釣り針

おいらがまだ小学校の頃。

おとんと兄貴と知り合いの兄さんとおいらで
川で魚を釣りに行った時にたまたまおとんの
針で釣れたのがすっぽん。

凄いね、針まで飲み込んでいたから釣り針が
抜けへんかった。

もちろん指なんか近づけたらもぎ取られる。

家に持ち帰ったおとんはバケツに水を入れ
すっぽんをそこに入れた。

彼のしばしの間の住処はキッチン。

次の日、一晩考えたおとんはこのすっぽんを
食べようと本当に思っていた。

釣り針が取れるんやったら取って川へ逃がして
やりたいというのが本音やったんやけど、なんせ
釣り針が取れへんからどうしようもない。

一応、泥を吐かせるとかでバケツの水は毎回
取り替えられていた。

おかんが毎日取り替えてたらしい。

1週間が経過。

泥も良い感じにはけたしそろそろいいかなと
おとん。

子供心ながらに気になってた事があった。
どうやって調理するん？

おいらはおとんに聞いてみた。

「なー、このすっぽんどうするん？」

おとんは

「まず首をXXXXして釣り針とってそこから煮て
　まー全部食えるからええやろ。」

やる気満々やんけ！

ちょっと末恐ろしくなったおいらは兄貴と
ともに反対の意見。

結局、このすっぽんは釣り針を飲み込んだまま
川へかえす事になった。

正直、ホッとしていた。

そして、社会人になったおいら。

中国の出張でまさかー、すっぽん料理を食べる事に
なろうとは思わなかった。

ポッポ屋

ウェールズ人の駅員。

息子がまだ歩き始めた頃、家族で電車で街に
遊びに行った。

電車を降りて改札口へ向う。そこには１人の駅員が
立っていた。

歩けるようになった息子は嬉しくて入り口側改札口を
勝手に出ようとしていた。
おいら達は出口側の改札口を出なければならなかった。
それを阻止しなければならなかったおいら。

そして、この行動の意味を全く分かっていなかった
この駅員。

「こっちから出れるから。」と出口側改札口を指差す。

「んなこたー分かってるんや！」とおいら。
なんとか、息子を捕まえ出口をでた。

ロンドンへ行った時。駅でのウェールズの駅員。

電車が来た！電車の中へ乗り込もうとすると駅員が
「その荷物じゃここは乗れないから！」
といきなり怒鳴ってきた。
荷物とは娘が乗っていたベビーカーの事。
おっさん！今のベビーカーは折りたためるんじゃ！

違う車両に乗るように支持されたが予約していた
席はどうなるん？と思いおっさんに聞いた。

「だから乗れないんだって！違う所へいけ！」
とまたまた怒鳴って来たのでイラッとしたおいらは
Fワードをおっさんに言い放って違う車両へ乗った。

話をまるっきり聞いちゃいない。

ロンドンからウェールズへ戻る電車の中で。

１stクラスが格安で手に入ったのでロンドンからの
帰りはフワフワシートの１stクラスを家族４人で乗った。

電車の中で食べようとマックでビッグマックセットx２と
ハッピーミールx２を買った。

電車へ乗り込み、発車時刻を待っていた。
発車時刻になり電車が出発。

おいらはビッグマックをほおばっていた。
嫁と子供達はハッピーミールの玩具で遊んでいた。
音のなる鳥の玩具やった。

そして・・・いきなり変なおじさんが現れた。
「少しだけ静かにしてもらえるかな。」
玩具の音がおっさんにはうるさかったらしい。

乗客の声の方が玩具の音よりもはるかにうるさいし
ましてや電車の音で音という音はほぼかき消されていた。

１時間が過ぎた頃、とある停車駅から乗客が乗り込んで
きた。電車が再度出発。

新たな乗客達がかなり騒がしかったらしく、丁度通り
かかった車掌に
「あそこにいる人達がうるさいから黙らせてくれ。」
と訳のわからん事を言い出した。

なんであんたはここに乗ったん？Quiet 車両があるやんけ。

もちろん車掌は完全に無視。

問題はこのおっさんがどこで下車するかだった。

嫁の観は完璧やった。

おっさんが下車した場所はカーディフだった。
やっぱウェールズ人やった・・・。

車中から

新幹線内にて。
おいらが喫煙者だった頃。

「うっ！死にそう～。」

そういいながら喫煙車両に乗り込んできた
女の人がいた。

それもでかい声で。

タバコ嫌いで煙が充満していて匂いの付いている
車両になぜ乗り込んできたのか？

まさに不思議な人だった。
乗る前に気づくであろう車両の喫煙マーク。
見過ごしなのか？

まーええわ。

自分の車両を目指し、鼻をハンカチで押さえ
嫌な顔をしながら座席の中央通路を突き進んでいった。

喫煙者からしてみればいい迷惑。
そして、誰もが思うであろう何しに気てんねん。
嫌なら来るなや！

そして、迷惑といったら酔っ払ったおっさん。

最終の新幹線の中。

おいらは喫煙車両に乗り込んだ。
車中には3席を陣取ったおっちゃんが座っていた。

おっちゃんは既に、できあがっており多分
おいらの予想からすると新幹線に乗る前に
たらふく酒を飲んで、更に車内でも飲んだのだろう。

なんたって、既に缶チューハイレモン味が２缶
空いており、おっさんの近くにあったコンビニの
袋には缶チューハイレモン味とつまみが大量買い
されていた。

おいらの簡単で単純な予想。

おっさんは途中から歌を歌いだし、よう分からん説教を
自分自身で言い始め、急に爆笑し始めた。

車掌さんが巡回している時におっさんは
「○○駅に着いたらおこせよ！ええな～！」と
車掌さんにいっとった。

車掌さんは何様のつもりや！みたいな顔をしとった。

そしておっさんは深い眠りについた。

おいらも寝た。おいらの目的駅は最終駅だったが
アラームを到着する１５分前にセットしておいた。

ラッキーな事にアラームがなる２分前に眼が覚めた
おいら。

しかし、そこにはまだおっさんが寝ていた。
いびきをかき爆睡中。
おっさんの下車したかった駅は確か・・・。
もう過ぎてるやんけ！

結局、おっさんは最終駅まで連れて行かれた・・・。

お気の毒に。