蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

電磁パルス  (bon)

2023-08-24 | 日々雑感、散策、旅行

     甲子園は、慶応が107年ぶりという優勝に輝きました。仙台育英も頑張りました。
     ロシアのウクライナ侵攻が始まって、1年半が過ぎ今後長引く戦争が世界を分断に
     追い込む危険が生まれてきました。今日のテーマも物騒極まりない話題です。

 

 今週月曜日(8/21)のNHKクローズアップ現代で、『もし核兵器が使われたら』の
テーマで、具体的な国名、アメリカ、ロシア、中国、北朝鮮を挙げて、どのような被害
が起きるかなどのシミュレーションによる“身に迫る脅威”が報じられていました。
 その中で、「電磁パルス攻撃」により電子機器を故障させ、停電を始め身近な電子
機器はもちろん、政府関係、金融、交通、医療、物流などほとんどのインフラシステム
が麻痺する事態を引き起こす危険も論じられていました。

       これは太陽フレアで自然発生の電磁パルス
        (ヤフーニュースより)

 ここ数年、北朝鮮は次々と「人工衛星?」を打ち上げ、進化させて来ていますが、
その中で、上空30~400㎞の高高度での核爆発による「電磁パルス攻撃」にも触れら
れており、にわかにこの問題が浮上して来ているようです。北朝鮮は、今日から月末
までの間に、「人工衛星?」を打ち上げると自信たっぷりの計画を発表しており、早速
今朝には発射した模様ですが詳細は調査中とのことです。

 

 また、昨年の208通常国会における質問(2022年6月提出)「電磁パルス攻撃に対
する防衛に関する質問主意書」にも、これによる被害の甚大さを想定した質問が出さ
れていました。

 質問に至る前文(ここでは省略)に続いて以下の6項目が質問されていました。

一 電磁パルス攻撃に対する防護の予算において、政府が検討している防護すべき施 
  設は何か。

二 政府は電磁パルス攻撃から一の施設を防護するために、どのような手段を検討し
  ているのか。

三 ミサイルに搭載した水素爆弾を、高高度で爆破される前に破壊して機能を喪失さ  
  せることは技術的に可能か。
四 電磁パルス攻撃を受けた時の基幹インフラに対する被害について、規模の想定は
  どうか。

五 基幹インフラを防御するための施策について検討はされているか。
六 民間のインフラ事業者が、電磁パルス攻撃対策を実施する場合、国として支援す
  る必要があると考えるが、政府の見解はいかがか。

七 万が一、我が国が電磁パルス攻撃を受けた場合、どのように復興に取り組むか計
  画はできているか。

 これに対する答弁は、「具体的な状況が明らかでないため」や「事柄の性質上」お応
えできないとありました。

 

 ここで「電磁パルス攻撃」とはどういう攻撃か、そして「電磁パルス」とはなにか?
などについて、概要レベルで整理してみました。

 電磁パルス(EMP: ElectroMagnetic Pulse)とは、強力なパルス状の電磁波で、
大規模な太陽フレア(太陽の爆発現象)に伴って発生するほか、上空30km~400kmの
高高度での核爆発などにより発生させる兵器として考えられています。
 高高度で核爆発が起きると、発生したガンマ線が大気を構成する窒素や酸素などの
分子に衝突し、分子に含まれる電子がはじき飛ばされて強力な電磁パルスが地上に襲
いかかる仕組みです。

      (日経XTECHより)

 10キロトンの核爆弾がニューヨーク付近の上空135キロで爆発した場合、被害
は首都ワシントンを含む米国東部の全域に及ぶとの報告があるそうです。

 大気圏外の爆発なので、人体に直接の影響はないものの、身近なスマホやパソコン
などの電子機器を損傷・破壊はもちろん、電子機器を使用した通信や電力、ガス、上下
水道、医療、金融、物流・交通などのインフラシステムに障害を生じさせるというの
です。
 ちょっと考えてみると、このことは、停電で電気が使えない、通信・移動手段がない、
食料・飲料水はどうする、冷暖房もない、病院は機能しない・・このような状況が長く
続いた場合人々はどうなるでしょうか? 恐ろしいですね。 たった1発で国が滅び
てしまうかもしれません。

 

 この電磁パルスは、波長や照射時間などが異なる3種類に分けられ、地上の電子機器
に時間差攻撃で破壊してくるのだそうです。アメリカなどで、実験が行われてその威力
などが確かめられているとのことで、NHKテレビの「クロ現」では、実験室内にドロー
ンを飛ばして、このEMPを照射すると、たちどころにドローンはマヒ状態となり落下
しました。

              

 これらの攻撃があったとして、どのような防護策が出来るのか、各国で研究が進め
られているとのことですが、明らかにはなっていないようです。ただ、電磁パルスを
防御するには、
電子機器を電磁波から遮蔽することですから、それらの電子機器をシー
ルドすればよいことになります。ファラデー・ケージという遮蔽籠が一般的ですが、
ケーブルをシールドしたり、大規模なサーバなども工夫が必要となります。

 通信センターやデータセンターの機器をEMPから防護する指針として、ITU-T勧告
「EMPに対する通信装置の耐力要件」が制定されています。この規格では、高度数十
kmで核爆発が起きた場合を想定し、通信装置に対するEMPの侵入形態ごとに、通信装置
に要求される耐力が規定されています。

              

 考えるだけでも恐ろしい兵器ですが、核爆弾を地上に落下させるより、高高度で爆発
させるのはより技術的には難易度は低いとされていて、その影響は広範囲に及ぶこと
から、兵器として有望視されているようですが、果たして現実的なのかどうか疑問視
するグループもあるそうです。
 つまり、北朝鮮がこれを日本上空で実行すれば、その高度により自国にも影響が及ぶ
ことになり、ロシアがウクライナに仕掛けたとすればやはり同じことになる。 遠く
アメリカの上空を照準としたとすれば、そこに到達する前に迎撃され、逆に発射した
国にミサイルが飛ぶ・・だから、そのようなことは起きないのではないかとの見方で
すね。

            

 クローズアップ現代では、電磁パルス攻撃の他、核爆弾がテロや誤動作などによる
偶発的使用の確率が計画的に使用するのと同じくらいの確率だという話題が印象的で、
これは防ぎようがない人類破滅の危険性が十分にあるということなんですね。

 

 

前半は、ロシアのウクライナ侵攻の動画ですが、後半に電磁パルスが・・

人類の悪意の化身!?禁断の文明破壊兵器「EMP爆弾」の恐ろしさ

 

 

 

コメント
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