろと水が湧き出して、いつも、黒々と土が潤っている。
 その場所に、どこよりも早く、黄色い小さな花が咲く。
 小学4年生ぐらいの私は、何度も何度も確かめに行った。外はまだまだ寒く白茶けた世界だったが、そこに、やっと、ナズナに似た黄色い花をみつけると、「春がきた!」と、「バネ」が弾けたように軽々と、明るい気持ちになり、安心し、何もかもが開けていくようなうれしい気持ちになるのだった。
 
 その花の名は、イヌナズナ。
 草丈5センチくらい、ロゼット葉の中心から、花茎を出し、可憐な黄色い花を咲かせる。ずっと後になって、友人から借りた『雑草図鑑』で知った。
 いつか、千曲川のほとりの村でその花に出会い、思いを覆された。猛々しく5ー60センチにも伸びて、畑の雑草と化していた。
 
 軽井沢は火山灰地で、寒く、作物はあまりできない。
 あの、可憐な春一番の花は、厳しい軽井沢の自然の中ならではの姿であった。(3月Ⅰ日-2004)


 http://www22.ocn.ne.jp/~tamukai/inunazun.htm

☆うれしきこと二つ。
 注文しておいた本が届いた。
 『増補改訂 日本のスミレ』(いがり まさし/山渓ハンディ図鑑6)
 「スミレ賛歌」のポストカード付なのもうれしい。 
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