黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

イタリア旅行記 #15 サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂 2

2011-04-23 00:35:53 | イタリア旅行記
2010の暮れに行ったイタリアの旅行記です。
前回に引き続きサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂@フィレンツェです。

サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂

大聖堂の内部は、その絢爛豪華な外装と反して、
殆ど装飾がなく、極めて質素かつシンプルな印象です。
ラヴェンナの記事でアップした、
外観はシンプルな煉瓦造りながら、
内部に絢爛豪華なモザイクがある聖堂とは、
まったく逆の造りです。





サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(画像はクリックで拡大します)

壁面には幾つかの絵画が飾られている程度で、
画像はその中の一つ、
ドメニコ・ディ・ミケリーノ作『ダンテ、神曲の詩人』
フィレンツェの街に『神曲』を手にしたダンテ。
地獄、煉獄、エデンの園、天球が描かれた図像です。
フィレンツェ出身のダンテの墓がラヴェンナにあるいきさつは、
ダンテの墓の記事でアップしましたが、
フィレンツェの街には至る所にダンテ関連のものがあるのは、
静かにダンテの帰京を願っているのかもしれませんね。





サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(画像はクリックで拡大します)

正面祭壇に柔らかい光を送るステンドグラス。
聖堂のステンドグラスといえば、
やはりシャルトル大聖堂などのフランスを思い出しますが、
イタリアのステンドグラスは、
カトリックの本拠地らしい、
正統的な重厚感が溢れています。





サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(画像はクリックで拡大します)

光の具合がちょうど良かったので、もう一枚。





サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(画像はクリックで拡大します)

そして外から見た時に一番目立つ、
巨大なクーポラの真下に来ると、
ジュルジュ・ヴァザーリ作『最後の審判』のフレスコ画が、
天井一面に描かれています。
聖堂内が質素なだけに、
このフレスコ画が劇的な効果を生んでいます。





サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂

聖堂内の中央には、献灯の燭台がいくつもありました。
ここを訪れたのは昨年の冬でしたが、
今この画像を見ると、
東日本大震災への追悼の灯のように見えます。

本当に一日も早く復興してくれるといいと思います。


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