goo blog サービス終了のお知らせ 

蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

行きずりの人  (bon)

2017-03-27 | 日々雑感、散策、旅行

 突如、22日から1泊で大阪に行く用事ができ、少し前から体調はあまり良くはなかったの
ですが、まあ、無事に23日帰宅しました。 22時半過ぎでしたが、その時はもうフラフラの
ような感じで、少し熱めのお風呂に入って布団にもぐりこみました。 翌日、熱を測って、
あわててお医者に・・。 で、ずっと寝込んでしまいました。風邪ということで。
 ブログも気になっていましたがどうしても気力がついてこずに失礼してしまいました。
申し訳ありません。  まだ、身体がだるく生気が戻っていませんが、熱は下がったような
ので・・。

 前置きが長くなってしまいましたが、22日 東京駅発12:03のひかり471号に駅弁とお茶を
買って乗車しました。殆ど満員の感じで、それも外国人の多いことに驚きました。 
私は、12号車9番D席(通路側)で窓側が空いていました。  12時も過ぎているのでおべん
とう・・と思いましたが、新横浜が過ぎてから、お弁当を開こう・・そんなことを思ってい
ましたら、品川駅で乗車されたご婦人が、私の窓側に着席されました。 小型のキャリー
バッグと小さなリュックを膝の前に置いて、ひと呼吸して・・。

        

「どちらまで行かれますか?」
「新大阪までです。そちらさんは?」
「私は、岡山までです。 私は、昨日カリフォルニアから来ました。 いつもはユナイテッ
ドなんですけど、今回は日本航空でしたから、日暮れに着いたために外は暗く、空港近くの
ホテルに泊まり、今朝早く出て、歌舞伎座を2幕だけ見て、これに乗り込みました。」

「カリフォルニアは、どこでしょう?岡山はご実家かなにかでしょうか?」
「サンフランシスコ郊外に住んでおります。 もう、50年以上も住みついています。息子
は2人いて、一人はシスコ近くに、もう一人はワシントンD.C.に住んでいます。」

「ああ、で、今回はどのような目的で・・?」
「私、ちょくちょく日本に来ています。昨年10月には青森に行ったんですけど、その時
隣に座っていた人が、おいしいお魚がたくさんあるのは函館ですよ・・といわれて、その
まま函館に行ったのは良かったけれど、外は寒くて出歩けず、結局駅周辺で済ませたり・・。
今回も、とくに用事があるわけではなく、まあ、岡山に止まって、荷物を軽くして周辺を
見て回り、次は、広島に宿を予約しています。 そして、宮崎、鹿児島まで行きます。今日
から1週間の行程です。」
「あぁ。」

「こんなのがあるんですよ。Japan Rail Passといって、外国で手続きをして買うんです。
1週間,2週間、3週間のがありますが、私は1週間にしました。この間の列車は、新幹線は
ひかりまで、後は特急すべて指定席でOK,」
 見せてもらうと、1週間 鹿児島までと帰りの切符が入っていて、なんと29000円何がしか
でしたからかなり割安でした。

         JAPAN RAIL PASS
          (同HPより)

「日本は、外国の人に来てもらいたいから、このようなサービスをしているのです。便利です。
しかし、のぞみは乗れないのです。」

「エキストラチャージを払えば、乗れるようにしたらいいですね。」

「そう、時間がもったいないから、早く行けるのに・・。私は希望します。」

          
                   
 

 「私は、聖心女子学院から、途中編入でサンフランシスコの大学に入りました。既に英語
は出来ましたので、スムーズでした。 卒業後はすぐに、コペンハーゲンの大学に入りまし
た。そこを2年で卒業して、今度はスイスのチューリッヒの大学にさらに2年間学びました。」

「それで、何を専攻されたのですか? 今、おいくつですか?」
「83歳です。専攻は心理学です。」
「それで、お一人で旅行・・。お元気ですね。」
「結局、アメリカ4年、ヨーロッパ4年で、8年外国で過ごして日本に帰りました。 私は、
粉末スープのKnorrと日本の味の素とジョイントヴェンチャーの時に関わりを持ち、横浜に
しばらくいました。その時、公認会計士だった人が今の主人です。 それで、主人がアメリカ
に帰る折に私も一緒にアメリカに行きました。」

 静岡に止まり、前の席の外国人が降り、入れ替わりにまた外国の人が座りました。背もた
れを倒したいそぶりで後ろを向いたとき、“Yes, you can recline.”とさっと言ったときは、
なるほど! と思いました。  それにしても、お弁当を食べ損ねてしまっていて、
“ま、いいや、大阪の現地に着いてから食べればいい。” そんな風に思い込んで、お茶だけ
少し飲みました。 夫人はお茶も飲まないで・・。 私は、先ほどから、少し熱っぽい感じで
顔が火照ったようになってきました。

         

「Knorr側から大変感謝されて、お礼に金時計をもらいました。」「私の結婚する前の名前
は○○といって、とても珍しい名前です。祖先は九州の武将だったらしいですけれど、だん
だん上って、甲斐の武田に付いたようなんです。 そこで何でも、大きな手柄を立てたとか
で、広い領地をもらったそうです。 祖父までは、その土地を切り売りして生活をしていた
ようでしたが、父の代になって、当時珍しい医療機械の仕事を始めました。今も、甲府市に
○○医療機械の会社があります。 大した人だったのですよ。」

「そうですか、会社は今も存在するのですね。 ところで、今のお名前は何とおっしゃるの
ですか?」
 笑いながら、「アレキサンダーというんですよ。」
「うわぁ、アレキサンダー大王! すごいですね。で、下の名前は?」
「ともこ・・です。 主人は、その両親もフィンランド人ですから、100%フィンランド人な
んです。」

 ひかり号は、名古屋に来ました。
「この少し離れたところに刈谷というところがありますが、そこに知り合いがいて、かって
遊びに来たことがあります。トヨタの関係会社そこの貿易部門の人でしたね。 日本はどん
どん変わってきますね。街はきれいになって来るし、交通も便利。しかし、障害者、例えば
車椅子の人に対する感情はまだ差別的なように感じますね。アメリカでは、全く普通の人と
同じ感覚で接しています。それは立派だと思いますね。なにしろ、ベトナム戦争で、障害者
がどっと増えているのですから・・。」
「30年ほど前に、アメリカの児童肥満が問題だったと記憶していますが、その後どうですか?」
「これはもうだめですね 。肥満だらけです。 食べて、動かない、糖の取り過ぎ・・」
 
        

 新大阪到着の社内放送があり、それにジッと聞き耳を立て、聞き終わって・・

「あっ、もう来ましたね。それじゃ!」とさっと右手を差し出され、
「良いご旅行を楽しんでください。」と固い握手をしてお別れしました。



 お弁当の賞味時間を確かめてみましたら、何と16時となっていて、今、1時間前。これを
そのまま現地まで持って行くのはどうか? と思い、袋のまゝ、ゴミ箱に入れました。
身体は、何となく熱っぽく感じていました。

     (文中〇〇としましたのは、個人を特定してしまわないためです。
       また、お話は、このほかトランプ大統領やメルケル首相などもありました。)

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする