黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

足尾銅山 #06 足尾駅

2012-10-31 01:38:51 | 産業遺産
8月の頭にブログでご案内した、
足尾銅山の写真家、橋本康夫氏の追悼写真展に、
会期の最後となる9月末に訪た時の足尾銅山のリポート。

足尾銅山・若竹食堂
足尾銅山・若竹食堂

前回アップした小滝の撮影を早々に切り上げ、
本来の撮影を済ませる頃には昼をおおきく回っていた。
次の目的地へ移動する前に昼食をとろうとしたが、
足尾から少し南下した撮影場所界隈には店が一軒もないので、
通洞へ戻って店を探すも、
町に数件しかない食堂に迷う余地はなかった。
そのうちの一つ、若竹食堂へ。





足尾銅山・若竹食堂
足尾銅山・若竹食堂

注文した親子丼は、まんま家庭の味付けで、
懐かしい美味しさが沁みる。





足尾銅山・足尾駅
足尾銅山・足尾駅

次の撮影目的地へ移動する途中、
趣のある駅舎が目に飛び込んで来たので寄り道。
わたらせ渓谷鐵道の終点から一つ手前の足尾駅だ。
沿線には登録文化財が多いことは以前の記事でも触れたが、
この足尾駅も駅舎やホームなど、多くの文化財を有している。





足尾銅山・足尾駅
足尾銅山・足尾駅

構内に佇む保存車輛と貨物用のホーム。
この上屋もまた木造で味わい深いが、
これも登録有形文化財だということだ。





足尾銅山・足尾駅
足尾銅山・足尾駅

窓枠がアルミサッシュになっているのは残念だが、
こういった木造駅舎が現役で稼働しているのは、
見ているだけで楽しくなる。
ところで足尾の駅はプラットホームがやたらと低い。
画像左下に写る階段もなんと二段。
駅にいる途中ちょうど列車が入線して来たが、
車輛のタラップとホームの間にかなりの隙間が出来ていた。





足尾銅山・足尾駅
足尾銅山・足尾駅

窓枠も、一部は木造のままだ。
海抜640米。
東京で言えば、高尾山よりも高い標高だ。





足尾銅山・足尾駅
足尾銅山・足尾駅

ホームの端には危険品庫がある。
これまた趣のある煉瓦造りだが、同様に登録有形文化財。
さらに砂利敷きのホームも文化財だという。
なるほどこうして文化財に囲まれた駅を見ていると、
確かに時間の積み重ねが生み出す独特なオーラが、
構内を包んでいる様に思えた。





足尾銅山・足尾駅
足尾銅山・足尾駅

この日は気温が高く、Tシャツでも大丈夫な位の暑さだったが、
転轍機にたわむれるトンボが、
秋がそこまで来ていることを告げていた。





足尾銅山・足尾駅
足尾銅山・足尾駅

構内の軌道は、現役線の2本とその外側にある係留線の2本以外、
途切れ途切れのものが多く、殆ど廃線状態と化している。
かつて鉱山が栄えていた頃は、
このヤードに多くの輸送用貨車が停泊していたのだと思うが、
今は観光用のお座敷列車が停まっているだけだった。

googlemap足尾駅

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2 Comments

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Unknown (Nylaicanai)
2012-10-31 07:33:09
日光方面への抜け道として、これまで通過するだけだったことを激しく後悔しました。
次回はこの街道を目的に、ひとっ走りしてきます。

それにしても、いつも良いタイミングで良い場所を紹介されますね。
たまりません(^_^)/
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▼Nylaicanaiさんへ (KLO@廃墟徒然草)
2012-10-31 12:00:40
おひさしぶりです!
関東から日光への高速以外の抜け道としても使われているようですね。
足尾にいる間、おおくのツーリングの集団に出会いました。
是非次回は足尾の街も見てみて下さい。
なんと言っても大鉱山街の跡ですから、見どころは満載です!
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