うまさいと

お馬さんは好きですか?

アジア・オセアニア圏でのレーシングシリーズ。

2005-04-30 02:31:40 | 競馬
ここ最近、アジア・オセアニア圏でのレーシングシリーズの創設が活発化しています。

Asian Mile Challenge
Global Sprint Challenge

これは、1999年に「多国間シリーズ競走」ともいうべき観点から創設されたWorld Series Racing Champion Shipに端を発したものだと個人的に考えていたわけですが、こういったシリーズは数十年前に既に確立されており、1958年に創立したOSAF(南米サラブレッド競馬機構)によって企画された南米国際サーキット(10年足らずで休止)などが存在しました。(※1)

今回は、多国間でのシリーズ競走を実施するにあたって、いくつかの考察をしてみたいと思います。

さて、この様な国と国を跨いだシリーズにおいてまず重要となるのが国の間での競走レベルの問題です。多国間でのシリーズ競走を実施するということは競走レベルもそれなりに拮抗していなければならないわけですが、競走馬の場合は異なる馬場への適正などの側面から、異国間での比較が難しいと言わざるを得ません。しかし、サンプル数はさほど多くはありませんが、シリーズ創設以前に実際に国際競走に遠征した事例を考えれば、自ずと「その国の一流馬がどういったレベルにあるのか」というくらいのぼんやりした像は見えてくるはずです。Asian Mile Challengeを例にとると、日本と香港の一流競走馬のレベルの差というのは、問題視されるほど大きくないのではないかと考えますし、無論、これが一般的な見方であると思います。それぞれの国の競走体系を考えますと、一般的には短距離は香港、中距離以上は日本が有利なのではないでしょうか。

次は検疫の問題です。私はこういった問題に明るくないので引用しますが、

オーストラリアとの「競走馬のための家畜衛生条件」が締結されました(JAIR 2002 11 19)

のように、まだまだ未整備な部分があると思います。この上の記事は、豪州馬はJCなどに参戦するために日本に遠征することができるけれども、逆の日本馬が豪州に遠征することが事実上不可能であったということを指摘しており、この輸出に関する条約が2002年11月7日付けで締結されたというのがこの記事の趣旨です。これに先立って、同じようにシンガポールとの条約も2002年3月15日に締結されており、エアトゥーレが参戦したのは記憶に新しいでしょう。今までは行ったら帰って来れなくなる条約だったので。

しかし、最近では競馬において交流がある国々との条約の締結が進んでいるということもあり、さほど問題になるわけではない、とも考えられるのですが、その辺りはどうなのでしょうか。実際に遠征された関係者の方に聞くのが一番ではあるのですが、どなたか意見をお寄せになられないかしらとか言ってしまいますよ。


こういった障壁を解消することにより、より一層アジア・オセアニア圏の交流の活発化を図るという明確な目的の元で施行されるならば、レーシングシリーズの創設は自ずと結果が出てくるのではないでしょうか。Asian Racing Federation(アジア競馬連盟)によると、アジア圏においてだけでも世界における投票券の売り上げの64%、サラブレッドの生産頭数の39%、サラブレッド競走における総賞金の51%を占めているらしい(Asian Mile Challengeの公式サイトより引用)ので、そういった交流が活性化すれば、欧米に偏りがちな競馬資本を、この圏内においてある程度流通させることができるわけです。

といった辺りで今日は眠たいので寝ます。続きはまた今度。


※1.長距離競走の復権はなるのか2。(3/10)のコメント欄、Lucky Boyさんのコメントよりほぼ引用。