蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

流氷  (bon)

2021-01-24 | 日々雑感、散策、旅行

  昨日、久しぶりに降る関東の雨は、夜半に雪に変わるかと思っていましたが、
今日もそのまま細かい雨が続いています。
 寒いですが流氷のお話です。

 今年は、寒波の影響で、流氷は全体として順調に南下しているそうで、網走地方
気象台は17日(ちょうど1週間前)に「流氷初日」を観測したと発表がありました。 
これは、平年より4日早く、記録的に遅かった昨シーズンに比べると23日早い観測
だといいます。

 私が流氷を見るために網走に旅行したのは、2010.1.27~30ですからもう11年も前
になるのですが、この時は流氷が遅く、着岸していないし、流氷観光船『おーろら
号』で沖に出ても、ハスの葉のような小さなシャーベット状の氷が浮いているだけ
で流氷ではなかったために乗船料金が割り引かれた記憶があります。

      流氷遠望(2010年に訪れた時のもよう、ウトロより)
       


 流氷というとどこかロマンティックなひびきを感じますが、少し前に届いた会報
に『北国の風物詩・流氷』(高橋修平氏、北海道立オホーツク流氷科学センター所
長)と題して流氷のあれこれが、分かりやすく、楽しく、そして誇らしげに述べら
れていました。

 北海道にやってくる流氷は、北半球の南限だそうで、オホーツク海沿岸は北緯44
度で北半球では最も南にある流氷なんだそうです。 南半球でもこれほど低緯度に
流氷はないので世界で最も低緯度の流氷なのだそうです。海水が凍り『海氷』となり、
流れる海氷を『流氷』というとあります。

 この流氷はどこから来るのか?  以前は、アムール川河口で流氷が現れそれが
北海道に流れてくるとされていたようですが、現実には、アムール川ではなくシベ
リア沿岸やサハリン東岸から流れて来ることが分かったそうです。

   オホーツク海の流氷が広がる様子    紋別ー網走ー斜里-知床
       
      (高橋氏資料より)

 

 図からもわかりますが、シベリア沿岸やサハリン東岸で発生した流氷は、東樺太
海流に乗って南下し、稚内を回り込んで流れる宗谷暖流に乗って紋別、網走に流れ
着くのだそうです。

 オホーツク海が凍りやすい理由が3つあり、①シベリアからの寒い風、②閉じら
れた海 オホーツク海は千島列島、シベリア、サハリン、北海道に囲まれていて、
太平洋、日本海からの熱が入りにくいのだそうです。 ③塩分二重構造の海 深さ
50mの浅い表層は塩分が薄く、それより深いところは塩分濃度が濃い二重構造となっ
ているため表層だけで対流して冷却されるのだそうです。

 流氷の底の穴に小さな藻類が付着し、それがプランクトンを生み食物連鎖によっ
て多様で豊かな海が構成され流氷により恵まれた漁場が構成されているのですね。

 しかし、昨今の地球温暖化によって、流氷は減少傾向にあり、このままでは流氷
が来なくなる確率が、2050年代には50%。2110年代には84%などと推定されていて、
北海道の流氷は『絶滅危惧種』だと述べられています。 

 今回の新型コロナ感染対策のために、全世界で活動自粛規制が行われて、空気中
の二酸化炭素が大幅に減少し、大気の温暖化に歯止めがかかったともみられ、流氷
が再び勢力を盛り返す可能性があるとも述べられ、『そうだとすれば、今回の新型
コロナの影響は、奇しくも自然界に対する人間活動の影響を知る壮大な実験になる
かもしれません。コロナウイルスは、地球上に人間が増えすぎ、経済活動が活発に
なり過ぎた結果、地球環境が人間を養う限界に来ている警鐘とも言えます。』 と
結ばれています。

         

 11年前には流氷を確認できませんでしたが、オホーツクの真冬を堪能しました。
斜里(ウトロ)、知床半島、網走、濤沸湖、相撲(大鵬)記念館、阿寒湖、摩周湖
等をレンタカーで巡り、途中鹿の群れや、オジロワシなども見ることができ満足で
した。(以下は、当時の写真から・・)

羅臼岳                 ウトロ 道の駅で

         冬の摩周湖
         
         

 また、昭和33年に個人が開館した「北のアルプ美術館」も印象的でした。串田孫
一氏などが中心となり山の文芸誌「アルプ」を創刊し、百名山でご存知の深田久弥
氏らも執筆され、出展されていますが、館内は、山の写真のほか、絵画、手芸、
ガラス工芸、陶芸など薫り高い作品が展示されていました。

       北のアルプ美術館
       

 懐かしい想い出です。

 今日は、埼玉のこの辺りは初雪になるのでしょうか・・。

 

 

オホーツクの舟歌 Ohootsuku no funauta( 倍賞千恵子 Baishou Chieko)日本語・ローマ字歌詞付き(With Lyrics in Rōmaji)

 

 

 


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