岡田先生ホームページより転載です。
拝読すると、高齢者もそう重症化しないで軽快するのが大半ようだ、と分かりました。
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(2022.2.28 改訂)
NEW!
(7) オミクロン株に感染したら
「風邪ていど!」と評されることの多いオミクロン株感染ですが、自分が感染したら、どうすればいいのかをまとめました。
私が診療を担当している高齢者のうち、数十名がオミクロン株に相次いで感染しました。入院先がみつからないまま、(コロナ専門病院でないにもかかわらず)治療に当たらざるをえない状況になったときの経験と、海外のレポート情報を交えたものです。
まずテレビでは、重症化した人の数ばかりが強調されていますが、米国での調査によれば「デルタ株」に感染した17,000人中、人工呼吸器が必要になるほど重症になった人は11人でしたが、「オミクロン株」に感染した人52,000中には、ひとりもいませんでした。
ワクチン接種や持病の有無は、重症化に影響しません。ただし糖尿病のある人は、血糖値が大きく乱れることがあります。これはウイルスのせいではなく、薬がきちんと飲めなかったり、食事などの生活習慣が不規則になっていたためと考えられます。
主な症状は、発熱、鼻水、頭痛、倦怠感、くしゃみ、咽の痛みの6つです。そのうち発熱の期間に関するレポートはありませんが、私が診療した高齢者ではほとんどが2日以内に解熱していました。「他人に感染する力はインフルエンザ以上」、「症状はインフルエンザより少し軽い」というのが私の分析です。
自分が感染しても、慌てないことです。医師から陽性の診断を受けると、解熱剤や咳止め、去痰剤、抗アレルギー剤、抗生物質など数種類の薬が処方されると思いますが、ほとんどの薬は必要ありません。高熱が続く場合、アセトアミノフェンという成分名の解熱剤(熱さまし)が安全で有効です。熱がある間だけ1日3回服用するとよいでしょう。ただし予防効果や重症化を抑える効果はいっさいありませんから、熱が下がったら終わりにします。
普通の風邪でも同じことですが、熱が出るのはウイルスの増殖を抑えるための生体反応ですから、本当は薬で下げないほうが早く治るはずなのです。
漢方やサプリメントに期待する声もあるようですが、エビデンスはなく、飲み慣れないものを服用して体調を崩してしまう人もいますので、要注意です。世界中の専門家が勧めるのは、薬でもサプリでもなく、果物をしっかり食べることです。特に発熱などで食欲が落ちた場合は、水分と果物だけでもしっかり摂るようにしてください。
症状が軽快してきたら、なるべく体を動かすようにすることです。自宅療養を指示されている期間は外出できませんが、家の中でも軽い運動はできるはです。ただし慣れない運動を急に行うと、むしろ逆効果になるとの研究結果もあり、ほどほどが肝要でしょう。なおオミクロン株に感染したあと、立て続けに2つめのオミクロン株(BA.2)に感染する人が少なくないと、海外で報告されています。「自然免疫ができた」と気を抜かないよう。
【参考文献】
1) Landon E, Which over-the-counter medications are best for coronavirua symptomes? UChicago Medicine, Dec 21, 2021.
2) Moyer MW, 'I had never felt worse': long covid sufferers are struggling with excercise. New York Times, Feb 21, 2022.
3) Omicron - symptoms and hospitalised patients. NSW Goverment, Jan 21, 2022.
4) Reduced hospitalization risk, shorter stays for Omicron patients: US study. Medical Xpress, Jan 12, 2022.
5) Lewnard JA, et al., Clinical outcomes among patients infected with Omicron (B.1.1.529) SARS-CoV-2 varinat in southern California. medRxiv, Jan 11, 2022.