国語塾長、情報集めて考えます・書きます的ブログ

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もへじ便り、2月より

2020-01-25 14:03:24 | 日記
えひめのつき
という品種
松山の友人からです
冬みかん以外が出回る季節になりました




2月のお便りをつくりました。
そこに書いたものを一部ここに転載します。



★私の冬休み読書★

「診療内科を訪ねて ~心が痛み 心が治す~ 新潮文庫 夏樹静子」
 
作者の夏樹静子さんは高名なミステリー作家。重症の腰痛が心療内科で治癒したという経験を持つ。そんな作者が、さまざまな身体的不調を持つ人をインタビューして、心と体の親密な関係を記した本。改めて心身一如(いちにょ・・不可分であること)だと思わせられた。

「絵のない絵本  アンデルセン 角川文庫」

昔に読んでまた読みたくなり、再購入したら塾の本棚にあり(トホホ)静かな本。お月様が、屋根裏に住む孤独な絵描きに自分が見てきた人や景色を話ししてきかせる。そうして、自分の話を絵にしたら、美しい絵本ができるだろようよ、と。このストーリーは宮沢賢治が「セロ弾きのゴーシュ」を書くヒントになったかな、なんて、妄想ですけど。アンデルセンはヨーロッパのあちこちを旅していて、書かれている情景は彼が見たものといっていい。私は彼の生まれた町(オーデンセ)を訪ねているので思い出しつつ再読。再々読しそうな本だ。

「猫にかまけて 町田康 講談社文庫」
 

町田康氏は芥川作家にして、パンク歌手。彼のデビュー作の「くっすん大黒」はリアルタイムで読んだが「合わない」と以降読まない作家だった。しかし今度は合いました。以前はダメ、と感じた文体で猫を描く、それがおもしろくて。猫好きな作家は多いですが、この本は当たり。

★ただ今読書中★

「病牀六尺 正岡子規 岩波文庫」

 これ、名著、といわれている。しかしねえ・・私にはその理由が分からず。長い間本棚で冬眠していただいていた本。今回、手にとっておもしろかった・・ちびちび読書中。

「平安朝の生活と文学 池田亀鑑 ちくま学芸文庫」

これは平安朝といいながら、主に平安女子(貴族)の生活ぶりをつぶさに追っている。めっちゃおもしろい。これも本棚で寝ていた本の1冊。
 年を重ねると、今までつまらなかった本がおもしろくなったりするんだと感じた冬休みでした。

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

★2月(如月)・・節分・立春★
 節分は季節を分ける・・ということで、本当は4回あります。
立春・立夏・立秋・立冬の前日はみんな節分だったのです。しかし、いつの間にか立春の前日だけを、節分だけをいうようになりました。
節分の豆まきの起源は、706年に疫病が流行った折り、当時の文武天皇が「追儺(ついな)」という儀式を行なったことが始まりといわます。これは、病気や不作を鬼の仕業として追い払う中国から伝わった行事です。
 

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雪をめぐりて その2 宮澤賢治の詩

2020-01-19 00:17:59 | 日記
昨年の今頃
少雪でしたが、大寒の気配がありました



小学生用論理エンジンテキスト(上級)にある詩です。

::::::::::::::::::::::::::
作品  一〇〇四番  宮澤 賢治

今日はあかるくにぎやかな雪降りです
ひるすぎてから
わたくしのうちのまはりを
巨きな重たいあしおとが
幾度ともなく行きすぎました
わたくしはそのたびごとに
もう一年も返事を書かない
あなたがたづねてきたのだと
自分で自分に教へたのです
そしてまつたく
それはあなたのまたわれわれの足音でした
なぜならそれは
いつぱい積んだ梢の雪が
地面の雪に落ちるのでしたから

::::::::::::::::::::::::

あかるくにぎやかな雪降り・・・・
雪の降る地域の人にしか分からない春を感じる雪の降り方ですね。

今年は、今のところ無雪に近い長岡市内です。
60年ぶりとかいう話です。
怖い気もしますし、降らないと困るお仕事もあるし。
天の神様、白いもん下さいよ、の心境。
勝手なものです。



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春の七草

2020-01-12 07:43:48 | 日記
教室のホワイトボード



7日は、七草粥(かゆ)の日でしたね。
皆さんは、召しあがりましたか。
私は、うっかり忘れていて・・今年は食べず。
残念。
::::::::
七日、雪間の若菜摘み、青やかにて、例はさしもさるもの目近からぬ所にもて騒ぎたるこそ、をかしけれ。」(「枕草子」)
::::::::::

とまあ、平安の昔、清少納言も若菜摘み(七草)をつんで楽しんでいたようです。

正月七日に七草粥を食べる風習は、平安末期から始まったらしいです。
食すと、その年は無病息災でいられるという言い伝えがあるそうです。

さてその春の七草ですが・・・
せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ
です。

こんなふうにおぼえます。
  せり なずな
 ごぎょう はこべら ほとけのざ 
 すずな すずしろ これぞ 七草

ちなみに
すずな(かぶ)すずしろ(大根)以外は、田んぼのわきなどに生えているいわゆる雑草です。
まあ、かつてのビタミン補給ですね。((^_^))

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雪をめぐりて その1

2020-01-04 19:51:57 | 日記
元日早朝
今年は今のところ暖冬傾向
有り難いですが
スキー場が心配になる





太宰治は、「津軽」の冒頭で、次のように書いている。

津軽の雪
 こな雪
 つぶ雪
 わた雪
 みづ雪
 かた雪
 ざらめ雪
 こほり雪
雪のことを書こうと思うと、まずは、いつものことだが、これを思い出す。


そして
シンガーソングライター・イルカさんの「なごり雪」


汽車を待つ君の横で 僕は時計を気にしてる
季節はずれの 雪が降ってる
東京で見る雪は これが最後ねと
さみしそうに 君がつぶやく

なごり雪も 降るときを知り
ふざけすぎた 季節のあとで
今 春が来て 君はきれいになった
去年よりずっと きれいになった

これ、自身の思い出とかなさるので、特別な気持ちになる。
時は過ぎ去る・・・


私が一番すきな雪のことばは

風花(かざばな・かざはな)

晴れた空をひとひらずつ舞うように落ちてくる雪のこと。
風流な言の葉だと思う。
ところで
この現象は晩冬に多く、春が近いことを知らせてくれてもいて、言葉のはかなげな美しさと共に、何となくわくわく感もある。


お読み下さっている皆さんは、どんな雪の言葉が好きですか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2020年は、塾のお知らせとは別に、思いつくことなどつれづれなるままに週末更新したいと思っています。
がんばります!




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謹賀新年 

2020-01-02 21:09:40 | 日記



正月の言葉にはいろいろとある。
それを思いつくまま書いてみたい。

春を寿ぐ(ことほぐ) 
賀春
賀正
迎春
新年を賀す 
初春を祝す

謹賀新年
謹んで新年をお祝い申し上げます
謹賀新春
謹んで新春をお祝い申し上げます
恭賀新年
恭(うやうや)しく新年のお喜びを申し上げます。

少し風流に
春風献上← これ、好きです(^_^)

正月なのに(厳冬なのに)何故に「春?」という疑問もあろうかと思います。
旧暦や俳句の季語などでは、睦月(正月・1月)は「初春」なのです。
年が改まってすぐに春。
というとらえ方です。
ちなみに、旧暦の新年(1月1日)、今年は1月25日となります。
2月がすぐそこ。
そこそこに暖かい地域では早咲きの梅がほころぶころ。
沖縄などでは、ヒカンザクラが咲き出すころ。

そして

梅一輪一輪ほどの暖かさ 服部嵐雪
意味:梅が一輪咲いた、見ているとかすかだが、一輪ほどの暖かさが感じられる。。
こんな感じがぴったりの時期となるのです。

嵐雪は、松尾芭蕉の弟子(蕉門十哲の1人)
芭蕉が葬られた膳所の義仲寺の墓前で
この下にかくねむるらん雪仏
とよんだ。

(おまけ)
「梅の花 一輪咲いても梅は梅」
新撰組副長、土方歳三の句。
前述の句を本句(本歌取りのように)として詠んだものですね。
趣味で俳句を詠んでいたそうですけど。
うーん、上手ではないと思う、はい。
うちの塾生でも、このレベルはよみそう・・・・
(すみません)
ほめるとすれば、かざりがないというか・・・。
かな。

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