goo blog サービス終了のお知らせ 

蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

戸惑う外国人社員  (bon)

2015-03-01 | 日々雑感、散策、旅行

 今や、日本企業で働いている外国人はたくさんいます。 かってのように、目立つ存在ではなく、もはや自然な
感じに思える場合も多いです。 
 かって、私の職場にも若いアメリカ人や東洋人たちがいましたが、トラブルのようなことは一度も経験したことは
ありません。 言葉の問題も、たまに難しい時もありましたが、同じ職場・・ という事でもあり、問題意識が共通して
いますので特段の違和感はなかったように思います。

 しかしながら、飲食店や販売店の店先で、若い外国人の店員に対応されるとき、何かしら頼りない、こちらの真意が
汲まれていない、マニュアルっぽくて心が無い・・そんな感じを抱いたことはあります。

 何時もネット配信していただく、H氏の記事に、「20代外国人社員に聞いたサラリーマン文化の『謎』」という
タイトルの記事がありましたので、以下に転載させていただきました。

 このような視点は、初めてですので、私の感じから言えば、ここでの事例で延べられている内容は、むしろ意外な
感じがしました。 何だか特別な企業でのことのような感じもしたり、合点のゆくところもありますが、奇異に感じる
ところもあったりしました。

 記事に入る前に、全体の状況を把握しておくために、厚労省HPから、外国人労働者の届け出状況
(H26年10月)から、引用しました。

・外国人労働者数は787,627人。前年同期比で70,123人(9.8%)増加し、2年連続で過去最高を更新した。

・増加した要因は、現在、政府が進めている高度外国人材や、留学生の受入が進んできていることに加え、
雇用情勢が、一部に厳しさが見られるものの、着実に改善が進んでいることが考えられる。

<国籍別の状況>
・中国 311,831人(全体の39.6%) [前年同期比2.6%増加]

・ブラジル 94,171人(同12.0%) [同1.4%減少]

・フィリピン 91,519人(同11.6%) [同14.2%増加]

・ベトナム 61,168人(同7.8%) [同63.0%増加]

     (参考)ネパール24,282人(同3. 1%) [同71.3%増加]

・特に、ベトナムは前年同期比で23,631人(63.0%)、ネパールは、同10,107人(71.3%)それぞれ増加しており、
大幅な増加となっている。

                 記事内容とは関連がありませんが・・
                         (ネット画像) 

 それでは、前置きが長くなりましたが、以下にコピペさせていただきました。

******************************

  「20代外国人社員に聞いたサラリーマン文化の『謎』」 COURRiER Japon編集部 

            COURRiER Japon  2015年2月号 p84-89

 

【要旨】日本人ビジネスパーソンが海外の各地で活躍するのみならず、日本企業の国内の現場で外国人が働く
「内なるグローバル化」も、近年ますます
進展してきている。オフィスや取引先で見かけることが多くなった外国人
員たちにとって、言葉が通じづらい、また異文化、異なる習慣のなかで自分が本来もつ能力を発揮するのは、
たやすいことではない。本記事は、日本企
業に勤めはじめた「日本以外の大学を卒業した20代」の外国人社員に、
驚い
たこと、困っていることなどを尋ね、聞き出したエピソードや意見を集めたものだ。
彼ら彼女らが「絶対匿名」を条件に語った、日本企業の「就活」「研
修」「職場」「上司」「制度」などにおける指摘は、
なかなか日本人には見
えづらい盲点をつくものだった。

  ------------------------------------------------------------

  「ちゃんとリクルートスーツを着て、周りの学生同様に礼儀正しく就活したのに、いつもグループ面接で落とされた
のです」。悔しそうに回想するの
は、香港出身で流通企業勤務の女性、ワンさん(仮名・以下同)。「グループ面接の場で
周りの参加者を論破していたのがいけなかったのですね。私は
日本の大学院で学んだディベートの能力を
問われているのだと勘違いしてい
ました」。彼女は、「面接で自己主張をしてはいけない」という企業側の暗黙の
ルールに気付けなかったため、最初の希望業界に入れなかったという。

  企業のほうも、どうして外国人社員を雇うのに日本的な基準を適用してしまうのか。通信会社勤務の台湾人女性、
リンさんはこう指摘する。「『グロー
バル化への対応』を掲げている企業でも、採用したら日本人顧客を相手にす
部署に配属させるからでしょう。私もいきなり営業の前線に配属されまし
た。ある顧客は私と話しもせず
『日本語がわかる人を呼んで』と言ってきた
り…。ともかく、入社して気付いたのですが、採用戦略を考える人と
現場の
間で意思疎通ができていないのです。だから採用プロセスは昔のままで、あとは現場任せ、となるのでは」
 もちろん外国人用の採用枠を設けて日本人とは別に選考する企業もあるが、それは「外国人枠ではなくて英語枠。
単に通訳を求めているだけではないで
すか」とリンさんは手厳しい。

  日本人にとっても退屈な座学の研修は、やはり評判が悪いようだ。メーカー勤務の韓国人男性ソンさんは、
研修の目的は「洗脳」ではないかと疑ってい
る。「会社の歴史をえんえんと講義されたあと、私の周りでは
『この会社を
好きになれない者は悪人だ』という雰囲気ができあがりました」。その雰囲気に同調しなかったソンさんは、
さらに厳しい研修を受けさせられたという。
「何度も、人間としてあなたが間違っているところはどこですか、
みたいな
質問をされました」

  金融機関勤務の英国人男性、レスターさんも、最初は研修の雰囲気に驚いたという。ただし、後になって実感した
メリットもあった。「新入社員はみ
んな経験も知識もありません。だけど研修期間は、普通に給料を出しながら
会社員として育ててくれる。さらに私の場合は、配属されたらすぐに重要な仕事を任せてもらえました。
研修のおかげで違和感なく仕事に入れたことに
は感謝しています」

  こう語るレスターさんの会社のように、研修内容が実際の業務に直結している場合は、評価も高いようだ。
逆に、ただ会社の理念を注入するだけの研
修では、グローバル人材の育成から遠ざかってしまう。韓国人の
ソンさんは、
こう指摘する。「新卒で私が経験したような研修を受けた外国人社員は、退職後も日本企業の文化が
体に染みついてしまい、他の国で仕事を探すのが難
しかったと言っていました」

  配属された瞬間から、暗黙のルールの数々が外国人社員を悩ませる。まずは台湾人のリンさんに話してもらおう。
「最初に配属された職場では、月曜
と金曜に休んではいけなかったようで、知らずに休むと怒られました。
上司
に『日本には“空気を読む”という言葉があってね…』と説教されたのですが、意味がわかりませんでした。
早出や残業も同じです。顧客の都合に合わ
せて時間外も働くことは理解できます。でも、たとえば『自分が招集した
議に部下が全員揃っている』という上司の見栄のために会社にいなければいけないのは理解できません」

  日本人が見過ごしがちで、外国人の批判が集中した職場の習慣が、「CCメール」だ。専門商社勤務の
シンガポール人女性、ウォンさんが語る。「問い合
わせの答えに『ありがとうございます』というだけのメールが
関係者全員に
送信される。これって意味あるんですか?」

  過剰なメールの背景には、「成果よりも過程を大切にする風土がある」と指摘するのは、通信会社勤務の
米国人男性、デイモンさんだ。「みんな『頑
張ろう』とばかり口にして、具体的な業務改善を後回しにしているように
えます。さらに、日本人の頑張る方向は、記録することにばかり向いているようです。業務であったことすべてを
メールやメモに残そうとするのです。
でもそれは不可能だし、より物事を複雑にする気がします」

  「働かない上司」は国籍を問わず、部下にとっては嬉しくないものだが、働きすぎる上司だって問題だ。
輸入代理店勤務のスペイン人男性、シルバさ
んはこぼす。「上司が退社するまで部下は帰ってはいけない、
というのは日
本の決まりなのですか」。さらに、何か命令を思いつくとすぐ呼びつける習慣も不可解だ。
シルバさんは言う。「上司が『おい』と声をかけてきたら、
必ず仕事を中断して相手をしなければいけない。
話を聞きながら働くことを
許してほしいですよ」

  このいびつな関係は、情報の流れがトップダウンであることに原因があると、情報サービス系企業勤務の
ニュージーランド人男性、シンプソンさんは
考えている。「日本人の上司はあまり部下の話を聞き入れないですよね。
に『自分が一番知識を持っているんだ』という驕りがあるように見えます。でも、上司の命令に従っているだけでは、
部下はまるで奴隷です」
 でも最近、シンガポール人のウォンさんは、理不尽な上司の言動にも意味があるような気がしてきたという。
「あの体育会系の教育は、顧客の理不尽
な要求に対応できるようになるための訓練だったことに気付きました」

  年功序列とセットになる終身雇用制度も奇異の目で見られている。スペイン人のシルバさんは、「雇用契約書に
具体的な年数が書かれていない」こと
に驚いたという。「スペインでは、20代のうちに6~7種類の仕事を経験
ていてもおかしくありません。いろいろな企業で1~2年ずつ働いて比較するんです。そうすればやりがいもあって
給料も良い仕事を見つけられるはず
です。終身雇用をいいことに、働きもせず自分の能力も磨かない中高年の
員がいることは本当に不思議です」

  一方、台湾人のリンさんは、こうした雇用制度に守られることに肯定的だ。「たとえば、社員が悪いことをしたら、
『そんな社員にしたのは会社の責任
です』と詫び、懲戒するけどクビにはしないで社会的な責任を果たそうとする。
台湾ではあり得ません。だから台湾人はスキルを学んだらキャリアアッ
プのためにすぐ転職を視野に入れますし、
私もそのつもりでした。ですがそ
んな日本企業の態度を見て、これなら社員は安心して長期間働けるなあ、と
思うようになりました。日本のやりかたには、忠誠心の高い社員を養成し、長期的なスパンでキャリア形成に
注力させるという合理性があるのかもしれ
ません」

  中国人のチェンさんに「日本企業ならではの強さ」を教えてもらおう。「誰かに有力な情報が入っても、それを
独り占めする人はいません。社内で情報
をシェアして、仕事を横に展開する。これは、同僚が出し抜くべき競争相手
ではなくて仲間だからこそ可能なことです。同僚になんでも相談できる。これは世界のどこの企業でもできない、
すごいことですよ」

 コメント: 日本で働く外国人にも、海外赴任の日本人にも共通して言えることだが、自身の価値観を現地特有の
価値観に置き換えるべきではないと思
う。あくまで自分のコアな価値観を保ったまま異文化・異習慣を取り入れ、
新しい価値観をつくっていく。それができる者こそ、グローバル人材といえるのではないか。そうした「価値観の融合」を
行うためには、本記事に登場
する台湾人のリンさんが「採用担当者と現場との意志疎通に問題がある」と指摘する
ように、表面的な事象にとどまらず、その本質を見出すことが必要
になろう。こうした融合のプロセスが頻繁に
行われることで、グローバル化
のなかでの新しい企業や社会のあり方が見えてくるのかもしれない。  
                                       Copyright:株式会社情報工場

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする